【事例付】テレワークマネジメントがうまくいかない…そんな時!すぐにできる3つの方法

d’s JOURNAL編集部
テレワークマネジメントとは
テレワークマネジメントの重要性と課題
これだけは押さえたいテレワークマネジメントの3つの方法
テレワークマネジメントをうまく実施している企業事例

新型コロナウイルス感染拡大に伴い、一気に導入が進んだテレワーク。その中で課題として浮かび上がってきたのが、テレワーク環境における新たなマネジメントの在り方です。「コミュニケーション不足」や「従業員の管理の難しさ」などの課題を、以前より感じるようになった企業も多いのではないでしょうか。そこで今回は、すぐに取り組めるテレワークマネジメントの3つの方法や、テレワークマネジメントに成功している企業事例などをご紹介します。

テレワークマネジメントとは

テレワークマネジメントとは、テレワーク環境に適した新たなマネジメントの在り方のこと。そもそも、「マネジメント」とはどのようなものなのでしょうか。テレワークのメリット・デメリットと併せてご紹介します。

そもそもマネジメントは何をすること?

著名な経営学者であるピーター・ファーディナンド・ドラッカーは、マネジメントとマネージャーを以下のように定義しました。

●マネジメント:組織に成果を上げさせるための道具・機能・機関
●マネージャー:組織の成果に責任を持つ者

また、「組織の目標・案件・プロセスを管理することで、組織の目標を達成すること」をマネジメントの役割としています。今日では、この役割こそが「マネジメント」であるという認識が一般的です。

テレワークの実施率

パーソル総合研究所が2020年11月に実施した調査によると、正社員のテレワーク実施率は全国平均で「24.7%」でした。また、非正規雇用の実施率は「15.8%」と、正社員に比べ8.9%低い結果に。企業規模別(従業員数別)の実施率を見ると、1万人以上の企業では「45.0%」だったのに対し、100人未満では「13.1%」でした。このようにテレワークの実施率は、雇用形態や企業規模によって差があると言えるでしょう。
(参考:パーソル総合研究所『第四回・新型コロナウイルス対策によるテレワークへの影響に関する緊急調査』速報版)

テレワークのメリット・デメリット

同調査によると、テレワーク実施のメリットとして最も多かった回答は「感染症のリスクを減らせる」でした。次いで「通勤や移動にかかる時間が削減できる」「通勤や移動のストレスがない」「身支度にかかる時間やコストが削減できる」という結果に。テレワークには、さまざまなメリットがあることがわかります。

テレワークのメリット・デメリット

(参考:パーソル総合研究所『第四回・新型コロナウイルス対策によるテレワークへの影響に関する緊急調査』速報版)

一方、テレワークのデメリットとして真っ先に挙げられるのが「マネジメントの難しさ」です。同調査によると、「テレワークの不安」として、「非対面のやりとりは相手の気持ちがわかりにくく不安」「上司から公平・公正に評価してもらえるか不安」などを挙げるテレワーク実施者が多くいることがわかりました。対面機会の減少が、不安につながっているのが見て取れます。

テレワークのメリット・デメリット

(参考:パーソル総合研究所『第四回・新型コロナウイルス対策によるテレワークへの影響に関する緊急調査』速報版)

(参考:『「テレワーク」とは。働き方改革に向けて知っておきたいメリット・デメリットや実態』)

テレワークマネジメントの重要性と課題

テレワークには、「部下のスケジュール管理」や「コミュニケーション不足」、「テレワークでの評価基準の在り方」といった課題があります。そのため、業務に対するモチベーションや集中力の低下が懸念されます。モチベーションや集中力の低下は生産性の低下にもつながるため、テレワークマネジメントを適切に行うことが重要です。オフィス勤務時と同様のマネジメントをそのまま行うのではなく、テレワーク勤務に合わせた「仕組みの変更」や「ツールの活用」などの工夫が求められるでしょう。

モチベーションと生産性の関係性

モチベーションと生産性の関係性

テレワークマネジメントを効果的に行うためには、テレワーク時の生産性を上げる要因を知っておく必要があります。生産性を上げる要因について、下の表にまとめました。

テレワーク時の生産性を上げる要因

組織の特徴 上司の特徴 個の働き方
基本的要素

●働き方のフレキシビリティ
朝の出社時間が厳格に決められていない、働く場所が自由に決められる

●遠隔会議のファシリテーションスキル
オンライン会議では、参加者が話しやすいような雰囲気づくりをしている

●スケジュール管理スキル
内容に変更があるときに、柔軟にスケジュールを組み直すことができる

応用的要素

●結果重視志向
仕事のプロセスより最終的な結果重視

●変化受容マインド
新たなやり方・状況への前向きさ

●問題対処スキル
不明点を自ら解決しにいく

(参考:パーソル総合研究所『第四回・新型コロナウイルス対策によるテレワークへの影響に関する緊急調査』)

生産性を高める方法の1つとして、企業と従業員の目標をリンクさせる人事評価制度「MBO(目標管理制度)」を導入する企業が増えています。テレワーク環境では、対面の機会が物理的に減るため、意識的にコミュニケーションの機会を増やすことで「帰属意識」や「組織の一体感」の醸成も期待できるでしょう。また、テレワークでも生産性を低下させずに組織が自律的に機能するためには、従業員一人一人がミッションを持ち、下から上を支えるという考え方にシフトできるように組織開発をする必要があります。
(参考:パーソル総合研究所『第四回・新型コロナウイルス対策によるテレワークへの影響に関する緊急調査』)
(参考:『【5つの施策例付】生産性向上に取り組むには、何からどう始めればいいのか?』『MBO(目標管理制度)とは?目標設定・振り返り方法など成果が出る運用の秘訣を紹介』『帰属意識、自社は低い?高い?すぐ実践できる「帰属意識を高める15の施策」-計測シート付-』『組織開発をかんたん解説!始める前に知っておきたい効果の出る進め方』)

これだけは押さえたいテレワークマネジメントの3つの方法

ここからは、テレワークマネジメントですぐに取り組める3つの方法についてご紹介します。

3つのテレワークマネジメントとその効果

3つの方法 ポイント 得られる効果
①組織の目標や今後の方針をメンバーと共有する 部下にビジョンや方向性を示す 組織の一体感を醸成できる
②ジョブアサイン・業務支援を、適切に実施する アサイン時は目的や制約条件などをきちんと説明する 仕事をスムーズに進行できる
③オンライン会議の設備・環境を整える マネージャーのファシリテーションスキルが求められる 参加者が話しやすい雰囲気になり、発言が活発になる

①組織の目標や今後の方針をメンバーと共有する

お互いの姿が見えにくいテレワークでは、部下に対してビジョンや方向性を示すことが重要です。メンバーにビジョンを共有することで、企業として何を目指しているのかが明確になり、組織の一体感が増すでしょう。

②ジョブアサイン・業務支援を、適切に実施する

マネージャーには、「適切な仕事のアサイン」や、部下へのアドバイスといった「業務支援」が求められます。アサイン時は、目的や制約条件などをきちんと説明することが重要です。これにより、部下は仕事を進めやすくなります。

③オンライン会議の設備・環境を整える

オンライン会議の設備・環境の整備も欠かせません。オンライン会議の際には、上司がファシリテーションスキルを発揮することが重要です。参加者が話しやすい雰囲気をつくることで、活発な議論ができるようになるでしょう。

テレワークマネジメントをうまく実施している企業事例

ここからは、オンラインでも社員のやる気の維持・向上に成功している企業事例をご紹介します。

事例①:株式会社ニット ~「1日1褒め」の実施と属人化を防ぐチーム制を導入~

株式会社ニットでは、「1日1褒め」の実施と属人化を防ぐチーム制を導入しています。毎日3分でもメンバーと話す機会を持ち、「1日1褒め」を実践することにより、メンバーに歩み寄っているようです。また、業務の属人化を防ぐため、タスクの見える化やフォローし合えるチーム制の関係構築にも取り組んでいます。

事例②:株式会社ミクシィ ~新しい働き方と在宅勤務環境整備のための特別支援を実施~

株式会社ミクシィでは、日々の業務内容に応じてリモートワークとオフィスワークを選択できる「マーブルワークスタイル」を試験運用しています。加えて、リモート環境構築を目的とした補助や、在宅勤務環境を充実させるための特別賞与を社員に支給し、リモートワーク時の成果向上につなげているようです。

事例③:株式会社SmartHR ~定期的に現場の声を吸い上げる「場」づくりを推進~

株式会社SmartHRでは、オンラインで社員が積極的に参加したくなるような交流の「場」づくりに取り組んでいます。入社3週間後ごろに行う「何でも質問会」や新入社員に限定した「毎月のサーベイ」など、定期的に現場の声を吸い上げる場を設けて、モチベーション維持に努めています。

(参考:『【事例5社】コロナ禍で社員のやる気低下?リモートでやる気をアゲる「マネジメント・制度・コミュニケーション」術』)

まとめ

コミュニケーション不足などによる、社員のモチベーションや集中力の低下が懸念されているテレワーク。生産性の低下につながる前に、テレワークマネジメントを適切に行うことが重要です。すぐに取り組める対策として、「組織の目標や今後の方針をメンバーと共有する」「ジョブアサイン・業務支援を、適切に実施する」「オンライン会議の設備・環境を整える」の3つが挙げられます。企業事例も参考に、自社に合ったテレワークマネジメントに取り組みましょう。

(制作協力/株式会社はたらクリエイト、編集/d’s JOURNAL編集部)