1on1に対するはたらく側の本音。調査から見える「あるべき姿」とは
d's JOURNAL編集部
上司と部下が1対1で定期的に対話を行う「1on1」。近年、「信頼関係の構築」「業務の円滑化」などを目的に、1on1を取り入れる企業が増えてきています。1on1には、さまざまな効果が期待される一方で、部下からは「上司のアドバイスが参考にならない」、上司からは「部下の考えていることがわからない」といった声が挙がるなど、課題もあるようです。1on1の導入に当たり、「どのような1on1が望ましいのか」と、迷う人事担当者もいるのではないでしょうか。
そこでd’s JOURNAL編集部では、実際に自分の職場で1on1が行われている会社員を対象に、アンケートとインタビューを実施。「1on1に満足・不満足しているところ」や「1on1のあるべき姿」など、1on1について社員の本音を探りました。
1on1を誰と、どれぐらいの頻度で行っている?
最近注目を集めている「1on1」。1対1の面談を通して、上司が部下から話を聞き、適切なフィードバックをすることで、課題解決や人材育成などのさまざまな効果が期待できるとされています。実際に導入している企業では、どのようにして行われているのでしょうか。アンケート調査の結果を基に、「誰と」「どのくらいの頻度で」行われているのかをまとめました。
1on1の相手は、直属のリーダーや上司
1on1を誰と行うのかについては、企業によって違いがあるようです。誰と1on1をしているのか、アンケートの回答者の声をご紹介します。
<事前アンケート回答者の声(一部抜粋)>
●直属の上司と【商社/事務・アシスタント/営業事務・一般事務/26歳女性】
●部門リーダーと1時間を目安に【教育/事務・アシスタント//32歳女性】
●経営陣とリーダーメンバーでの1on1【旅行・宿泊・レジャー/企画・管理/39歳女性】
●1on1の相手は社長【建設・プラント・不動産/技術職(機械・電気)/37歳男性】
アンケートでは、人事評価を担当することになる「直属の上司」との1on1が最も多いことがわかりました。中には、「部門リーダー」や「経営陣」「社長」といった階層との1on1を行っている企業もあるようですが、一般的に部下の話を直接聞いてフィードバックする場として、部下にとって最も身近な評価者である直属の上司との間で1on1が行われる傾向があるようです。
実施頻度は、隔週~月に1回程度
1on1は一般的に、「週に1回」「隔週に1回」「月に1回」など、短いサイクルで実施するのが望ましいとされています。では、実際にどのくらいの頻度で行われているのか、アンケートの回答者の声をご紹介します。
<事前アンケート回答者の声(一部抜粋)>
●部署自体の人数が少ないこともあり、毎日【教育/事務・アシスタント/38歳女性】
●日々の悩みについて、週に1回程度【IT・通信/営業職/25歳女性】
●2~3週間に1回程度、不定期に【建設・プラント・不動産/技術職(機械・電気)/37歳男性】
●近況報告を兼ねて、1カ月に1回程度【商社/事務・アシスタント/26歳女性】
●2~3カ月に1回程度、1回当たり1時間を目安に【教育/事務・アシスタント//32歳女性】
●評価面談を兼ねて、6カ月に1回程度【IT・通信/技術職(SE・インフラエンジニア・Webエンジニア)/27歳女性】
「毎日」「週に1回程度」「2~3週間に1回程度」「1カ月に1回程度」など、月に最低1回以上行っている企業が多いようです。しかし、約3人に1人は「2~3カ月に1回程度」と回答していることから、実施頻度は企業によってさまざまであることがわかります。中には、「半年に1回程度」しか行われていない企業もあるようです。1on1の効果を高めるために、実施頻度の見直しを検討してみましょう。
(参考:『【1on1シート付】1on1で何を話す?失敗しない方法を実施前に知っておこう』)
1on1をどのような目的で行っている?
1on1では、「メンバーの成長促進」や「状況把握」「キャリア支援」などを目的に、上司と部下が「対等に」1対1で話をすることが望ましいとされています。実際に導入している企業では、どのような目的で1on1が行われているのか、こちらもアンケートを基に見ていきましょう。
「目標達成に向けた進捗状況の共有の場」として
<事前アンケート回答者の声(一部抜粋)>
●現在の仕事内容や、困っていることなどについて共有している【医薬品・医療機器・ライフサイエンス・医療系サービス/事務・アシスタント/23歳女性】
●直属の上司と、目標管理シートを基にした振り返りと、これからの改善点について話し合っている【商社/事務・アシスタント/26歳女性】
目標に対する個人・チームの到達状況の共有や、振り返りが行われることが多く、「業務上の課題についての相談」や「業務改善に向けた提案」の場として活用されていることがわかりました。またOKRの一環として1on1を行っている企業が一定数あるようです。
(参考:『OKRとは?Googleやメルカリなど導入企業の事例に学ぶ、失敗しない導入方法』)
「人間関係やプライベートなことを相談する場」として
<事前アンケート回答者の声(一部抜粋)>
●業務進捗と、人間関係の悩みについて相談している【IT・通信/営業職/31歳女性】
●仕事やプライベートの悩みを話している【福祉職/支援員/40歳男性】
業務についての相談にとどまらず、人間関係やプライベートな相談をするケースも見られました。なお、1on1で部下のプライベートに関わることについて質問するためには、「信頼関係」が構築されていることが前提となります。信頼関係が築けていない段階でプライベートな質問をすると、部下が少し警戒・萎縮してしまう可能性があるため、注意しましょう。
(参考:『【1on1シート付】1on1で何を話す?失敗しない方法を実施前に知っておこう』)
この他、「中長期的な目標を上司と共に考える」「キャリア相談や異動希望などを伝える」場となっている企業もあるようです。また本来の1on1の目的とは異なりますが、評価面談を兼ねている企業があることもわかりました。
1on1を実施して良かったと感じることは?
会社によってさまざまな頻度・方法で1on1が行われているようですが、実施しているユーザーに満足度を聞いてみると、「満足」「どちらかというと満足」の回答が73.1%でした。1on1に対する満足度は比較的高いことがわかります。
満足しているユーザーは、どのような点を「良かった」と感じているのでしょうか。電話インタビューを通して出てきた意見をご紹介します。
良かったこと①:上司とのコミュニケーションが増え、関係性が構築できた
「お互いに仕事が忙しい」「世代間ギャップがある」といった理由から、上司と部下の間でコミュニケーションが満足に取れないこともあるかもしれません。1on1を導入すると、上司と部下がコミュニケーションを取れる機会が増えるため、関係性を構築しやすくなるようです。
<インタビューでの声(一部抜粋)>
●1on1をやる前は上司とまったく話をしていなかったので、お互いの考えていることがわからなかった。1on1を通じて、家庭に関連したこと(子育ての大変さ、勤務時間の調整など)など、自分のプライベートの話ができるようになった。同じ「方向性」「目標」に向けて仕事をしていることがわかり、上司への信頼度が上がり、関係性を築けるようになった【メーカー(素材・化学・食品・化粧品・その他)/総務・法務・知財・人事アシスタント/32歳男性】
●1on1をすることで、自分のことを上司がちゃんと見てくれていると感じることができた。想像した以上に真摯に向き合ってアドバイスをくれるので、信頼につながっている。また、アフターファイブで一緒にご飯を食べに行ったり、仕事外での気軽なつながりもできたりと、良好な関係性を築くことができている【商社/営業事務・一般事務/26歳女性】
この他、「1on1をやることで、それまで接点の少なかった異性の上司とのコミュニケーションが取りやすくなった」という意見も聞かれました。
良かったこと②:アドバイスにより業務が円滑化し、モチベーションも上がった
1on1を定期的に行うことで、上司は「業務目標に対する部下の進捗具合」や「目標達成に向けた課題」などを把握しやすくなります。部下の置かれた状況に合ったアドバイスができるようになるため、業務が円滑に進み、その結果、部下のモチベーションが上がる傾向にあるようです。
<インタビュー回答者の声(一部抜粋)>
●上司の「何でも話をしてください」というスタンスから、「現場の要望を聞きたい」という姿勢が感じられる。1on1で困っていることについて相談した時、別の人を紹介してくれて、その人からアドバイスをもらえることもあった。仕事を円滑に回せるように動いてくれていると感じる。1on1での対話を通じて、社内の問題が改善されると実感し、満足度が増した【メーカー(素材・化学・食品・化粧品・その他)/総務・法務・知財・人事アシスタント/32歳男性】
●アドバイスをもらったり、頑張ったことに対して評価してもらったりすることがうれしい。できなくて悩んでいることに対してアドバイスしてくれるのはもちろん、「これをやってみよう」と背中を押してもらえることで、仕事へのモチベーションがアップする【IT・通信/IT営業/31歳女性】
良かったこと③:情報共有や進捗報告をすることで、目標達成の近道になった
個人・チームで掲げる目標を達成するためには、上司と部下の間での情報共有や進捗報告が不可欠です。目標管理の一環として定期的に1on1を行うことで、目標に向けた意欲が高まり、達成の近道となるようです。
<インタビュー回答者の声(一部抜粋)>
●1on1では、上司が私のプレゼンテーションに関するFBをしてくれる。上司の資料を共有してもらったり、的確なアドバイスを受けたりと、参考になっている。上司と部下という関係性を保ったまま、話をすることに意味があるのではと思う【商社/営業事務・一般事務/26歳女性】
●業務の進行状況についてその都度確認してくれるので、迷ったこと・わからないことをすぐに相談できる。具体的な目標を1on1の場で上司に報告することで、「達成しないといけない」という意識が高まった【商社/営業事務・一般事務/26歳女性】
良かったこと④:会社の風土づくりにポジティブな効果があった
「何でも言い合える雰囲気がない」「反対意見を言いにくい」などの課題を抱えている場合、1on1を実施することで、職場の雰囲気が良くなることもあるようです。それにより、チームにおける個人のスキルや能力・経験を最大限に発揮し、目標達成を目指す取り組みである「チームビルディング」や、一人一人が恐怖や不安を感じることなく、安心して意見を言い合える状態である「心理的安全性」にも効果が出るようです。
<インタビュー回答者の声(一部抜粋)>
●会社が1on1に積極的なこともあり、上司と部下の壁がない雰囲気で、何でも言い合える。結婚や妊娠で仕事を休む場合でも、上司に言いやすい。1on1は、チームビルディングや心理的安全性に効果があると思う【商社/営業事務・一般事務/26歳女性】
●人事部から、「1on1中は、高圧的な態度を取らないように」と、上司向けのマニュアルが配られていると聞いた。それもあってか、丁寧に私の話を聞いてくれるので、有意義な時間になっている【IT・通信/IT営業/31歳女性】
1on1を有意義なものにするためには、上司の意識・態度も重要であることが見て取れます。
(参考:『心理的安全性の作り方・測り方。Google流、生産性を高める方法を取り入れるには』『チームビルディングの目的と方法をおさえ、目標達成を目指す【手法例5つ紹介】』)
現在の1on1の不満なところは?
1on1をやって「良かった」と感じることがある一方で、「満足していない」と感じることもあるようです。どのような点が不満なのか、電話インタビューを通して出てきた意見をご紹介します。
不満なところ①:現場に対する理解が足りていないので、評価にも納得しにくい
1on1は、部下たちの状況を把握するために行われます。しかし実際には、「現場に対する上司の理解が不十分で、評価にも納得できない」状況になっていることもあるようです。
<インタビュー回答者の声(一部抜粋)>
●実際に現場でどのような問題が起きていているのかわかっていない。アドバイス自体は参考になるものの、「初心者だからこその悩み」をわかってくれず、高度な説明が多い。「ここはこうしたらいい」と当たり前のように話が進んでいくので、ギャップを感じている。マネジメントをする側と現場では意見が違うことも多く、わからなかったことは上司ではなく、同僚や先輩に話を聞いている状況にある【IT・通信/IT営業/31歳女性】
●評価面談を兼ねて1on1が行われているが、現場で働くスタッフの状況や思いが、上の人には伝わっていないように思う。加えて、直属の上司の気分次第で評価が変わってしまうこともあり、自己評価との乖離を感じている【理容・美容・エステ/販売・サービス職/36歳女性】
この他、「男性上司が女性社員のキャリアに対して関心がない」「出産・育児と仕事の両立についての相談をしにくい」といった、キャリア相談の難しさに関する意見もありました。
不満なところ②:上司の聞き方・話し方に問題があり、有意義な時間にならない
1on1を成功させる鍵となるとされているのが、上司の「聞き方・話し方」です。しかし実際には、上司の聞き方・話し方に問題があり、1on1に不満を感じている人もいるようです。
<インタビュー回答者の声(一部抜粋)>
●上司よりも自分の方が年上ということもあって、遠慮しているのか、話を聞いてはくれるものの、何もアドバイスをしてくれない。一方で、最終的にこちらの意見は尊重されず、言いくるめられてしまっているように感じることもある。そのため1on1後には、「話を聞いてもらったようで、まったく聞いてもらえなかった」という不満が残る【理容・美容・エステ/販売・サービス職/36歳女性】
●こちらから問題提起した内容に対して、「今までこうだったから、このままで良いのでは」と流されることがある。駄目なら駄目で、「予算がないから今期はできないが、来期に持ち越す」など、建設的な議論ができるなら意味があると感じる【メーカー(素材・化学・食品・化粧品・その他)/総務・法務・知財・人事アシスタント/32歳男性】
上司の聞き方や話し方、その後の行動によって、1on1に対する満足度が大きく変わることが見て取れます。部下が本音を言いやすくなるような聞き方・話し方をしているか意識することが重要でしょう。
(参考:『【1on1シート付】1on1で何を話す?失敗しない方法を実施前に知っておこう』)
不満なところ③:上司が忙しいため、最低限の報告だけで終わってしまう
部下を多く抱える上司や、プレイングマネージャーを任されている上司などは、どうしても多忙になりがちでしょう。上司が忙しいのは仕方のないことではありますが、1on1の場でも忙しそうな様子を見せると、部下は満足に話をすることができないようです。
<インタビューでの声(一部抜粋)>
●上司が忙しいため「そろそろ時間だね」と終わってしまう。そのため、業務の進捗報告だけで終わってしまうことが多く、部署の人間関係などの悩みを言いやすい雰囲気ではない。上司との信頼関係を築けていないと感じる。業務の進捗以外を相談できないことが不満。部署の人間関係などの悩みなど、もっと他のことを相談したいという気持ちがある【IT・通信/IT営業/31歳女性】
1on1のために時間を割いているのは部下も同じだということを意識し、部下が「話したいことを話せる」場にできると良いでしょう。
1on1のあるべき姿とは?
ここまで、「1on1を実施して良かったこと」や「1on1に不満なところ」を見てきましたが、1on1のあるべき姿とは一体どのようなものなのでしょうか。信頼関係の構築や仕事へのモチベーションアップといった1on1の良さを高めるための重要なポイントについて、インタビューで出てきた意見を基にご紹介します。
1on1のあるべき姿①:関係性の構築につながる1on1
上司と部下が、共に会社や事業の目標に向かえるように信頼関係を築くことこそが、1on1を行う一番の意義なのではないでしょうか。実際に、「上司との関係性の構築につながるような1on1」を期待するという声が聞かれました。
<インタビュー回答者の声(一部抜粋)>
●1on1をすることで、「上司が自分のことをちゃんと見てくれている」と感じる。その上でアドバイスが受けられる、信頼につながる。良好な関係性を築くことができていると思う【商社/営業事務・一般事務/26歳女性】
●仕事の話にとどまらず、家庭の話もできるようになると、関係性の構築につながる。結果的に仕事へのモチベーションも上がると思う【メーカー(素材・化学・食品・化粧品・その他)/総務・法務・知財・人事アシスタント/32歳男性】
進捗確認にとどめるのではなく、部下の取り組みを称賛したり、目標達成に向けた適切なアドバイスをしたりすることが重要です。
1on1のあるべき姿②:その後のアクションにつながる1on1
1on1は、「ただ部下の話を聞いて終わりにする」というものではありません。「1on1で話した内容をその後の上司のアクションにつなげてほしい」という意見が挙げられました。
<インタビュー回答者の声(一部抜粋)>
●話した内容がきちんと伝わった上で、何かしらの動きが見えないと不満が解消されない【理容・美容・エステ/販売・サービス職/36歳女性】
●「この前もらったこういう意見に対して、改善を今ここまで進めています」というところまで示してもらえると、こちらからの要望を出しやすい【商社/営業事務・一般事務/26歳女性】
●1on1で相談した後に何もアクションがないと、「問題提起した意味、相談した意味がなかった」という気持ちになる。一方で、次のアクションにつながると「相談した甲斐があった」と思い、1on1に意義を感じる【メーカー(素材・化学・食品・化粧品・その他)/総務・法務・知財・人事アシスタント/32歳男性】
すぐにアクションを起こせない場合には、「いますぐにはできない理由」や「今後の見通し」を部下に伝えることで、前向きに取り組んでいる姿勢を見せることができます。
1on1のあるべき姿③:限られた時間を有効活用する1on1
上司も部下も貴重な時間を割いて行う1on1。限られた時間を有効活用するためには、計画性も求められているようです。
<インタビュー回答者の声(一部抜粋)>
●相談できずに業務の進捗報告だけで終わると、信頼関係を築くところまでには至らない。事前にアジェンダを決めておき、「業務の内容」「悩みごと」「事前に決められたテーマ」をそれぞれ10分ずつなど、時間配分ができていると良い。また1on1以外では話す機会がほとんどないが、日常においても話をもっと振ってほしいと思う【/IT・通信/IT営業/31歳女性】
「当日のテーマは全員同じではなく、一人一人の状況に合わせたものにする」「部下がもし別のことについて話したいようであれば、そちらを優先する」といった工夫をするとなお良いでしょう。また、日頃からコミュニケーションを取るように意識することも重要です。
1on1のあるべき姿④:一方的でない1on1
「良かれと思って一方的にアドバイスしてしまう」「目標を押し付けてしまう」といったような1on1だと、部下は納得感を得られにくくなるようです。「一方的ではなく、対話を求めたい」という声も聞かれました。
<インタビュー回答者の声(一部抜粋)>
●進捗状況に対してアドバイスはもらえるものの、簡単に話が流されがち。1つのことに対して、お互いに議論して解決策を導く過程をつくれると、信頼度が高まり、心理的な壁がなくなると思う【IT・通信/IT営業/31歳女性】
一方的にならないようにすることに加えて、傾聴やコーチングを意識し、心理的安全性を確保できるとなお良いでしょう。
(参考:『【1on1シート付】1on1で何を話す?失敗しない方法を実施前に知っておこう』)
1on1のあるべき姿⑤:威圧的でない1on1
1on1は、上司と部下の1対1の対話の場であるため、どうしても評価する側・される側という構図になりがちです。それにより、上司が部下から「威圧的」だと捉えられる可能性があります。
<インタビュー回答者の声(一部抜粋)>
●何を「パワハラ」「セクハラ」と捉えるかは人それぞれ。言った側はそういうつもりでなくても、受けた側がプレッシャーを感じたら「パワハラ」「セクハラ」となることもあると新聞記事で見た。何か指示を出すときでも、威圧的にならず柔らかく伝えてもらえるような配慮を求めたい【金融/経理・財務・管理会計・内部統制/40歳男性】
威圧的になると、部下は自分の思っていることを素直に伝えることが難しくなります。上司は自身の発言が「精神的な攻撃」や「過大な要求」などのパワハラ行為に当たらないかどうか、受け取る側の立場になって考えることが重要です。
(参考:『【弁護士監修】パワハラ防止法成立。パワハラ問題へ企業はどう対応する?対策法を紹介』)
まとめ
1on1を行うことによって、上司との関係性を構築することができ、信頼度が増すことがわかりました。また、「具体的な目標を上司に報告することで、目標達成に向けた意識が高まる」「日々の業務を評価してもらうことで、仕事へのモチベーションが高まる」「問題提起したことに対してアクションがあると、有意義な時間だと思える」などといった良さもあるようです。一方で、「上司の話し方・聞き方に問題がある」といったように、1on1のやり方次第ではかえって逆効果となってしまう可能性もあります。「あるべき1on1の姿」を意識し、質問事項や記録用シートなどを事前に準備した上で、1on1に臨むと良いでしょう。
(制作協力/株式会社はたらクリエイト、企画/d’s JOURNAL編集部 齋藤 裕美子)