採用計画とは|計画の立て方と事前準備・役立つテンプレートを紹介

2017.01.10(最終更新2021.03.18)
d's JOURNAL
編集部
採用計画とは
採用計画が必要とされる理由
採用計画を立てる際の事前準備
採用計画を立てる4つの手順
新卒採用と中途採用の採用計画の比較
採用計画の運用を成功させるポイント
採用計画に活用できるテンプレート
まとめ

どの部署に、いつ、何人、どんな人を採用して入社してもらう必要があるかを決める「採用計画」。近年の採用市場の変化を受け、より計画的な採用を行うべく採用計画を見直す企業が増えています。

「採用計画の立て方を知りたい」「採用計画のテンプレートが欲しい」という人事・採用担当者も多いでしょう。

この記事では、採用計画を立てる際の事前準備や立て方などを紹介します。テンプレートもダウンロードできますので、ぜひご活用ください。

採用計画とは

採用計画とは、採用活動の基盤となる計画のこと。経営方針や事業計画に基づき、「いつ」「どのような人材を」「どの部署に」「何名」採用する必要があるのかを、具体的にイメージして計画します。

人員の配置・採用は、事業計画の達成に大きく関わる重要なポイントとなるため、「求める人材を確保できない」「ミスマッチによる早期離職」といった事態が生じないよう、綿密な採用計画を立てることが重要です。

なお、採用計画は、人事・採用担当者だけで立てることはできません。経営戦略や事業計画に基づいた採用計画を立てるために、経営層や事業責任者へのヒアリングが必須です。その上で、中長期的なスパンで「いつ」「どのような人材を」「どの部署に」「何名」採用するかを考え、採用計画に落とし込みます。

採用計画が必要とされる理由

採用計画の必要性が高まるきっかけとなったのが、2018年に経団連が示した「採用選考に関する方針」の廃止の意向です。

これを受け、就職活動に関するルールの取り決めが、経団連主導から政府主導へと変わり、広報・採用活動の要請が出るタイミングが、以前よりも数カ月後ろ倒しとなりました。

結果として、各企業が選考にかけられる時間が短くなったため、必要な人材を確保すべく、より計画的な採用を行う必要性が生じているのです。採用計画が必要とされるこの他の理由についても、見ていきましょう。

自社にマッチした人材を採用しやすくなる

採用には、人事・採用担当者だけではなく、部門責任者や役員など多くの人が関わります。一人一人の認識にズレが生じてしまうと、応募者に対する評価のばらつきや採用のミスマッチといった問題が起きかねません。

採用計画を立て、社内のニーズや求める人物像を明確化することにより、関係者の認識を合わせることができます。結果的に、自社にマッチした人材を採用しやすくなるでしょう。

より自社にマッチした人材が採用できれば、早期離職による採用のやり直しといった無駄な作業やコストの発生を防ぎ、効率的な採用活動が行えます。

採用活動の進捗計測・課題発見ができる

採用活動が順調に進んでいるかを判断するためには指標が必要ですが、その指標となるのが、採用計画です。採用計画があることで、「採用活動が予定通りに進んでいるか」を計測できます。

順調でないことがわかった場合には、採用計画と照らし合わせることで「どこに課題があるのか」を早期に発見できるでしょう。

加えて、近年は、労働人口の減少や働き方の多様化などを受け、採用市場が大きく変化しているとされています。こうした変化を受け、必要な人材を十分に確保するためには自社の採用課題の早期認識や、解決策の早急な検討・実施が必要になってきていることも、採用計画の重要性が増している一因と言えるでしょう。

採用計画を立てる際の事前準備

採用計画を立てる際には、事前準備が必要です。事前準備として押さえておきたいことを3つ紹介します。

経営方針や事業計画を把握する

採用計画は目先の人員補充を目的としたものではありません。中長期的な視点で、事業計画と連動させて策定する必要があるものです。そのため、根本である経営方針や事業計画について理解できていないままでは、採用計画を正しく策定できません。

経営方針や事業計画を確実に理解した上で、「どの部署で」「どういった人材が」「何人必要か」などを計画しましょう。併せて、将来的な年齢比や構成人員などを把握し、中長期的に必要となる人材の割り振りを考えることも重要です。

これらについて、経営陣や事業責任者と十分に擦り合わせをし、採用計画に落とし込みましょう。

自社の採用活動の情報を集める

これまでの採用活動を振り返り、「応募数はどのくらいあるのか」「選考通過率はどのくらいか」など、自社の採用活動の情報を集めることも大切です。そうすることで、採用計画の見通しを立てやすくなります。

自社の採用活動に課題があるとわかった場合は、解決策を講じる必要があります。例として、採用人数が目標に達していなかった場合には、広報の仕方や採用スケジュールを見直すことで、改善が期待できるかもしれません。

また、「採用人数が目標に達したか」という採用に関する数字だけにとらわれないことも重要です。採用計画は中長期的な視点で作成するものであるため、新入社員の定着率や新入社員に対する社内の満足度についても、情報を整理するとよいでしょう。

新入社員に対する社内の満足度に課題がある場合は、採用基準の見直しが必要となります。「どういった項目を採用基準に追加するとよいか」を新入社員の配属部署にヒアリングし、採用計画に落とし込みましょう。

競合他社・業界トレンドを調査する

求職者の多くは、同業界・業種の複数企業を検討した上で、応募する企業を決定します。求職者に自社を選んでもらうためには、競合他社や業界トレンドのリサーチ・分析が必要不可欠です。

競合の採用情報を把握することにより、他社との差別化を検討しやすくなるでしょう。
「求める人材がどのような志向を持って就職活動を行っているか」「競合他社はどのような採用活動を行っているか」など、幅広い視点で分析を行い、採用計画に反映させましょう。

採用計画を立てる4つの手順

採用計画を立てる際には、具体的にどのような手順を踏んでいく必要があるのでしょうか。採用計画を立てる際の手順を解説します。

①採用活動を行う体制を構築する

採用活動は会社全体で取り組んでいく必要があるものです。そのため、人事部だけで完結させず、募集元の部署や役員・経営陣などさまざまな人を巻き込んでいける体制を構築しましょう。

特に、説明会や面接など選考に直接関わるものや、内定者懇談会や入社前研修といった内定者フォローについては、新卒採用の担当部署のみならず、横断的に他部署の人員にも協力を要請する姿勢が重要です。

特に、候補者と直接コミュニケーションを取る面接官やリクルーターの選定は肝となります。採用活動を本格的に始める前には協力を依頼し、適切な人材を手配しましょう。

②求める人物像と評価基準を明確にする

次に、求める人物像と評価基準を明確にします。求める人物像が漠然としていると、採用後のミスマッチが起こったり、選考がスムーズに進まなかったりする可能性があるためです。

中長期的な採用ニーズを考慮した上で、人柄やスキル、経験といった観点から、定性的・定量的に求める人物像を定義するとよいでしょう。

併せて、面接官による評価のばらつきを防ぐため、評価基準を明確にすることも重要です。求める人物像と応募者が合致しているかどうかを的確に判断できるよう、評価基準を設定し、採用に関わる人全員に共有しましょう。

(参考:『採用基準の決め方|役割や作成手順をテンプレートと例で解説』)

③採用スケジュールを組み立てる

例えば、事業計画上7月と10月にそれぞれ2名の営業職を増員する必要がある、となった場合、そこから逆算して、遅くとも5月下旬までにオファーを出しておかなければいけない。そのためには一次~最終面接を4~5月のこの時期に最低何名は実施する。そのためには4月初頭からの2週間でこのくらいの母集団を集めておかないといけない…といった形でスケジュールを決めていくことになります。

その際、自社の過去の採用プロセスを振り返り、書類選考・各面接の通過率、どの程度のスピードで進められるか、自社の採用にかけられる人的リソースも考慮しておく必要があるでしょう。また、計画通りに進捗しているか週~月次単位での振り返りを行い、必要に応じてリカバリー策を検討することも、想定しておくべきでしょう。

採用スケジュールや進捗管理については、採用管理システムを活用することもおすすめです。人事・採用チームで進捗共有をすることができ、スケジュール管理を簡単に行うことができます。

④活用する採用手法を決定する

最後に、活用する採用手法を決定します。社内で定めた採用目標・計画や採用体制、求める人材や業界の特性などを踏まえ、どの採用手法を活用していくかを検討しましょう。採用手法の例としては、以下のようなものが挙げられます。

採用手法の例

・求人媒体(求人広告)
・人材紹介サービス
・ハローワーク
・就職・転職イベント
・ダイレクト・リクルーティング
・SNS採用
・オウンドメディア
・リファラル採用
・ミートアップ

従来は求人広告や人材紹介サービスなど、企業が希望者を待つ「受け身の採用」が主流でした。しかし近年では、デジタル化や労働人口減少の影響により、採用手法が多様化しています。

求める人材にピンポイントでアプローチできる「攻めの採用」のダイレクト・リクルーティングにも注目が集まっています。自社の現状をしっかり把握した上で、自社にマッチする採用手法を選択するとよいでしょう。
(参考:『【採用課題別】自社に合った最適な採用手法とは?~各採用手法の特徴やポイントを解説~』 )

新卒採用と中途採用の採用計画の比較

新卒採用と中途採用では、求職者に求めるスキルや採用のスピード感に違いがあるため、採用計画の傾向が異なります。新卒採用と中途採用、それぞれの採用計画の特徴について、紹介します。

新卒採用の採用計画の特徴

新卒採用は、社会人経験のない学生がターゲットとなります。学生たちに自社を選んでもらうためには、「どういった事業を行っている会社なのか」「どういった職種の社員が、どのような仕事を担っているのか」など、会社や業務内容について、詳しく説明する必要があります。

加えて、職務経験のない学生たちの中から自社の求める人材を見つけるためには、互いを理解する機会も欠かせないでしょう。そのため、中途採用に比べ面談回数を多く取ったり、複数の部署の社員と話す機会を作ったりといった、密なコミュニケーションが求められます。また、社会人となることに不安を感じる内定者に対するフォローも必要です。

中途採用よりも活動のプロセスが多くなる傾向にあるため、それを考慮した採用計画を策定する必要があります。

中途採用の採用計画の特徴

中途採用の採用計画を立てる上でポイントとなるのが、入社時期です。新卒採用の場合、4月に一律で入社するのが一般的ですが、中途採用の場合はいつ入社するかを企業と求職者との間で個別に決定するため、入社時期は人によって異なります。

そのため、いつまでに・どのようなスキルを持った人材を採用する必要があるかを逆算し、採用計画を立てることが重要です。既存社員を含めた人員計画や配属予定部署の受け入れ体制を踏まえ、入社時期の目標を定めておきましょう。

また、急な欠員が出た場合などにスピーディーな採用が求められるのも、中途採用の特徴の一つです。しかしながら、元の企業に在籍したまま選考を受けている求職者も多いため、すぐには入社できないケースも考えられます。

その場合、内定を得てから退職交渉をし、引き継ぎ後に退職となるため、内定から入社までは1~2カ月程度かかります。中途採用の採用計画を立てる際には、その点も考慮しましょう。

採用計画の運用を成功させるポイント

採用計画の運用を成功させるために押さえておくべきポイントについて、見ていきましょう。

計画の進行状況をチェックする

採用計画の運用を成功させるには、採用計画の進行状況を随時チェックすることが不可欠です。もし、計画通りに採用が進んでいない場合、どのプロセスで問題が生じているのか確認し課題を把握した上で、改善策を実行していきましょう。

具体的には、採用プロセスごとに、エントリー者数、説明会参加者数、応募者数、面接設定数、面接通過者数、内定者数、辞退者数など、具体的な数字を管理・確認し、改善策を検討することが重要です。

採用後の定着率の改善も意識する

採用計画は「入社」をゴールとしているのではなく、入社した社員が「定着」し、期待したパフォーマンスを「発揮」することをゴールとしています。採用が順調に進んでも、早期離職や既存社員の離職により、中長期的な事業計画に問題が生じる可能性もあります。

こうした問題が起きないよう、採用活動だけでなく、採用者のフォローや業務環境の改善など、採用後の定着率の改善も意識することが重要です。教育体制は整っているか、現場で指導する人員は確保されているかなどを検討しましょう。

また、中途採用者の場合にも入社後のフォローは不可欠です。人間関係の問題を抱えないように、周囲が迎え入れられる体制を整えておきましょう。

採用計画に活用できるテンプレート

採用計画を効率的に作成するためにおすすめしたいのが、テンプレートの活用です。d’s JOURNALでは、採用計画を立てる際に活用できるテンプレートをいくつか掲載しています。自社に合わせた内容にカスタマイズし、ぜひご活用ください。

要員計画計算フォーマット

要員計画とは、事業を遂行する際に必要となる人数(人員)を見積もるための計画のこと。要員計画を策定することで、「今現在の社員の人数」と「期日までに目標とする社員の人数」のギャップが明らかになり、「何人新たに採用する必要があるか」を把握できます。
(参考:『【フォーマット有】要因計画の概要と計画の立て方・流れを解説』)

こちらのフォーマットは、中長期的に会社に必要な人材を算出する際に活用できるものとなっています。

ジョブディスクリプション見本・テンプレート

ジョブディスクリプション(職務記述書)とは、担当する業務についての職務内容や必要とされるスキルなどを詳しく記載した文書のこと。ジョブディスクリプションの活用により、「職務に見合った人材の採用」や「能力・成果に応じた適正な待遇の決定」などの効果が期待できます。
(参考:『ジョブディスクリプションとは?テンプレートと記載例を使って作成、採用・評価に活用!

こちらのテンプレートは、採用する人材のスキルや業務内容の明確化に役立つものになっています。

コンピテンシー項目一覧

コンピテンシーとは、ハイパフォーマーに共通して見られる行動特性のこと。採用基準を設ける際の指標の一つとして使われています。自社で活躍している従業員のコンピテンシーを基に採用基準を設定することで、入社後の活躍が期待できる人材を見極めやすくなるでしょう。
(参考:『コンピテンシーとは?1分でサクッとわかる!意味や使い方、スキルとの違いを解説』)

コンピテンシー項目は多岐にわたるため、こちらのサンプルを基に、応募者に求めるコンピテンシー項目を明確化することをおすすめします。

まとめ

採用計画を立てることで、自社にマッチした人材を採用しやすくなり、採用活動の進捗計測・課題発見もできるようになります。

採用計画を立てる際は、事前準備として、「経営方針・事業計画の把握」や「自社の採用活動についての情報収集」「競合他社・業界トレンドの調査」を行いましょう。運用を成功させるためには「進行状況のチェック」や「採用後の定着率改善への意識」が重要です。

今回の記事を参考に採用計画の立て方を理解し、自社の特性に合った採用計画を策定してはいかがでしょうか。

(制作協力/株式会社はたらクリエイト、編集/d’s JOURNAL編集部)

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