“女子アナのセカンドキャリア”が連期黒字化、業態拡大、企業認知に貢献!?アナウンサーの可能性模索する女性活躍企業とは

2022.08.05
株式会社TALKNAVI(トークナビ)

代表取締役
樋田 かおり(といだ・かおり)

2008年、日本テレビ系列青森放送にアナウンサーとして入社。報道番組のお天気キャスターやニュースキャスター、7時間生放送のラジオパーソナリティーなどテレビ・ラジオの放送現場を経験。28歳で独立し1年後、株式会社トークナビを設立。話すことの大切さを広めるためスピーチトレーナーを全国に育成し、研修事業を展開する。身体全体を使ったユニークなトレーニング方法が話題を集めている。著書に『人見知りアナウンサーに学ぶ ドキドキに負けない話し方』(文響社/2017年)、『社長の伝え方には会社を変える力がある』(青春出版社/2022年)がある。

株式会社TALKNAVI(トークナビ)

伊藤 未奈(いとう・みな)
元日本テレビ系列・FBC福井放送アナウンサー

大学時代、BS朝日/CSテレ朝の「News Access」で3年間、学生キャスターを経験。2012年、日本テレビ系列 FBC 福井放送へ入社。夕方の情報・報道番組ではキャスターや中継など生放送をこなす一方、事前収録のコーナーでもディレクター・リポーターを務める。ニュース読みやナレーションを得意とし、ラジオ番組のパーソナリティーとしても活躍。2016年、トークナビ入社。子育てしながら在宅で講師、専門学校を担任。

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加藤 美子(かとう・みこ)
元ケーブルテレビ局アナウンサー

南山大学外国語学部英米学科にて、アメリカ政治・外交を専攻。卒業後、ケーブルテレビ局にて、情報番組のアナウンサーやバラエティー番組のMC、災害放送の生中継リポーターやラジオを担当。他にも、ニュースの取材や原稿・台本作成、広報活動なども経験。2021年、トークナビ入社。

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田中 晴子(たなか・はるこ)
フリーアナウンサー

『パワフルで元気な司会者』をモットーに、数々の現場を盛り上げ笑顔あふれる空間をつくる。高校時代、NHK杯全国高校放送コンテストに出場し、神奈川県大会優勝。声の仕事を志したことから、バスガイドを6年間務める。その後フリーアナウンサーに転身。司会では主催者の想いに寄り添いながら、場の空気を読み臨機応変に対応できるように心掛けている。2020年、トークナビ入社。アナウンサーデビューを果たし、現在営業職にもチャレンジ中。

女子アナのセカンドキャリアを創るために生まれた会社、その設立の背景とは
なぜ女子アナのキャリアは一般企業では通用しないのか
「視点を変えることの、大事さ」伊藤 未奈/元日本テレビ系列・FBC福井放送アナウンサー
「やりたいことは、主張すること」加藤 美子/元ケーブルテレビ局アナウンサー
「自分自身に声掛け、気分を幸せに」田中 晴子/元バスガイド

「声で、未来を変える」を企業ビジョンに掲げ、アナウンサーのセカンドキャリアを創るために誕生した株式会社トークナビ(東京本社:東京都渋谷区、代表取締役:樋田かおり)。約60人の社員のほとんどが元アナウンサー/キャスターで構成されているという異色の会社だ。

女性活躍推進の裏で、女性のキャリア構築に悩む人も少なくない。特に、日本において特殊な職業と言われる女性アナウンサーのキャリアは、どう活かされ、どこへ向かおうとしているのか。

本コラムは、女性活躍躍進企業について、いわゆる「女子アナのセカンドキャリア」に注目した。

同社の樋田かおり氏(以下、樋田氏)に会社設立の背景にある女性のキャリア構築の秘訣(ひけつ)について伺い、そしてトークナビ現役社員であり所属アナウンサーの方々には、セカンドキャリア構築と仕事観などについて話しを聞いた。

女子アナのセカンドキャリアを創るために生まれた会社、その設立の背景とは

――元局アナでもあるご自身の経験からトークナビを設立したと伺いました。その設立の背景を教えてください。

樋田氏:私のキャリアは、日本テレビ系列青森放送にアナウンサーとして入社したときにスタートしました。ただ学生時代に司会者としてデビューはしており、「ふたりはプリキュア(テレビ朝日系列/2004年)」のステージショー、いわゆる”司会のお姉さん”だったんです。

その他、愛・地球博や遊園地でのステージで年間300本以上の司会を経験して、局アナとして朝の情報番組や報道番組を担当するようになりました。

今でこそ認知が広がっていますが、当時の私は「アナウンサーとは、テレビのニュース番組で情報を正しくわかりやすく伝える仕事」だとばかり思っていたので、地方局で原稿を書いたり、企画をしたりする仕事が多いことは、”入社後ギャップ”そのものでした(笑)。

おかげさまで番組の立ち上げから、原稿を書く業務など、声で伝える以外のさまざまな現場を経験することができ、積み上げてきたキャリアは現在の私の根幹を支えています。

その後、紆余曲折あり、3年勤めていた職場を辞め、私はフリーアナウンサーとなりました。フリーアナウンサーという職業は、放送局とは直接雇用関係にない、フリーランスのアナウンサーであり、”会社員”ではありません。

一般的には、人材派遣会社やタレント事務所に所属して、オファーを会社・事務所経由から頂いて初めてお仕事ができるものです。そのためフリーアナウンサーという職業は、タレントや俳優、芸人さんと同様に人気商売の一つですから、その仕事量は自分の人気・知名度や所属事務所などによって大変左右されます。

当時、地方局からフリーランスになった私には全国的に知名度がなく、お仕事を1日こなせば、残りの30日は待機ということもざら。過酷な現実が待ち受けていました。実感としてはアルバイトをしているような感覚に近かったですね。

このような生活をしばらく続けていたのですが、次第に「オファーが来た仕事をただ受けるだけの毎日では、私の将来のキャリアは厳しいものになるかも…」と直感的に思うことが多くなりました。そこでさまざまな葛藤がありつつも、フリーアナウンサーで活躍するという道を模索すると同時に、自分の経験とスキルを活かせる職業や会社を探すことにしたのです。

ところがいざ求職活動を始めてみますと、自分のキャリアを活かせるような会社や環境が意外なほど少なかったのです。「一般的な会社では、女子アナのキャリアを活かすことができないのかな…?」と、この疑問に対するアンサーは後述いたしますが、とにかく私は求職することをやめ、「女子アナのキャリアを活かすことが難しい環境があるのなら、もはや自分でつくろう!」と思うようになりました。

そうして2015年3月に設立したのが、「女性アナウンサーのセカンドキャリアという活路を創る」をテーマにした会社、トークナビだったのです。

資金調達はクラウドファンディングを利用して出資者を募りました。「アナウンサーのアフターキャリア」というテーマに共感を持っていただけたのか、多くの出資者に恵まれたことでスムーズに設立まで行えたのは、幸運でもあり、単純にうれしかったですね。

――ご自身の経験が「アナウンサーのセカンドキャリア」を創る会社のベースになったわけですね。その後の成長・発展はどうでしたか。

樋田氏:当初は、私の得意分野であった司会業を中心に、司会者キャスティング事業と、「トーク」をテーマにした研修事業・講演会・セミナー企画・運営事業を中心に拡大させていきました。司会や研修事業は年間600本ほどを企画・運営できる、会社収益の大きな柱として成長しましたが、2020年以降のコロナ禍により、これらのお仕事のオファーは減少していきました。

代わりにコロナ禍から隆盛したのが、現役アナウンサーがクライアント専属の広報担当となり、広報代行を行う事業「女子アナ広報室」です。この事業が2019年8月からスタートして以降、次第に認知・拡大されていきました。おかげさまを持ちまして、これにより創業以来一度も落ちることなく、右肩上がりに成長を続けています

現在、「女子アナ広報室」の他には、経営者向けのスピーチトレーニングなどもたくさんの引き合いを頂けています。こうした事業は、実は誰かのアイデアを膨らませていったというより、お客さまの「こんな内容の研修ない?」「自社の商品のPRの仕方に困っていて…」といった声から生まれてきました。当社のビジョンでもある”伝える”というテーマが、ここまで事業を拡大させたことに、私自身も感慨深いものを感じます。

――「女子アナのセカンドキャリアを創る」ことが全国で周知され、トークナビへの入社希望者が後を絶たないのだとか?

樋田氏:当社の採用活動は、3カ月ごとに開催する「広報アナウンサーオーディション」と呼ばれる選考会を行い、一定数の方に入社いただいております。そのほとんどがアナウンサーやキャスターを経験された方々ですね。一度の募集に60名ほど応募してくれるので、母集団形成も成されているかと思います。

採用候補者の背景もさまざまで、現職アナウンサーの方から、結婚や出産、配偶者の転勤などによってアナウンサーを辞めざるを得なくなった方など多様です。それに「現職だけど相談に乗ってほしい」「女性のキャリアの構築に悩んでいて…」といった方からの応募も珍しくありません。それだけ女子アナのセカンドキャリアについて、みんなが悩まれているのだと実感します。

また、3年前からは、当社の所属アナウンサーのマネジメントポジションや事業の運営・運用スタッフの人材も拡充しています。例えば、アナウンサー未経験者が当社に入社したことでアナウンサーデビューを果たす――。そんな事例(詳細は田中晴子さんのインタビューパートにて)も生まれています。

なぜ女子アナのキャリアは一般企業では通用しないのか

――先ほど「女子アナのキャリアは一般社会では通用しないかも」と疑問に思われていた時期があると仰いました。それに対する答えはどのようなものだったのでしょうか。

樋田氏:フリーランスや会社経営を経験することによって、まず私自身が世の中の社会構造やビジネスに対する基本的な考え方、仕事の進め方などを改めて学んだという点が大きかったです。

というのも、アナウンサーという職業は、放送局という企業に勤めるいわゆる「ビジネスパーソン」だと思われがちですが、実態は少しだけ違うと思っています。

例えば、アナウンサーが業務の中で特に意識して注力しなければならないのが、「正しい日本語で伝える」という点です。そのためのスキルや知識は会社などの研修や先輩・上司を通じて習得することができます。

ところがビジネスの世界では、同じ「伝える」ということに対しても、正しい日本語を伝えるのではなく、仕事内容や商品・サービスへの熱意やキャッチ(訴求ポイント)などを優先して伝えることになりますよね。そうした点においてもアナウンサーとビジネスパーソンは似て非なるものなのです。要は、仕事に対して重きを置く観点がまったく違っているというわけです。

当社の社員となってくれる元アナウンサーやキャスターたちも、入社当時は新卒の社会人のスキルとそれほど変わらなかったということがわかります。そこで当社では、導入研修として社会人の心得(ビジネスマインド)を学ぶことや、officeソフトの基本的な使い方講座などから始めています。これは現在でも、会社の研修制度に組み込まれています。

――では、アナウンサーのキャリアはどのように活かすことができるでしょうか。

樋田氏:アナウンサーは専門的な部分業務を行う職種と言われ、そのキャリアの中では総合的なビジネス経験を積み上げる機会には恵まれておりません。加えて、所属する放送局などには定年まで現役アナウンサーでいられるロールモデルとなる先輩や上司が極端に少なく、そうした方に出会い師事を仰ぎ、自分の個性や強みを見いだす人は多くありません。

「個を確立できた人」はその後、フリーランスやタレント、文化人などとして活躍されていきますが、それも母数から考えるとわずかな事例です。

特に女性アナウンサーやキャスターは、定年退職するまでご活躍される方が、男性と比べてさらに少なく、地方局にはわずかに在籍しているものの、大手キー局のケースでは数えるほどしかいらっしゃいません。これは、女性特有のキャリア構築を阻むと言われている、結婚、出産、育児、配偶者の転勤、介護などといったライフステージの変化に対応できないことが要因だと考えられています。

ですから、女子アナのセカンドキャリアを創ることを掲げている当社では、50歳、60歳になってもアナウンサーを続けていける環境を整えていきたいと考えています。

先ほど、お客さまの声によって誕生した事業があると説明しましたが、社員の「こんな働き方がしたい」という声に応えて生まれた事業がまさに「女子アナ広報室」でした。

当事業は、現役アナウンサーがPR活動に悩みを抱えるクライアント(企業)の魅力を引き出し、アナウンサーのスキルを活かして企業の想いを世に伝えることがミッションです。この事業に携わる社員は、基本的に在宅ワークでの働き方が可能です。また、前職で企画・構成が得意だった社員は、オンライン取材なども業務として行います

「子育てしながらアナウンサーを続けたい」「育児の関係で1日1時間しか働けない」「在宅(オンライン上)で仕事を完結させたい」――。このような声から形作られた「女子アナ広報室」は、当社のメイン事業の一つとなりました。

私たちは女子アナのセカンドキャリアというテーマで運営を続けていますが、社員の声を事業や働き方に活かすことはどのような企業や業態であっても可能であると考えます。経営者の想いと社員の想いとが真摯(しんし)に向き合うことで、既存の事業はさらに成長していくのでないでしょうか。

――ありがとうございました。

次からはトークナビに在籍する現役アナウンサーの方たちに話を伺う。

「視点を変えることの、大事さ」伊藤 未奈/元日本テレビ系列・FBC福井放送アナウンサー

伊藤氏:大学時代、BS朝日/CSテレ朝の「News Access」で3年間、学生キャスターを経験した後、2012年に日本テレビ系列 FBC福井放送へ入社。ラジオ番組のパーソナリティーや夕方の情報・報道番組ではキャスター、事前収録コーナーではディレクターやリポーターを務めるなど、本当に多岐にわたってお仕事をさせていただきました。これが私のアナウンサーとしてのファーストキャリアとなります。

その後、結婚を機に4年間務めた福井放送を退社して福井県を離れ、夫の転勤先である茨城県へ移住しました。そこでは専業主婦として日々暮らしていましたが、次第に働くという熱意が私の中で育っていき、これまでの経験やスキルを活かして何か仕事ができないかと思っていました。

そんな折、共通の知り合いを通じて当社の樋田と知り合い、入社に至りました。ただその時、生意気にもさまざまな条件を出していたんですね。例えば「仕事よりも家庭を第一に考えたい」などです。そんな要望にも快く応じてもらい、会社は私のライフスタイルに合わせた在宅ワークを主軸にしてくれています。本当にありがたいですね。

びっくりしたのは、社長の樋田の提案です。「未奈ちゃん、茨城県で暮らしてるんだ。こんな仕事あるんだけどやってみない?」と。なんと私のために仕事をつくってくれたんです。そこに社員が住んでいるから仕事を広げられるという発想はあまり聞かないですよね。ですから、トークナビの事業はピンポイントだけでなく、日本全国津々浦々まで広がりやすいんだと思います。

現在は、在宅ワークで話し方研修や専門学校でのビジネスマナー研修などの講師を務めています。実は私のように子育てをしながら在宅で講師を務めるメンバーが何人も在籍しているのですが、誰か一人に仕事を集中させるのではなく、フレキシブルなシフト制を敷いて講師の職務に臨むようにしています。

また、子どもの急な発熱や家庭のトラブルなどで講師業がその日できなくなったとしても、交代要員がちゃんと控えているのは心強いです。フリーランスではそうした融通は利かないのですが、当社にはその環境があることが素晴らしいですね。

トークナビに入社して、自分がフリーアナウンサーをしていたら成しえなかったような経験やキャリアが積めました。自分の考えている以上に仕事の幅が広がったのです。メンバーの中には元CAの肩書を持った人がいて、企業や学校で講師を務めているなど業務も拡大していて、私自身も専門学校のビジネスマナー講師という仕事に出会うことができました。それもトークナビという会社自体がさまざまなところにアンテナを張っているためでしょう。

ママだから、結婚したから、転勤族だから…、で諦めるのではなく、むしろ自分の置かれている環境を活用することで、副業や時短などさまざまな働き方が実現できると思っています。育児優先に人生のキャリアプランを考えてもいい、発想を自由にしていく、自由にキャリアを考えていく…。つまり視点を変えることが、女性の活躍において大事な要素なのかなと思います。

「やりたいことは、主張すること」加藤 美子/元ケーブルテレビ局アナウンサー

加藤氏:私は、生まれも育ちも岐阜県であり、大学は愛知県でしたが実家から通い、選挙カーのうぐいす嬢をしたり、地元のラジオ局のパーソナリティーを務めたりして、地元愛強めの環境で生きてきました。就職は、大学時代からなじみのあるアナウンサーを選択して、無事自宅から20分ほどの距離に立地するケーブルテレビ局に就職しました。

アナウンサーを3年間勤めた後は、結婚を機に東京へ移住しました。私はアナウンサーとしてのキャリアが3年ほどしかなく、通常であれば、経験を積んだケーブル出身のアナウンサーは民放やNHK放送局へとステップアップしていくのですが、私では次のキャリアは築けないだろうと思い、結婚後に他の仕事でやりたいことが思い浮かばず、専業主婦として生きようと考えていました。

そんな時トークナビという会社のことを知ったのです。ご存じの通り、アナウンサーのキャリアを活かせる職場ですから、「やっぱりアナウンサーを続けたい」という想いを捨てきれなかった私は、一も二もなく応募しました。アナウンサーのキャリアが何に活かされるのだろうかとワクワクしたのを覚えています。同じく岐阜県出身である樋田に手紙を書いたことを思い出しましたね(笑)。そうしてトークナビに入社をすることができ、私のアナウンサーとしてのセカンドキャリアがスタートしました。

経験の浅い私としては、諸先輩方のキャリアに追いつけるようまずは運営・事務サイドに配属してもらいました。現在は、「女子アナ広報室」の室長としてスタッフのマネジメント業務を行っています。

ケーブルテレビ局に在籍していたため、前職の3年という短いキャリアの中でも、記者や編集、ディレクター業務、発注書の管理など諸々の業務を全てこなしていたんですよ。それが当社ではビジネスパーソンとしての差別化につながり私にしかできない業務を任せてもらっています。そこで会社に貢献できていることはうれしく思っています。

私自身、アナウンサーとして原稿を読む業務よりも取材をすることが好きだったので、広報としてクライアント企業の力になれることは、アナウンサーしか知らなかった身としては「こんな働き方があったのか」と驚きの連続です。

いま、働き方は多様化しています。たとえ生活する場所は変わってもリモートワークなどで現職を続けられる時代になりましたので、女性が抱えるキャリア構築の悩みはいくぶんか解消された世界で私たちは生きられていると思っています。

大事なのは自分の考えていること、自分のやりたいことができる環境に身を置いているかどうか。ただ、そうでないとしても、自ら主張して自分で切り開いていくこと、やりがいを持って幸せに生きることでそうした姿勢が周囲にも受け入れられていくこと、こうしたことが女性のキャリア構築のポイントではないかと考えています。仕事のために家庭を諦めたくはないですからね。

「自分自身に声掛け、気分を幸せに」田中 晴子/元バスガイド

田中氏:私はほかの先輩アナウンサーの方々とは少し違うキャリア出自の下、2020年にトークナビへ入社しました。

きっかけは、「女子アナ広報室」の第二期オーディションです。もともと高校卒業後に観光バス会社でバスガイドを5年していたのですが、小学生のころからアナウンサーに強い憧れを持っていたので、当社の採用ページに載っていた「声で、未来が変わる」というキャッチコピーに惹かれて、アナウンサー集団の会社であるトークナビの門を叩いたのでした。

もともと学生時代は、放送部に所属して大会などでも入賞するなど、声の仕事に対する想いは強かったものの、私には6人のきょうだいがいて、上のみんなが進学していたこともあり、自分は専門学校か就職するしかないで悩んでいたんですね。それで同じ声の仕事ができるバスガイドを選んだという経緯があります。

ですが、私の経験やスキルでもできることはあるだろうと思い、オーディションの告知を知ると応募を決意。面接会場ではさまざまなキャリアを積んだアナウンサーの先輩方がいらっしゃって、ちょっと無理かな…とは思ったものの、「入社したらなんでもやります!」という意気込みで臨みました。

そして、ちょうどコロナ禍をきっかけに、「女子アナ広報室」で事業の幅を拡大しようとしていたトークナビとうまくマッチングすることができて、現在キャリア3年目に至っています。

当時は、アナウンサーのキャリアがない状態からのスタートでしたが、当社は人材の持つさまざまな可能性やスキルを広げてくれる会社です。入社後は、司会業やBS-TBS、テレビ朝日といった番組でナレーションやリポーターにチャレンジすることができるなどして、ついにトークナビのアナウンサーとしてデビューを果たしましたセカンドキャリアという観点だけでなく、新米アナウンサーのキャリアをも築くことができる当社の環境は本当に多様性に満ちているなと感じますね。

私は現在、「女子アナ広報室」の運営業務をメインに活動しています。話すことをメイン業務とするメンバーが多い中で、私はアナウンサーキャリアがゼロからの出発だったこともあり、メンバーのサポートや営業業務、管理業務など独自のポジションで多岐にわたり仕事を任されています。こうした「適所適材」を考えてくれることも会社の魅力かなと思います。

当初は声を使いたいということで選んだトークナビではありましたけども、アナウンサー以外の業務も経験することができるので、今は営業や渉外業務に魅力を感じています。将来的には、声の業務を続けていきたいと思う一方で、企業と企業をつなぎ、双方にビジネスメリットを与えられるような営業業務を頑張りたいとも考えています。当社は6月に営業室が立ち上がり、私はその仕組みや組織づくりに注力している最中です。このチームをリードしていける存在を目指してまい進中です。

働く上で大事にしていることがあります。それは、どんなシチュエーションでも相手にポジティブな印象を与えるために工夫することです。例えば、初めてお会いした方とは笑顔であいさつして、そこからコミュニケーションが発展していき、「あなたと話していると元気がもらえるよ」などと言ってもらえること。たとえそれが電話口のみであっても「話せてよかった」「明るい気持ちになった」と言っていただけたら最高ですね。

特に営業は、一瞬の印象が決め手となりますので、そこは大事にしていきたいなと思います。そのために「頑張って」「いま良い感じだね」などと自分自身に声を掛けて、自分自身の気分が明るくなるようなセルフコントールを頑張っています。成功しても、失敗しても、自分のプラスにしていきたいじゃないですか。自分自身に声を掛けてメンタルを保つこと、それが日々心掛けていることですね。

【取材後記】

結婚や出産、夫の転勤など、日本の女性を取り巻くキャリア構築の問題点は深い。それは一見華やかな世界に思われるアナウンサーの世界でも起こり得ている。

こうした「女性の活躍」についてアナウンサーのセカンドキャリアを創る、という観点から取り組んできたのがトークナビだ。自身の経験から「女性のキャリアとは?」という課題に真正面から向き合った同社代表の樋田氏の組織論には説得力があった。

また女性のライフスタイルやステージの変化を乗り越え、同社で活躍されている3人のアナウンサーの方々のキャリアに対するコメントも大変興味深かった。それぞれの立場から、それぞれのできることを考え、実行する現職のアナウンサーたち。彼女たちのシナジーがどうトークナビを成長させていくのか。今後の動向にも注目したい。

取材・文/鈴政武尊、編集/鈴政武尊・d’s journal編集部

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