「その応募数だけ追ってて大丈夫?」――。ボトルネックの見つけ方大全。プロセスの可視化が成功を左右する【改善ポイント&可視化シート資料付き】

d’s JOURNAL編集部

編集記者 鈴政武尊

d’s JOURNAL編集部にて編集記者を担当。doda求人広告の制作ディレクター歴も長く、求人広告ページ経由からの採用決定率は組織内でもトップクラスの実績。

その応募者、そもそも自社の採用要件に合っていないのでは
採用活動で躓く要因(ボトルネック)とその見つけ方
採用成功する企業はKPIを把握して求人票や面接など工夫していた
まとめ【採用プロセスを振り返ることができる資料をダウンロード】

コロナ禍における経済への影響や、即戦力採用に切り替える企業が増えているために、採用難といわれる昨今。「応募が集まらない」「面接通過率が悪い」「採用したいと思った人に辞退されてしまう」など、採用担当者の方の悩みも一筋縄ではいかない時代となってしまいました。実は採用成功のためには、その原因と躓きポイントを分解していき、一つ一つに対策を講じていくことが大切です。中でも特に必要なのは数値の可視化と言われています。今回は採用活動が難航する原因とその対策について、採用プロセスを分解して、どこが躓きポイントなのか、今一度振り返ってみたいと思います。


その応募者、そもそも自社の採用要件に合っていないのでは

2021年も昨年より続くコロナ禍により、転職マーケットは厳しい状況に立たされています。パーソルキャリア株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:峯尾太郎)が発表したデータによると、2021年1月の求人倍率は1.83倍(前月比-0.19pt/前年同月比-0.77pt)。求人数は前月比104.2%、前年同月比77.1%。転職希望者数は前月比114.8%、前年同月比109.3%となりました。周知の通り、新型コロナウイルスの影響で、求人倍率は昨年度比で下がったものの、即戦力採用に切り替える企業が増えており、応募数は増えましたが採用・内定までにはつながっていないというケースが増えています。

一方、DXやAI活用によって隆盛する仕事、廃れる仕事が二極化していくことが顕著になっており、雇用創出や採用活動の在り方に転換期が訪れようとしています。そんな中、自社の採用活動はどのような状況でしょうか。企業によっては年度末を迎え、採用活動の成果も見えてきたはず。ここで一度、自社の採用活動を振り返ってみては。採用プロセスにはいくつかの重視ポイントがあります。もし自社の採用活動がうまくいっていなかった場合、躓きやすいポイントに引っかかっている可能性があります。

今回は採用プロセスを分解して、改善すべきポイントを探っていきます。直下と巻末では採用プロセスの改善ポイントを網羅した資料がダウンロードできます。ぜひ自社の振り返りに役立ててください。

採用活動がうまくいかない原因とは

そもそも自社の採用活動が思うように進まない、あるいは成果がでない理由はどこにあるのでしょうか。採用活動で苦労する要因はいくつか考えられますが、大きく分けると、次の3つが多いのではないでしょうか。

原因1:採用要件に合致する人物が応募してくれない
原因2:選考中(面接~内定通知フェーズ)に辞退されてしまう
原因3:スキルの過不足や社風とのミスマッチを見抜けない

原因1では、そもそも適切な採用手法を選べていなかったり、採用したい人から魅力を感じてもらえるような求人や仕事内容になっていないケースも考えられます。また原因2では、他社への入社決定、処遇・待遇など条件面での不一致、スケジュールの調整不足などが考えられます。これは外圧的要因も含まれますが自社の自助努力で乗り切れる可能性もあります。

そして原因3にいたっては、応募者が社風に馴染めるかなどの見極めが難しく、入社後にミスマッチが起こり早期離職につながってしまうケースがあるため、事態はより深刻です。こうならないためにも、まずは自社の採用における体制と現状を可視化し、ボトルネックとなる箇所を早期に発見し、対策していくことが望ましいでしょう。見極め部分については以下の記事もご参照ください。

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採用活動で躓く要因(ボトルネック)とその見つけ方

採用プロセスを改善したいと思うとき、まずはどこを重視すればよいのでしょうか。ボトルネックとなっている箇所を見つけ出すための「数値の可視化」をまず行わなければなりません。以下の実例では、応募全体の総数における各選考過程の通過数と通過率を簡易的にシートで可視化したものです。これと併せて目標(KPI)や当期の実績などを加えると、どのプロセスで採用活動が滞っているのかが見えるようになってきます。まずは採用活動における各種データや数値を「見える化」して把握することが大事となってくるわけです。


 
上記の事例はどうでしょうか。直近一年間の実績に基づき、推移率が前年と同じと想定して応募数を増やす形でKPIの設計がされています。当期の実績は、応募数はKPIからずれてはいませんが、入社数が0です。すると、次のようなことが見えてくるはずです。

その1:書類通過率が直近一年間の実績と比較して11.4ポイント悪化していた
その2:一次面接後の辞退数が9人と多い傾向がある
その3:内定からの入社率が減少している(入社者がいない)

その1は、応募があっても書類選考を通過しないという状況が見えています。それは応募全体の中で、自社の採用要件を満たす人の割合が少ないことが原因です。つまり応募数(母集団形成)や有効応募数、そして書類選考スキルなどがボトルネックになっていると考えられますね。次に、その2はどうでしょうか。一次面接後から最終面接の選考までに25日かかっていることが伺い知れます。この選考スケジュールの遅さが原因の一つになっている可能性はありますね。そして、その3。一人も入社していないことから内定辞退が起こっていることは明らか。通常は内定通知の段階で処遇や待遇が明示されるので、そこがポイントとなる可能性もあります。

採用活動に対して配分できる人的コストや工数なども限りがあります。特に採用難といわれる昨今では、採用効率を高める動きとともに、選考した応募者(候補者)に無事入社してもらうまでフォローするのも人事業務の一つ。現状の可視化は特に必要です。

採用成功する企業はKPIを把握して求人票や面接など工夫していた

さて、自社の採用活動におけるボトルネックがどこにあるのか、突き止めることはできたでしょうか。採用のプロセスには主に4つのステップがあります。その4つとは、「採用計画」「採用活動」「選考」「入社までのフォロー(手続き)」となります。採用活動がうまくいかない原因となっているポイントを掴んだら、その前後の改善が対策と採用成功へとつながります。


 
その具体的な対策を見ていきましょう。以下は主な対策例として挙げておきます。

対策1:採用基準を見直す(目標や採用要件など)
対策2:採用手法を見直す(求人や選考の手法、入社後フォローなど)
対策3:求人情報の内容を見直す(事業内容や社風の魅力付けなど)

中でも「対策2:採用手法を見直す」ことは現状のリソースだけでも改善が可能です。採用手法全体に関しては、求人広告・求人媒体(Web求人サイト/求人情報誌)や、人材紹介/ヘッドハンティングなどを選択するために、人材サービス会社を頼ることも良いでしょう。特に人材紹介に関しては、採用条件だけではなく、採用の背景や展望など転職希望者への意向醸成とともに、希望に沿った人材を推薦・ヘッドハントしてくれます。さらに競合他社の求人情報を比較しながら状況数値を洗い出してくれるサービスを持っていたり、面接調整なども行ってくれるので、工数削減というメリットも得られるでしょう。

採用手法についてはこちらから。

以下は、それぞれのステップでの工夫ポイントをまとめてみました。

求人票は入社したいと思ってもらえる魅力ポイントを伝える

まずは基本的な求人票の書き方について押さえておきましょう。求人票に関して、最低限記載すべき項目があります。この機会に把握しておきたいところです。

・業務内容・労働契約の期間
・就業場所・就業時間(始業~終業)、残業(所定労働時間を超える労働)の有無、休憩時間と休日
・給与(賞与などは別途規定と記載あり)
・社会保険(健康保険、厚生年金、労働者災害補償保険、雇用保険)の有無など

また採用活動におけるターゲット・ペルソナの設定は、本当に必要な人材の要件整理にも役立ちます。求人票を作成する上で、自社がターゲットとする人物像を獲得していくために大事な要素となります。そしてターゲット・ペルソナ設定シートを活用することで、採用したい人に対して自社の魅力をより明確にPRすることにもつながります。求人票といっても侮れないのです。

一次面接から最終面接までの内容を社内で共有する

面接は、応募者のスキル・適性を見極めるだけでなく、入社への意向を醸成する場でもあります。応募者の志望順位は、面接中の「企業の対応」「面接官の印象」「応募者への評価」などで変化します。応募者の入社意思を高めるような面接の工夫ができているかを確認するとともに、一次面接から最終面接で変わる面接担当官や質問内容に対してどれだけ共有できているかでもミスマッチは防ぐことができます。面接のポイントは以下です。

・面接官の印象=企業全体のイメージ。面接官としてふさわしい言動を心掛ける
・応募者が働くイメージを描けるよう、より詳細な業務内容等を伝える
・面接後の評価や期待は応募者に伝える

繰り返しになりますが、採用面接の現場でもっとも重要なことは、応募者の評価基準について担当者間で目線が統一されている点。そして面接を行った担当者間でその評価と採点結果を共有することです。面接に関わる担当者どうしで共有できる管理シートを用意しておくことで、選考によるミスマッチを防ぐことができます。

内定後のフォロー如何で辞退を防げる

最後に内定辞退について紹介しましょう。苦労して応募者を集め、選考段階も突破。ようやく内定者が出たと思ったら、応募者の内定辞退…。笑うに笑えません。そこで内定者フォローも採用担当者としてしっかりしていきたいところです。以下では、なぜ内定辞退が起こるのか、その原因をまとめてみました。

・併願していた会社から内定をもらった(他社の条件が良かった)
・入社希望日と会社側の提示日で折り合いが合わなかった
・内定承諾後のフォローが全くなかった
・最終面接前と最終面接時の条件が異なる
・漠然と会社自体に魅力を感じない
・処遇・年収・福利厚生について希望と合わなかった など

これらの要因を防ぐためには、やはり採用活動の各ステップや現状をしっかり把握して、競合他社を意識するという点が特に重要です。応募者は就職活動において、1社しか受験していないことはありませんので、常に複数社で選考を受けていると認識しておくべきです。ですから、競合他社と比較してその魅力で負けないためにも、しっかりと見直しを行ってください。

内定辞退に関するトピックスでは、こちらも参照してみてください。

まとめ【採用プロセスを振り返ることができる資料をダウンロード】

採用活動を行う上で、そのプロセスのボトルネックを見出し、解消していくことが大事だということは理解できましたでしょうか。そのうえで必要なのはやはり現状を可視化すること。そのプロセスを各ステップことに細かく管理していくことで採用成功に近づけます。その際に「採用プロセス可視化シート」があれば具体的なボトルネックも見えるはず。ぜひダウンロードしてみてください。また「どうやっても躓きポイントが見つけられない」という方がいらっしゃいましたら、以下の資料やパーソルキャリア株式会社doda人材紹介サービスを活用してみてはいかがでしょうか。

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編集/d’s JOURNAL編集部