面接評価基準とは?つくり方や評価項目、質問例、評価シートの活用方法を解説
doda人事ジャーナル編集部
同じ面接官が担当していても、応募者によって評価の観点が変わったり、面接後に「本当に自社で活躍できるのか」という懸念が生じたりすることがあります。こうした課題は、面接評価基準があいまいで、面接官間で共有されていない場合に起こりやすくなります。
面接評価基準とは、応募者を評価する際の判断軸や、合否を判断するための基準を具体化したものです。評価項目を設定するだけでなく、どのような回答や行動を高く評価し、どのような状態を懸念ありと判断するかまで明確にします。
本記事では、面接評価基準のつくり方や評価項目、質問例、職種別の基準例、評価シートの活用方法を解説します。
記事とあわせて、評価項目の整理に使える無料の面接評価シートをご活用ください。
面接評価基準とは?採用で重要な理由
面接評価基準を整備すると、面接官の印象や経験だけに頼らず、職務に必要な適性・能力に基づいて応募者を評価しやすくなります。
厚生労働省でも、公正な採用選考では、応募者の適性・能力に基づいて判断することを基本としています。(参考:採用選考時の基本的な考え方・公正な採用選考の基本|厚生労働省)
評価項目と面接評価基準の違い
評価項目は「何を見るか」、評価基準は「どの水準なら合格と判断するか」を示すものです。
例えば、「論理的思考力」は評価項目です。一方、「結論・根拠・具体例を整理し、質問に対して一貫した回答ができる状態を合格とする」といった判断の目安が評価基準に当たります。
評価項目だけを設定しても、面接官によって解釈がわかれることがあります。ある面接官は話のわかりやすさを重視し、別の面接官は課題整理の深さを重視するといったズレが生じるためです。
そのため、実務では次の4項目をセットで設計すると、面接官間の認識をそろえやすくなります。
面接評価基準の設計で整理する4項目
①評価項目
②評価基準
③質問例・深掘り質問
④評価コメントの記入ルール
評価基準がない場合に起こる問題
評価基準がない、または形骸化している場合、次のような問題が起こりやすくなります。
- ・面接官によって合否判断が変わる
- ・印象や相性などの主観で採否が左右される
- ・応募者を比較する根拠が残らない
- ・採用後のミスマッチを振り返りにくい
また、家族構成や生活環境など、職務の適性・能力と関係のない情報が評価に入り込むと、就職差別につながるおそれがあります。
(参考:採用選考時に配慮すべき事項|厚生労働省)
面接評価基準を設定する5つのメリット
面接評価基準を設定すると、面接官による評価のばらつきを抑え、応募者を公平に比較しやすくなります。また、採用判断の根拠が明確になり、採用ミスマッチの防止や採用活動の改善にもつなげられます。
ここでは、面接評価基準を設定する5つのメリットを解説します。
面接評価基準を設定する5つのメリット
①面接官による評価のばらつきを抑えられる
②応募者を公平に比較できる
③採用ミスマッチを防ぎやすくなる
④採用判断の根拠を明確にできる
⑤採用活動の改善につなげられる
1. 面接官による評価のばらつきを抑えられる
評価基準を具体的な行動や回答例まで言語化すると、面接官が同じ観点で応募者を確認しやすくなります。
例えば「主体性」を評価する場合でも、「自ら提案した経験があるか」「周囲を巻き込んだか」「成果や改善につなげたか」まで定めておくことで、評価のズレを抑えられます。
作成した評価基準は、面接官へ共有するだけでなく、研修を通じて実際の面接で使える状態にしておくことが大切です。
2. 応募者を公平に比較できる
共通の評価項目と質問を用意しておくと、複数の応募者から合否判断に必要な情報を同じ観点で取得できます。
完全に同じ会話を行う必要はありませんが、必ず確認する共通質問と、応募者の回答に応じて行う深掘り質問を分けておくと、公平性と柔軟性を両立しやすくなります。
公平に比較するには、評価項目そのものが職務とひも付いていることも重要です。すべての職種で同じ項目・同じ重み付けにすると、かえって判断を誤る場合があります。職種やポジションに合わせて、重視する項目を調整しましょう。
面接官ごとの評価のばらつきを抑える面接手法について詳しく知りたい方は、下記の記事も確認してください。
(関連記事:構造化面接とは?メリット・デメリットや質問例、半構造化面接との違いを解説)
3. 採用ミスマッチを防ぎやすくなる
評価基準は、入社後に期待する役割と、面接で確認する内容をつなぐ役割を持ちます。
例えば営業職であれば、話しやすさだけでなく、顧客課題を把握する力、提案を組み立てる力、目標達成に向けて行動を改善する力なども確認するとよいでしょう。
入社後3カ月・6カ月・1年後に期待する状態を先に定め、その状態に必要な能力を評価基準へ落とし込むと、実際の業務に即した見極めがしやすくなります。運用開始後は、入社後の活躍状況や早期離職の有無と照らし合わせながら、評価基準を見直していくことも大切です。
4. 採用判断の根拠を明確にできる
評価基準に沿って記録を残せば、「コミュニケーション能力が高い」といった抽象的な評価ではなく、「質問の意図を確認し、結論・理由・具体例の順に回答できていた」といった具体的な根拠を共有できます。
人事・採用担当者と現場責任者の間で判断がわかれた場合も、評価シートに記録された回答内容や評価基準をもとに議論できるため、採用判断の納得感を高めやすくなります。
5. 採用活動の改善につなげられる
評価結果を蓄積すると、どの項目で不合格になる応募者が多いのか、入社後に活躍している社員は面接時にどの項目が高かったのかを分析できます。
例えば、応募者の多くが「業務理解」で低評価になる場合は、求人広告やスカウト文で仕事内容が十分に伝わっていないことが考えられます。面接評価が高いにもかかわらず早期離職が多い場合は、仕事内容や組織風土についての相互理解が不足しているかもしれません。
このように、面接評価基準は面接時の判断だけでなく、求人広告、スカウト、選考フロー、入社後フォローを見直すための材料としても活用できます。
面接評価基準のつくり方【5ステップ】
面接評価基準は、評価シートのフォーマットからつくり始めるのではなく、採用ポジションで期待する役割から逆算して設計することが重要です。
以下の順に進めると、評価項目や判断基準を整理しやすくなります。
面接評価基準のつくり方【5ステップ】
①採用ポジションの役割と期待する成果を明確にする
②必須要件と歓迎要件を分ける
③評価項目を選定する
④評価段階と判断基準を具体化する
⑤質問例・評価シート・運用ルールに落とし込む
STEP1. 採用ポジションの役割と期待する成果を明確にする
最初に、採用するポジションで任せたい役割を明確にします。求人票に記載する業務内容だけでなく、入社後にどのような成果を期待するのか、どのような課題を解決してほしいのかまで整理しましょう。
次の観点で整理すると、求める人物像を具体化しやすくなります。
- ・ポジションの主なミッション
- ・入社後3カ月・6カ月・1年後に期待する状態
- ・業務で頻繁に発生する場面や課題
- ・既存社員のうち活躍している人に共通する行動
- ・チーム内で求められる役割
例えば営業職でも、新規開拓を重視するのか、既存顧客との関係構築を重視するのかによって、評価すべき能力は変わります。「コミュニケーション能力がある人」のような抽象的な表現ではなく、「顧客の課題を聞き出し、関係者を巻き込みながら提案を進められる人」といった行動レベルまで具体化しましょう。
STEP2. 必須要件と歓迎要件を分ける
次に、採用ポジションに必要な要件を「必須要件」と「歓迎要件」に分けます。
必須要件は、入社後に業務を行ううえで欠かせない経験・能力です。歓迎要件は、あれば評価につながるものの、満たしていなくても採用を検討できる要素です。
両者を分けないまま面接すると、確認項目が増えすぎたり、本来は必須ではない条件を理由に応募者を見送ったりするおそれがあります。合否判断に直結する要件を優先して整理しましょう。
STEP3. 評価項目を選定する
役割と要件を整理したら、面接で確認する評価項目を選定します。
評価項目を決める際は、次の点を確認してください。
- ・業務上の成果とどのように関係しているかを説明できるか
- ・面接で具体的な経験や行動を確認できるか
- ・ほかの評価項目と重複していないか
- ・必須要件と歓迎要件のどちらに当たるか
- ・どの面接フェーズで確認するか
1回の面接で確認する項目は、十分に深掘りできる数に絞ります。目安として3~5項目ほどにし、複数の面接フェーズで役割分担する方法が現実的です。
例えば、「主体性」と「リーダーシップ」が近い意味で使われている場合は、「主体性」は自ら課題を見つけて動く力、「リーダーシップ」は周囲を巻き込んで前進させる力のように切り分けると、評価の重複を避けやすくなります。
STEP4. 評価段階と判断基準を具体化する
各評価項目について、3段階または5段階の評価尺度を設定し、それぞれの状態を具体的に定義します。
以下の表は、5段階評価を用いる場合の判断目安です。
| 評価 | 判断の目安 |
|---|---|
| 5点 | 期待水準を大きく上回り、入社後に高い成果を発揮できる具体的な経験がある |
| 4点 | 期待水準を上回る経験・行動があり、比較的早期の活躍が期待できる |
| 3点 | 採用ポジションで求める標準的な水準を満たしている |
| 2点 | 一部の経験・能力が不足しており、相応の育成や支援が必要である |
| 1点 | 必須要件を満たしておらず、今回のポジションとの適合が難しい |
重要なのは、点数の名称だけでなく、「どのような回答や行動があれば、その評価になるのか」を記載することです。
例えば「主体性」であれば、3点は「与えられた役割を責任を持って遂行できる」、4点は「自ら課題を見つけ改善行動を起こせる」、5点は「周囲を巻き込み、継続的な成果につなげている」といった形で具体化します。
点数ごとの行動例を用意しておくと、面接官間で評価結果を比較しやすくなります。
STEP5. 質問例・評価シート・運用ルールに落とし込む
最後に、評価項目ごとの質問例、深掘り質問、評価シートを作成します。
評価シートには、評価項目、評価点、評価の根拠となる回答、懸念点、次回面接で確認する事項などを記録できるようにします。
具体的な項目は、後述する「面接評価シートのつくり方」で解説します。
また、面接前に評価項目や役割分担を確認し、面接後に評価をすり合わせるルールも決めておきます。共通質問と深掘り質問をあらかじめ用意しておくと、応募者ごとに確認する観点がぶれにくくなります。
面接で評価する主な項目一覧
面接で評価する項目は、職種や役割によって異なります。以下の表は、多くの職種で用いられる代表的な項目です。
| 評価項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| コミュニケーション能力 | 相手の意図を理解し、必要な情報をわかりやすく伝えられるか |
| 主体性・行動力 | 自ら課題を捉え、必要な行動を起こせるか |
| 論理的思考力 | 情報を整理し、根拠を示しながら説明・判断できるか |
| 問題解決能力 | 課題を特定し、原因分析から実行・振り返りまで行えるか |
| 協調性・チームワーク | 異なる意見や立場の人と連携し、成果を出せるか |
| 成長意欲 | 自ら学び、行動や成果につなげているか |
| 負荷が高い状況への対処力 | 業務上の負荷に対して、優先順位の整理や相談など適切な対応ができるか |
| カルチャーフィット | 自社の行動指針やはたらき方の中で、無理なく力を発揮できるか |
すべての項目を評価する必要はありません。採用ポジションの必須要件と期待する役割に合わせて選定してください。
面接評価項目ごとの質問例と評価基準
評価項目ごとに、「質問例」「高評価と判断しやすい回答」「懸念が残る回答」「深掘り質問」を整理しておくと、面接官が同じ観点で評価しやすくなります。
以下の表は、代表的な評価項目ごとの質問例と評価基準の例です。
| 評価項目 | 質問例 | 高評価と判断しやすい回答 | 懸念が残る回答 | 深掘り質問 |
|---|---|---|---|---|
| コミュニケーション能力 | 相手に伝わりにくい内容を説明した経験を教えてください。 | 相手の理解度や立場を踏まえ、伝え方を変えた具体的な経験を説明できる。 | 相手の理解不足だけを理由にしており、自身の伝え方を振り返っていない。 | どのように伝え方を変えましたか。 |
| 主体性・行動力 | 指示を待たずに、自ら行動した経験を教えてください。 | 課題発見、判断、行動、結果までを一貫して説明できる。 | 上司や周囲からの指示を実行した経験にとどまっている。 | ご自身が判断した部分はどこですか。 |
| 論理的思考力 | 複雑な課題を整理して判断した経験を教えてください。 | 課題、原因、選択肢、判断理由、結果を整理して説明できる。 | 結論だけを述べ、判断に至る過程を説明できない。 | ほかにどのような選択肢を検討しましたか。 |
| 問題解決能力 | 業務上の問題を解決した経験を教えてください。 | 原因分析、打ち手の実行、効果検証、改善まで説明できる。 | 問題を他者や環境の責任として語り、自身の行動が見えない。 | その状況で、ご自身が変えられたことは何でしたか。 |
| 協調性・チームワーク | 意見が異なるメンバーと協力して成果を出した経験を教えてください。 | 自身の役割と周囲への働きかけを具体的に説明できる。 | 「協力した」といった抽象的な説明にとどまり、本人の貢献度がわからない。 | 意見が合わない相手に、どのように働きかけましたか。 |
| 成長意欲 | 最近、自ら学んだことや改善したことを教えてください。 | 学習の目的、行動、業務への活用、成果まで説明できる。 | 意欲は示しているものの、具体的な行動が伴っていない。 | 学んだことを業務でどのように活かしましたか。 |
| 負荷が高い状況への対処力 | 業務上の負荷が高い状況に、どのように対応しましたか。 | 優先順位を整理し、必要に応じて周囲と相談しながら対応した経験を説明できる。 | 過度に我慢したことだけを強調し、具体的な対処行動が見えない。 | 状況を整理するために、最初に何をしましたか。 |
| カルチャーフィット | これまで成果を出しやすかった職場環境と、その理由を教えてください。 | 成果を出しやすい環境や行動特性を具体的に説明できる。 | 職場への希望が抽象的で、実際のはたらき方との関係を確認できない。 | その環境で成果を出せた理由は何ですか。 |
回答の内容だけでなく、応募者本人がどのように考え、どのような役割を担い、どのような行動を取ったのかを確認することが重要です。
カルチャーフィットを評価する際の注意点
カルチャーフィットは、面接官との相性や「自分たちと似ているか」を判断する項目ではありません。自社の価値観や行動指針、仕事の進め方の中で、応募者が力を発揮できるかを確認するための項目です。
評価する際は、自社の行動指針を具体的な行動レベルまで言語化しておきます。例えば「顧客起点」を重視する会社であれば、顧客の課題をどのように把握し、行動へつなげてきたかを確認します。
年齢、性別、出身地、家族構成などと関連付けて評価しないよう注意が必要です。
負荷がかかる状況への対処力を評価する際の注意点
病歴や健康状態ではなく、業務上の負荷に対してどのような行動を取ったかを確認します。優先順位の整理や周囲への相談など、職務上の具体的な対処方法に焦点を当てましょう。
レジリエンスの考え方や具体的な質問例については、下記の記事で詳しく解説しています。
(関連記事:【面接質問集あり】注目の「レジリエンス」とは?「ストレス跳ね返し人材」の見抜き方)
【職種別】面接評価基準の具体例
同じ評価項目でも、職種によって重視する観点や求める水準は異なります。
以下の表は、職種別の評価項目と評価基準の例です。
| 職種 | 重視する主な評価項目 | 評価基準の例 |
|---|---|---|
| 営業職 | 顧客理解、提案力、目標達成志向、行動改善、関係構築 | 顧客課題を把握するために質問を工夫し、提案や行動の改善によって成果につなげた経験がある。 |
| エンジニア職 | 技術力、要件理解、問題解決能力、チーム開発、学習意欲 | 技術的な課題の原因を切り分け、関係者と連携しながら解決策を実行した経験がある。 |
| 管理部門・事務職 | 正確性、優先順位付け、調整力、業務改善、継続力 | ミスを防ぐための確認手順を整え、関係部署と調整しながら業務を改善した経験がある。 |
| 管理職 | 目標設定、人材育成、意思決定、組織課題への対応、合意形成 | チーム目標を設定し、メンバーの状況に応じた支援や育成を行い、組織成果につなげた経験がある。 |
例えば、コミュニケーション能力についても、営業職では顧客へのヒアリングや提案、エンジニア職では要件確認や技術的な説明、管理職では部門間の合意形成などが主な評価対象になります。
営業職であれば、売上や件数といった結果だけでなく、顧客課題をどのように把握し、提案内容や行動をどのように改善したのかを確認します。エンジニア職では、使用技術の経験年数だけでなく、要件理解やチーム開発での連携、技術的な課題への向き合い方も評価対象になります。
管理部門・事務職では、正確性や優先順位付け、関係部署との調整力が重要です。管理職では、個人としての成果だけでなく、チーム目標の設定、メンバー育成、意思決定、関係者との合意形成など、組織を通じて成果を出せるかを確認しましょう。
面接評価シートのつくり方
面接評価基準を実務で活用するには、面接評価シートに落とし込んでおくと運用しやすくなります。評価シートは、点数を付けるためだけでなく、判断の根拠を記録し、次の面接官や採用決裁者へ情報を引き継ぐためのツールです。
面接評価シートに入れる項目
面接評価シートには、次のような項目を入れると運用しやすくなります。
- ・応募者名・応募職種・選考フェーズ
- ・面接日・面接官名
- ・評価項目と評価基準
- ・評価点
- ・回答内容・評価根拠
- ・強みと懸念点
- ・次回面接で確認する事項
- ・総合評価
項目が多すぎると記入が負担になり、評価シートが形骸化しやすくなります。1回の面接で確認すべき項目を絞り、面接フェーズごとに役割を分けると、記録すべき内容が明確になります。
評価コメントの書き方
評価コメントには、面接官の印象ではなく、応募者の回答から確認できた事実を記録します。
例えば、「主体性が高い」とだけ書くのではなく、次のように記載します。
「前職で業務フローの課題を発見し、関係部署へ改善案を提案。運用ルールの変更まで主導し、作業時間を削減した経験を説明できていた」
懸念点についても、「論理性が低い」ではなく、「施策を選んだ理由と、ほかの選択肢を比較した過程を確認できなかった」と記録すると、判断根拠が明確になります。
評価コメントを書く際は、ポジティブな点と懸念点を分け、推測ではなく面接で確認できた発言や行動に基づいて記録しましょう。後から読み返したときに、なぜその評価になったのかがわかる状態にしておくことが大切です。
評価シート作成時の注意点
評価シートを作成する際は、次の点に注意しましょう。
- ・1回の面接で評価できる項目数に絞る
- ・点数ごとの判断基準を明記する
- ・点数だけでなく、根拠となる回答を記録する
- ・面接フェーズごとに評価する項目を分ける
- ・個人情報の保管場所・閲覧権限・利用目的を定める
自社の評価項目と判断基準を整理する際は、面接評価シートを実務にお役立てください。
面接評価基準を運用するポイント
面接評価基準は、作成して終わりではありません。
面接官が同じ基準を理解し、実際の面接で適切に使える状態にすることで、評価基準を現場で活用しやすくなります。
ここでは、面接官研修の実施、面接前の役割分担、評価のすり合わせ、評価結果の見直しについて解説します。
面接官研修を実施する
面接官研修では、評価基準の使い方だけでなく、質問の深掘り方法、評価コメントの書き方、不適切な質問についても共有します。
研修で扱う内容は、次の通りです。
- ・採用ポジションの役割と必須要件
- ・評価項目と評価基準
- ・共通質問に沿った面接の進め方
- ・質問例と深掘り方法
- ・避けるべき質問
- ・評価シートの記入方法
初めて面接を担当する現場面接官には、評価基準を共有するだけでなく、想定質問や記入例もあわせて説明すると理解が進みやすくなります。
面接官トレーニングの具体的な実施方法について詳しく知りたい方は、下記の記事も確認してください。
(関連記事:面接官トレーニングとは?習得可能なスキルと知識、トレーニング方法を解説)
面接前に役割分担を確認する
複数の面接官が関わる場合は、誰がどの項目を確認するのかを事前に決めます。
例えば、一次面接では人事・採用担当者が基本要件や転職理由を確認し、二次面接では現場責任者が職務経験や成果の再現性を確認し、最終面接では部門責任者が期待する役割や組織方針との適合を確認するといった役割分担が考えられます。
評価のすり合わせを行う
面接官ごとの評価の違いを縮めるには、同じ回答例を評価し、「この回答なら何点か」を話し合う機会を設けるとよいでしょう。
評価のすり合わせでは、架空の回答例や過去の面接記録をもとに、面接官同士で点数と評価理由を確認します。点数だけでなく、どの発言や行動を根拠に評価したのかまで共有すると、面接官間の解釈のズレを抑えやすくなります。
面接後の採用会議でも、点数の高低だけでなく、どの回答や事実を根拠に判断したのかを確認しましょう。
評価結果を蓄積して見直す
評価項目ごとの点数、評価コメント、合否結果、入社承諾前・辞退、入社後の定着状況や評価を蓄積すると、評価基準が実態に合っているかを検証できます。
次のようなタイミングで見直しましょう。
- ・新しい職種・ポジションの採用を始めるとき
- ・採用ミスマッチや早期離職が続いたとき
- ・事業方針や組織体制が変わったとき
- ・面接官から評価しにくいという意見が出たとき
- ・入社後に活躍している社員の傾向が明らかになったとき
面接評価基準の運用でよくある4つの失敗
面接評価基準を作成しても、運用方法が整っていないと、面接官ごとの解釈がわかれたり、評価シートが形骸化したりすることがあります。特に注意したい失敗は、次の4つです。
面接評価基準の運用でよくある4つの失敗
①評価基準があいまいになっている
②評価項目が多すぎる
③面接官ごとの解釈が異なる
④主観や心理的バイアスで評価してしまう
それぞれの原因と見直しのポイントを確認し、面接評価基準を実務で使いやすい状態に整えましょう。
1. 評価基準があいまいになっている
「主体性がある」「論理的に話せる」など、抽象的な表現だけでは面接官によって判断がわかれます。
高評価、標準、懸念ありの状態を、具体的な行動や回答例に落とし込みましょう。
2. 評価項目が多すぎる
項目が多すぎると、面接時間内に十分な深掘りができず、すべての項目が表面的な評価になりがちです。
面接フェーズごとに確認する項目を分け、合否判断に必要な項目を優先してください。
3. 面接官ごとの解釈が異なる
同じ5段階評価を使っていても、ある面接官は3点を合格と考え、別の面接官は4点以上を合格と考えることがあります。
回答例を用いた評価練習や、採用会議でのすり合わせを通じて、点数の意味を共有しましょう。
4. 主観や心理的バイアスで評価してしまう
「自分と似ている」「話しやすい」「熱意を感じる」といった印象が、職務遂行能力と一致するとは限りません。
評価コメントには、印象ではなく観察できた事実を記録します。例えば、「熱意がある」ではなく、「未経験領域について事前に情報収集し、入社後の学習計画を具体的に説明できていた」と記載します。
面接評価で避けるべき質問
面接では、応募者が職務を遂行するために必要な適性・能力を確認することが基本です。本人に責任のない事項や、思想・信条、結婚・妊娠・出産の予定など、職務に直接関係しない事項を尋ねると、就職差別につながるおそれがあります。
勤務時間、出張、転勤などについては、全応募者に同じ職務条件を示したうえで、対応できるかどうかのみを確認しましょう。(参考:採用選考時に配慮すべき事項|厚生労働省)
具体的なNG質問例や、誤って質問してしまった場合の対処法については、下記の記事で詳しく解説しています。
(関連記事:面接で聞いてはいけない質問・会話のNG行為とは?リスク回避のための具体的な対策)
面接評価基準に関するよくある質問
面接評価基準を整備する際は、評価項目の数や評価段階の選び方、評価シートの使い方で迷うことがあります。
ここでは、実務でよくある次の3つの質問に回答します。
面接評価基準に関するよくある質問
①評価項目は何個設定すべきですか?
②3段階評価と5段階評価はどちらがよい?
③面接評価シートはテンプレートでも問題ない?
評価項目は何個設定すべきですか?
1回の面接で評価する項目は、3~5項目ほどを目安にすると深掘りしやすくなります。確認項目が多い場合は、一次面接・二次面接・最終面接など、選考フェーズごとに役割を分けましょう。
一次面接では基本要件や職務経験、二次面接では専門性や成果の再現性、最終面接では期待する役割や組織方針との適合を確認するといった分担が考えられます。
3段階評価と5段階評価はどちらがよい?
3段階評価はシンプルなため、評価に慣れていない面接官でも使いやすい傾向があります。5段階評価は応募者間の差を細かく残しやすいため、比較や分析に活用しやすい方法です。
どちらを選ぶ場合も、各段階の定義と評価コメントをセットで運用することが重要です。初めて評価基準を整備する場合は、3段階で始め、運用が定着してから5段階へ移行する方法もあります。
面接評価シートはテンプレートでも問題ない?
テンプレートを使うこと自体は問題ありません。ただし、そのまま使用するのではなく、自社の採用要件、職種、選考フローに合わせた調整が必要です。
必須要件に関係する項目を優先し、職務との関連性が薄い項目は削除します。運用後は、面接官から評価しにくい項目や記入しにくい欄について意見を集め、改善を続けましょう。
まとめ|面接評価基準を整備して採用精度を高めよう
面接評価基準は、応募者をどの観点で、どの水準なら合格とするかを明確にしたものです。評価項目だけでなく、具体的な判断基準、質問例、評価コメントのルールまで整えることで、面接官間で判断基準を共有しやすくなります。
面接評価基準をつくる際は、次の流れで進めましょう。
面接評価基準をつくる流れ
①採用ポジションの役割と入社後に期待する成果を明確にする
②必須要件と歓迎要件を分ける
③面接で確認する評価項目を選定する
④各評価項目の判断基準を具体的な行動レベルで定義する
⑤質問例、評価シート、面接官間の運用ルールを整える
運用開始後は、面接官研修や評価のすり合わせを行い、入社後の活躍状況と照らし合わせながら定期的に見直すことが重要です。
また、応募者の適性・能力に関係のない質問を避け、公正な採用選考を行うことも欠かせません。まずは既存の評価シートを確認し、「何を評価しているか」「どの水準を合格としているか」「判断根拠が記録されているか」を整理するところから始めてみてください。
整備した評価基準を面接で運用するため、無料の評価シートをダウンロードしてご活用ください。
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