【5分で理解】今さら聞けない、中途採用担当者の仕事内容 ~基本編~

d’s JOURNAL編集部

この記事では、初めて中途採用を担当することになった方や、あらためて採用の全体像を把握したい方に向けて、中途採用の流れや具体的な仕事内容を解説します。

基本的な採用のプロセスや業務に加え、押さえておきたい最新の採用手法や業務に役立つ資料、関連記事もご紹介します。ぜひ明日からの採用活動に活かしていただければと思います。

中途採用の基本的なプロセス(流れ)

求人の募集から内定・入社まで、基本的には以下のプロセスで中途採用は進んでいきます。

☑ 採用計画を立てる

☑ 母集団を形成する

☑ 選考する

☑ 内定・入社前フォローをする

中途採用担当者の業務は幅広く、募集するポジションの採用要件を決定し、最適な採用手法・パートナー企業を選定。募集開始から、選考フローの企画・運用、内定・入社後のフォローに至るまで、さまざまな役割を担っています。

それでは、具体的に各プロセスにおける業務内容を確認していきましょう。

採用計画を立てる

採用計画を立てる

まずは、採用計画を立てるところから始まります。会社によっては要員計画と呼ぶ場合もあります。どの部署に、いつまでに、何人、どんな人を、どんな手法で採用するのかといった内容を決定します。また、併せて予算(採用にかかるコスト)についても検討します。

急な退職などによる欠員によって中途採用をスタートすることもありますが、いつまでに、どんな人を、どんな手法で採用するのかを考える必要があります。

いつまでに目標達成する必要があるのかを知れば、内定を出さなければならないタイミングや入社リミットが決まるので、逆算して選考・募集を開始する日など大まかなスケジュールを引くことができます。

過去の採用結果や会社の業績、配属予定部署からの希望などを取り入れて、以下の項目を決定し、採用計画を作成していきましょう。

採用目標
・採用人数/採用予算
・採用納期(いつまでに採用するか)
・プロセス指標・目標数の決定(応募数、面接通過数、内定数など)

採用要件
・経験(入社後すぐに任せる業務で必要な経験)
・スキル/資格(業務上必須となる語学力や資格など)
・人物像(志向性、行動特性、価値観など)

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母集団を形成する

母集団を形成する

採用計画がまとまったら、募集する職種・ポジションの対象となるスキル・経験を持つ人材を集める作業に移ります。最新の企業情報をまとめ、採用要件をもとに求人票を作成し、一定の母集団が形成できるように準備を進めていきます。

転職市場のデータを基に自社にマッチした人材要件を教えてくれる求人要件の作成支援サービスなど、HRテックサービスの活用もおすすめです。

ハローワーク、求人媒体(求人広告)、人材紹介サービスなど、どの採用手法を用いて転職希望者へアプローチするのかを決定します。

【中途採用の代表的な採用手法】

中途採用では、次の5つが代表的な手法として用いられます。募集するポジションの特徴や採用課題に合わせて、最適な手法を選びましょう。募集する人材によって、集まりやすい採用手段は変わりますし、費用対効果も大きく変わってきます。

中途採用の代表的な採用手法

最近は、オンライン型の合同会社説明会(転職フェア)の開催も増えてきています。それぞれの採用手法について、具体的な特徴やメリット、利用の注意点、活用例などが気になる方はこちらの「中途採用に役立つ採用手法の種類や比較などを総まとめ」をご参照ください。

選考する

選考する

応募者の選考は、中途採用活動の一番重要なプロセスです。事前にどのようなフローで、誰がどのように合否を決めるのか明確にしておきましょう。

・書類選考(提出書類の形式や写真の有無など)
・筆記試験・適性検査の有無・実施方法
・面接形式、面接回数(オンライン・オフライン)

選考フロー

募集を開始し、実際に応募が集まると、書類選考、面接日程の調整/案内、面接官の調整、面接の準備など、求職者や面接関係者、転職エージェントなど、社内外の関係者とのコミュニケーションが一気に増え、さまざまな業務を同時並行で行わなければなりません。

最近はオンラインでの選考を行う企業が増えており、人材の獲得競争が激しい職種では圧倒的に求職者が優位のため、選考のスピードが採用成功に不可欠な要素となってきています。

応募への返信や、面接日程の調整は一両日中に、なるべく早く対応するのがよいでしょう。面接の合否が出せる時期についてもあらかじめお伝えできるよう、面接の評価ポイントや期日を社内で擦り合わせしておきましょう。

面接の評価シートを統一し、評価項目について面接官と人事・採用担当者が共通の基準・認識で会話ができるようにすることも有効です。また、必要に応じて面接官のトレーニングも行います。

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内定・入社前フォローをする

選考の結果、合格となった応募者に内定の連絡(内定通知書の送付)をします。内定承諾の連絡をもらうことで採用業務は完了となります。

離職中の方であれば即入社となりますが、現職中の方であれば、内定から入社までに一定の期間が空きます。事実、せっかく内定を出したのに入社前に辞退されてしまうケースも起きています。

内定者に入社への意欲を持ち続けてもらうためにも、「内定者フォロー」は欠かせません。退職交渉の状況について定期的に話を聞いたり、配属先の担当者と接点を持ってもらったり、事務的な手続きだけではなく、入社後にスムーズになじめるように体制を整えることも大切です。

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中途採用の入社の時期は新卒採用とは違い、経団連が定めるルールや決まった年間スケジュールなどはありません。募集を開始する時期も、内定を出すタイミングも採用(入社)する時期も各企業の判断に委ねられています。

10月から中途採用を開始した場合<面接回数2回を想定>の、一般的なスケジュールのイメージは以下の通りです。現職中の方の場合、退職に1カ月~1カ月半ほどかかることが多く、状況によりそれ以上の期間が必要となるケースもあります。

一般的な中途採用スケジュール

【編集後記】

中途採用は、配属先の事業方針を理解し、その成長を担う中核となってくれる人材を採用することが目的となります。そのため、経営層や事業責任者、配属部門の管理職とのコミュニケーションは欠かせません。

また一方で、面接官として対応する配属先の現場社員、採用活動のパートナーである人材関連企業(求人広告・転職エージェント・ヘッドハンティング会社)など、さまざまな関係者と協力して採用活動を進めていく必要があります。

事業に必要な新しい職種やポジションが生まれ、これまでになかった採用手法が出てくることも想定されるため、変化を恐れずに柔軟に対応していく姿勢が、中途採用担当者には求められるでしょう。

文・編集/d’s JOURNAL編集部 白水 衛

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