人事評価シートとは?項目や作成方法と書き方の例・無料テンプレートを紹介

doda人事ジャーナル編集部
人事評価シートは、人事評価を行うために、従業員の職務能力や目標、成果などを管理するシートです。人事評価シートを用いることで、従業員にとって納得感のある評価の下、人事制度を公平に運用できます。
しかし、体裁や取り扱いが法的に定められているわけではないため、項目の設定やコメントの内容で迷われている人事担当者もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、人事評価シートに設定する項目の例や、自己評価・フィードバックコメントの例文を解説します。
また、人事評価シートを作成する際は、評価項目や点数の付け方、コメント欄の設計をあらかじめ整理しておくことが大切です。
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人事評価シートのテンプレート【無料ダウンロード】
人事評価シートを一から作成することは、大変な手間がかかります。業務効率化を図るには、テンプレートを活用すると良いでしょう。
人事評価シートは、人事部だけでなく、評価者となる管理職や現場上司にも共通理解を持ってもらうことが重要です。
当サイトでは、評価項目やコメント記入例を確認しながら運用できる人事評価シートのテンプレートを用意しました。下記から無料ダウンロードして、社内展開にお役立てください。
テンプレートに含まれる評価項目
当サイトの人事評価シートのテンプレートでは、以下の評価項目を設定しています。
【テンプレートの評価項目】
| 項目名 | 概要 |
|---|---|
| ①業績・目標評価 | 数値化できる指標に対する評価。 「当初に定めた目標を、どの程度達成できたのか」を評価する |
| ②能力・スキル評価 | 業務を行うために必要なスキルに対する評価。 「知識やスキルがどの程度備わっているか」「それらをどの程度発揮できたか」を評価する |
| ③情意評価 | 日ごろの勤務態度や、ほかの社員との関わり方などに関する評価 |
| ④特別加点・減点 | ①~③以外にも特別な貢献または損失があった場合、評価者が項目ごとに行う加点・減点 |
さらに、自己評価コメントや評価者コメントの記入欄、各項目の評価点を基にした計算式など、人事評価シートに必要な内容が一通り含まれています。
貴社の運用に合う内容にカスタマイズし、人事評価シートの作成に役立ててください。
このテンプレートがお勧めな企業
人事評価シートをこれまで導入していなかった企業や、評価制度の整備を進めている最中の企業にはこちらのテンプレートがお勧めです。
必要な情報が入っているテンプレートを活用することで、一から手がけるよりも効率的に人事評価シートを作成できます。
人事評価シートに必要な項目
適切に機能する人事評価シートを作成するには、以下の項目を設定することをお勧めします。なお、項目名や順番などは適切にカスタマイズして問題ありません。
【人事評価シートに必要な項目】
| 項目名 | 記入する内容 |
|---|---|
| 評価対象者の基本情報 | ●社員番号 ●氏名 ●所属部署 ●役職・等級 ●評価対象期間 ●評価者名 |
| 目標設定・達成度を評価する項目 | ●期初に設定していた目標と、実際の達成度 ●目標の達成難易度や重要度 |
| 職務遂行能力を評価する項目 | ●業務上必要な知識や技術、能力の要件と、実際の評価 |
| 情意を評価する項目 | ●仕事に対する姿勢やはたらく意欲に関する評価 |
| 自己評価欄・上司のフィードバック欄 | ●従業員自身による、各項目の自己評価 ●上司による、評価の根拠や今後の期待を盛り込んだフィードバックコメント |
| 総合評価欄 | ●上司による評価と自己評価を踏まえた、最終的な評価 |
以下で、それぞれの項目について詳しく解説します。
評価対象者の基本情報
「誰に対する評価であるか」が一目でわかるよう、評価対象者の基本情報を人事評価シートに記載する必要があります。
基本的には、以下の項目を設けていれば問題ありません。
●社員番号
●氏名
●所属部署
●役職・等級
●評価対象期間
●評価者名
特に役職・等級は、会社がその従業員に対して期待している役割や、評価基準などを明確にするための情報でもあるため、正確に記載しなければなりません。
「単なる事務的な情報」以上の意味を持つことを意識しましょう。
目標設定・達成度を評価する項目
評価の判断材料とするため、期初に設定していた目標と、実際の達成度を記入します。
例えば営業職なら「売上目標○○万円」「解約阻止率○%」といったように、具体的な数値を用いて明示できると理想的です。また、目標の達成難易度や重要度も併記すると、評価の精度をより高められます。
具体的には、このあと本記事の「人事評価シートの評価項目例」で紹介する「成績評価の項目例」をご覧ください。
なお、MBO(目標管理)について詳しく知りたい方は、以下の記事で詳しく解説しています。
(参考:『MBO(目標管理)とは?メリットや導入手順をシートを交えて解説』)
職務遂行能力を評価する項目
「業務上必要な知識や技術、能力などがどの程度発揮されたか」を示す、職務遂行能力についても項目を設けます。役職・等級ごとに求められる要件をあらかじめ定義し、それに基づいて評価項目を決めましょう。
例えば、担当業務を自身の力で完遂する「実行力」や、業務上発生している課題を改善する「改善力」などが挙げられます。
なお、詳しくはこのあと「人事評価シートの評価項目例」内の「能力評価の項目例」で解説します。
情意を評価する項目
評価の判断材料となる項目としては、「情意」つまり従業員の仕事に対する姿勢や、はたらく意欲に関する内容も挙げられます。
主観的な評価とならないよう、例えば遅刻や欠勤の回数、会議での発言頻度など、客観的かつ具体的な行動内容を評価対象とすることが大切です。
こちらも詳しくは、「人事評価シートの評価項目例」内の「情意評価の項目例」で具体例を解説します。
自己評価欄・上司のフィードバック欄
上司からの評価だけでなく、従業員自身による自己評価の項目を設けることも非常に重要です。なぜなら、自己評価を行う機会があることで、従業員は自身の活動や振る舞いを振り返り、今後のさらなるパフォーマンスの向上に活かせるようになるためです。
また、上司からのフィードバックコメントを記載する欄も設けましょう。「なぜこのような評価になったのか」「今後、どのような動きを期待するのか」などを文章で明記することにより、従業員に納得感を与えられます。
総合評価欄
自己評価と上司の評価を踏まえた、最終的な評価を記載するための「総合評価欄」も設けます。総合評価欄は、各項目の評価を経た上で「今期はどのようなパフォーマンスだったのか」を端的に伝える役割があります。
人事評価シートの評価項目例

人事評価シートに記載する項目は、自社の評価基準に基づいて考案します。この評価基準は、従業員の昇給・昇格を適正に判断できるよう、以下の3つの観点を持って構築しましょう。
1.成績評価
2.能力評価
3.情意評価
本項では、それぞれの評価軸を設定する際に取り入れたい要素を紹介します。
また実際に評価項目を設定する際は、人事評価と密接な関係にある「人事考課」の知識も押さえておくと役立つため、以下の記事も参考にしてください。
(参考:『人事考課とは?人事評価との違いや目的、評価項目と書き方のポイントを解説』)
成績評価の項目例
成績評価とは、業績や実績といった、数値化できる指標に対する評価です。「当初に定めた目標を、どの程度達成できたのか」を評価します。また、「達成できたかどうか」だけでなく、その過程も含めて評価するケースもよく見られます。
なお、成績評価ではあくまでも、客観的に評価できる内容のみを対象とする点に注意が必要です。例えば「初めての業務だったが、責任感を持って最後まで取り組んだ」といった取り組みの姿勢は、後述の「情意評価」で評価します。
成績評価の具体的な項目としては、以下の例が挙げられます。適切な項目は職種や役職・等級などにより異なるため、一例として参考にしてください。
【成績評価の項目例】
●業務目標達成度
●課題目標達成度
●日常業務成果
業務目標達成度
期初に設定した目標に対する、達成の度合いを数値化したものが「業務目標達成度」です。
例えば、営業職で「年間売上目標1億円」を設定しており、実績が9000万円だった場合は「達成率90%」といったように、明確な数値で成果を測れます。
業務目標達成度を評価する上では、事前に適切な目標を設定することが非常に重要です。達成が容易過ぎる、あるいは難しすぎる目標を設定してしまうと、正当な評価が行えなくなるためです。
また、成績評価では客観的な結果を主な評価対象としますが、目標達成のプロセスも評価対象に含むケースもあります。「目標を達成できたか、できなかったか」だけでなく、より厳密に評価を行いたい場合は、プロセスも評価対象とすると良いでしょう。
課題目標達成度
業務目標達成度と似ている成績評価の項目として、「課題目標達成度」が挙げられます。
課題目標達成度は、業務を行う上で発生している「課題」の達成度合いを測る項目です。業務目標そのものではなく、課題に対する達成度を評価する点が、業務目標達成度と異なります。
例えば、「売上低下という課題を解決するための、新規営業の件数」「リテンション率を向上させるための、顧客対応品質の改善度合い」などが評価対象となります。
日常業務成果
「日常業務成果」は、上述の業務目標や課題目標に含まれない、日常的な業務を評価する項目です。
具体的には「インシデント発生件数を月平均3件以下に抑えられている」のように、「日常の業務でどの程度の成果を出したのか」「組織に貢献しているか」といった観点で評価します。
人事評価では、具体的な目標が設定されている業務が着目されがちです。しかし、日常業務成果も対象とし、従業員が取り組んでいる全ての業務を適切に評価することが大切です。
能力評価の項目例
能力評価は、業務を行うために必要なスキルに対する評価です。「知識やスキルがどの程度備わっているか」「それらをどの程度発揮できたか」を評価します。
客観的な指標を用いる業績評価と異なり、能力評価では、日々の言動をはじめとする主観的な評価を行う点が特徴です。そのため、評価者となる上司は、常日ごろから部下の行動をよく見ておく必要があります。納得感を得るために、具体的なエピソードを基に評価しましょう。
なお、能力評価の具体的な項目としては以下の例が挙げられます。
【能力評価の項目例】
●企画力
●実行力
●改善力
●リスク管理能力
企画力
担当する業務の目標を達成するための能力を、企画力といいます。
一例として、以下のような様子が見られる場合は「企画力が高い」と評価できます。
【企画力の評価対象の例】
●課題を効果的に解決する計画を立案できる
●新たな施策の必要性や、具体的な実施策を企画・立案できる
●不要なものの見直しや、改善が必要なことに対して具体的なアイデアを出せる
●工数や人員、予算、業務執行方法などの経営感覚やコスト意識を持っている
企画力は、現場で発生している課題の解決や、新たなサービスの創出など、さまざまな場面で重要な能力です。能力評価の代表的な項目でもあるため、人事評価シートに盛り込むことをお勧めします。
実行力
実行力は、自分で目的を設定して、その達成のために行動する力のことです。実行力を評価する上では、「その行動は自らの意思によるものか」「ほかの従業員の模範になっているか」が大切です。
改善力
業務上で発生している課題に対して、適切な解決策を見いだして実行する能力を、改善力または問題解決能力といいます。「問題の本質を把握しているか」「効果的な解決策を立案できているか」といった観点で評価を行います。
また、問題解決のプロセスも重要です。例えば、「関係者と適切に情報を共有している」「進捗(しんちょく)管理を行いながら改善策を進めている」といったことが挙げられます。
リスク管理能力
リスク管理能力は、業務上で発生し得るリスクを察知し、自ら対応する能力のことです。
例として「クレームやトラブルが発生した際、速やかに上司に相談したか」などが当てはまります。
また、自分一人だけで抱え込むのではなく、必要に応じて同僚や顧客などと相談する姿勢も評価対象となります。
なお、能力評価の項目設計や評価シートへの落とし込み方について詳しく知りたい方は、以下の記事で詳しく解説しています。
(参考:『コンピテンシー評価とは?項目例と評価シートの書き方やメリット・デメリットを解説』)
情意評価の項目例
情意評価では、日ごろの勤務態度やほかの従業員との関わり方などが評価の基準となります。ほかの評価基準と異なり、数値目標を立てにくく、本人と周囲との間で認識が食い違う可能性もあるため、項目を設定する際は公平性を保てるよう意識する必要があります。
従って、自己評価や上司からの評価だけでなく、同僚・部下からの評価も考慮した上で判断することが一般的です。
情意による評価を下す際は、以下の4つの要素が重視されます。
【情意評価の項目例】
1.規律性
2.責任性
3.積極性
4.協調性
規律性
規律性とは、「自社のルールや慣習を順守し、上司の指示に従って業務を進められたか」という点を査定するための要素のことです。会社は従業員を雇用する立場であるため、自社のルールや慣習に沿って業務を進めることを従業員に求めます。
従って、このような要求に対して従業員がどのような姿勢で向き合っているのかを、会社は適切に評価しなければなりません。具体的には、「職場のルールやマナーを守っているか」「遅刻や欠勤は多くないか」などの項目を設定すると、公平な目線で見極められます。
なお、規律性を評価基準に組み込む際は、評価者の個人的な感情によって判断がぶれないようにするための工夫が不可欠です。第三者が見ても明らかな事実を基に評価する、あるいは定量的な基準を設定するなどの対策を講じると良いでしょう。
責任性
業務を遂行する上では、責任を持って最後まで成し遂げることも、重要な評価項目となります。これは責任性と呼ばれる要素に分類されており、リーダーや管理職の育成という観点でも、指標として用いられています。
責任性を見極めるための項目を人事評価に導入することは、従業員に対して「責任を持って役割を果たす姿勢を求めている」という意図を伝える際に効果的です。
例えば、「分担された業務を自分で処理しようとしているか」「ミスやトラブルが起きても業務を投げ出していないか」などを、評価項目に設定しましょう。このような要素を評価することで、強い責任感を持ってはたらく従業員を育成できる可能性があります。
積極性
従業員や組織の生産性を向上させるには、上昇志向を持っていることを示す、積極性にも注目したいところです。これを評価項目に組み込むと、従業員の自発的な取り組みを促す効果が期待できます。
具体的には、「指示された業務に自ら考えた価値を加えられているか」「会議で意見を積極的に出しているか」などを評価することが大切です。
ただし、積極性は評価者によって捉え方が異なるケースがあるため、注意が必要です。
例えば、「初めての事柄にも積極的に取り組めているか」「自身の長所を発揮しようとしているか」という文言では評価にばらつきが生じ、公平性が損なわれる恐れがあります。このような事態を防げるよう、可能な限り定量的かつ明確な基準を設定しましょう。
協調性
協調性とは、周囲と協力して業務に取り組む姿勢のことを指します。会社に所属している以上、多くの人と関わりながらはたらくことは必須であるため、協調性は欠かせません。
人事評価シートに落とし込む際は、「周囲と協力しようとする態度が見られるか」「価値観の相違があっても、相互理解をしようと心がけているか」などの項目を設定しましょう。
これに加えて、部下がいる従業員の場合には、「部下に対して親身に接していたか」も評価項目とする必要があります。このような協調性を評価する基準は、定性的になるケースが多く、明確に示すことが困難です。
そのため、以下の記事で具体例や評価の手法を押さえておくことをお勧めします。
(参考:『情意考課(情意評価)とは?項目や要素、導入時のポイントと注意点』、『人事評価制度とは?導入の5つのステップと注意点を解説』)
【職種別】人事評価シートの評価項目サンプル
職種によって、業務内容や必要とされる能力は異なります。そのため、どの従業員にも求められる「情意」に関する項目以外は、職種に応じた評価項目を設定しなければなりません。
ここでは、多くの会社で一般的な4つの職種を例に、「成績」と「能力」に関する職種別の評価項目サンプルを紹介します。
なお、「情意」については、先ほど紹介した4要素を評価項目に設定しましょう。
事務職のサンプル
社内・部署内のさまざまな業務・メンバーを下支えする「事務職」の評価項目サンプルをご紹介します。
| 評価基準 | 評価項目 | 評価内容 |
|---|---|---|
| 成績 | 業務目標達成度 | 業務目標を達成できたか |
| 課題目標達成度 | 業務目標を達成するために設定した課題を達成できたか | |
| 能力 | 企画力 | 主体的に企画・提案できたか |
| 実行力 | 自分の力で業務を行えたか | |
| 改善力 | 業務効率化のため、業務改善を行えたか | |
| 正確性 | ミスがなかったか | |
| スケジュール管理 | 予定通りに行えたか(設定した納期を守れたか) | |
| 専門知識 | 担当業務に関する専門知識を習得できたか | |
| コスト削減 | コスト削減に貢献できたか | |
| リスク管理能力 | クレームを適切に処理できたか |
事務職は、営業職のような明確なノルマがある職種ではないため、「成績」の評価に必要な数値目標を設定しづらい職種といえます。
「●●%改善」といった目標を立てやすい「受発注業務の精度向上」や「業務の効率化」などを評価対象に設定したり、「いつまでに▲▲を完了する」といった期日を目標に設定したりすると良いでしょう。
「能力」については、ルーティンワークが多いという事務職の特性上、「正確性」や「スケジュール管理」が求められます。
また、バックオフィス業務であるため、業務効率化・生産性向上のための「改善力」や「コスト削減」も重要です。経理・労務・法務といった専門性の高い事務職の場合には、「専門知識」も重要な評価項目といえます。
営業職のサンプル
自社の商品・サービスを顧客に提案する「営業職」の評価項目サンプルを紹介します。
| 評価基準 | 評価項目 | 評価内容 |
|---|---|---|
| 成績 | 業務目標達成度 | 業務目標を達成できたか |
| 課題目標達成度 | 業務目標を達成するために設定した課題を達成できたか | |
| 能力 | 企画力 | 主体的に企画・提案できたか |
| 実行力 | 自分の力で業務を行えたか | |
| 改善力 | 業務改善を行えたか | |
| 交渉力 | 交渉・商談で、有利な条件を引き出せたか | |
| スケジュール管理 | 予定通りに行えたか(設定した納期を守れたか) | |
| 正確性 | ミスがなかったか | |
| リスク管理能力 | クレームを適切に処理できたか |
明確なノルマが設定されることが多い営業職は、「成績」の評価に必要な数値目標を立てやすい職種です。「販売数・販売額などの販売目標」や「新規顧客数」「新商品・サービスの拡販」などを基に、「成績」を評価すると良いでしょう。
「能力」については、顧客との商談・取引に関わる業務を担うという営業職の特性を踏まえ、「企画力」や「交渉力」が重視されます。また、顧客との信頼性を構築していく必要もあるため、「スケジュール管理」や「正確性」も重要な評価項目です。
技術職のサンプル
システムの開発や、機器の保守管理などを担う「技術職」の評価項目サンプルを紹介します。
| 評価基準 | 評価項目 | 評価内容 |
|---|---|---|
| 成績 | 業務目標達成度 | 業務目標を達成できたか |
| 課題目標達成度 | 業務目標を達成するために設定した課題を達成できたか | |
| 能力 | 企画力 | 主体的に企画・提案できたか |
| 実行力 | 自分の力で業務を行えたか | |
| 改善力 | 業務改善を行えたか | |
| 技術力 | 業務遂行に必要な能力を習得できたか | |
| 安全管理 | 安全性に意識を向け、事故やけがの発生を未然に防げたか | |
| リスク管理能力 | クレームを適切に処理できたか | |
| 正確性 | ミスがなかったか(再修理・再調整が発生しなかったか) | |
| スケジュール管理 | 予定通りに行えたか(設定した納期を守れたか) |
技術職の場合、「システムや機器の開発・保守を、納期に間に合うよう進められたか」「今後リリース予定のシステムを、何%程度開発できたか」など、「期日」や「進捗率」を基に「成績」を評価します。
また、開発や保守管理には膨大なコストがかかるため、「業務効率化や外注先の変更などにより、人件費をどれだけ削減できたか」を評価対象としても良いでしょう。
「能力」については、システム・機器を適切かつ安全に開発・保守管理するという技術職の特性上、「技術力」や「安全管理」を評価項目に設定します。また、顧客満足度を維持・向上していく必要もあるため、「クレーム対応」や「正確性」「スケジュール管理」も、重要な評価項目です。
管理職のサンプル
メンバーの育成やチーム・部署・部門の生産性向上などを担う「管理職」の評価項目サンプルをご紹介します。
| 評価基準 | 評価項目 | 評価内容 |
|---|---|---|
| 成績 | 業務目標達成度 | 業務目標を達成できたか |
| 課題目標達成度 | 業務目標を達成するために設定した課題を達成できたか | |
| 能力 | 企画力 | 主体的に企画・提案できたか |
| 実行力 | 自分の力で業務を行えたか | |
| 改善力 | 業務効率化のため、業務改善を行えたか | |
| リーダーシップ | 部署・部門全体をまとめ上げながら、業務に取り組めたか | |
| 指導・育成 | 部下を成長させられたか | |
| 経営方針の理解・促進 | 経営方針を自ら理解し、周囲に理解を促せたか | |
| スケジュール管理 | 予定通りに行えたか(設定した納期を守れたか) | |
| 正確性 | ミスがなかったか |
チーム・部署・部門といった範囲での目標達成を責務とする管理職の場合、個人としての業務目標の達成は元より、チーム・部署・部門全体での業務目標達成度が、「成績」の重要な評価対象となります。
そのため、目標設定の際は、個人の数値目標だけでなく、チーム・部署・部門全体での業務目標も組み込むようにしましょう。
「能力」については、チーム・部署・部門をまとめ上げるという管理職の特性を踏まえ、「リーダーシップ」や「指導・育成」「経営方針の理解・促進」を重視します。チーム・部署・部門の全プロジェクトが滞りなく進んでいるかを確認することも管理職の役目であるため、「スケジュール管理」も重要な評価項目です。
これらの評価項目はあくまでサンプルのため、業種や自社のフェーズなどに応じて、具体的な内容や評価項目ごとのウエートを設定すると良いでしょう。
人事評価シートの記入例・コメント例
実際に人事評価シートを運用することになると、個別にコメントを記載する必要が出てきます。そこで、ここからは自己評価をする側・フィードバックをする側の両方の視点から、人事評価シートの例文(記載例)を紹介します。
【自己評価】人事評価シートのコメント例
まずは被評価者となる従業員自身が記載する、自己評価コメントの例文です。以下の職種別に例文を整理しました。
●事務職の自己評価コメント例
●営業職の自己評価コメント例
●技術職の自己評価コメント例
●管理職の自己評価コメント例
事務職の自己評価コメント例
受発注業務でのミスを減らすため、セルフチェックの時間を設けるようにした。その結果、ミスを月平均4回から月平均1回まで削減できた。それに伴い、業務のやり直しも減少し、業務効率が改善。昨年下半期に比べ、残業時間を20%削減できた。今後も、受発注業務でのミス削減と業務効率化を図っていきたい。
営業職の自己評価コメント例
上半期は売上目標1000万円に対し、実際の売上は1100万円、目標達成率は110%だった。一方で、既存顧客への営業に注力する機会が多かったため、新規顧客数については目標10件に対し実績は8件と未達に終わった。なお、既存顧客への対応を丁寧に行った結果、顧客満足度は10%向上した。下半期は、既存顧客への営業と新規顧客数の獲得の両方をより積極的に行うことで目標達成を図りたい。
技術職の自己評価コメント例
システムAを、予定通り5月中旬にリリースできた。結果、顧客からは「これまで使っていた他社のシステムよりも格段に使いやすい」と評価していただけた。一方で、システムAの開発にリソースが偏ったことで、上半期に開発を開始し下半期にリリース予定のシステムBについては進捗率が目標の75%にとどまった。下半期は、顧客の期待により応えるべく、システムAの保守管理とシステムBの開発に同程度の時間をかけていきたい。
管理職の自己評価コメント例
部門一丸となり、サービスAの広報活動に取り組んだ。その結果、「●●といったら、サービスA」というように潜在顧客から第一想起されるようになった。このことから、「サービスAの認知度向上」という部の目標は達成できたと認識している。一方、部下の育成については、入社3~5年目のメンバーの成長は著しかったものの、新入社員や入社2年目のメンバーは主体的な動きが見られず、伸び悩んだ。下半期は、サービスAの販促活動に新入社員・入社2年目のメンバーも参加させ、成長につなげていきたい。
【上司】人事評価シートのフィードバックコメント例
続いて、評価を行う側である上司のコメント例も紹介します。
●事務職の上司コメント例
●営業職の上司コメント例
●技術職の上司コメント例
●管理職の上司コメント例
事務職の上司コメント例
受発注業務でのミスの大幅削減や、残業時間の20%削減は、評価に値する。また、わからないことを先輩メンバーに積極的に聞く様子も見られた。入社2年目ということもあり、専門知識はまだ浅いが、成長に期待している。今後は、業務の正確性と専門性をよりいっそう高め、さらなる業務効率化につなげてほしい。
営業職の上司コメント例
売上目標に対して110%の達成率となったことは、評価に値する。また、新入社員のフォローを積極的に行ったり、セールストークの勉強会を自主的に開催したりと、売上以外の面でもチームに貢献してくれていた。新規顧客数が未達に終わったことだけが課題である。下半期は、既存顧客への営業強化と新規顧客への営業の2軸で業務にまい進し、個人やチームの目標を達成することを期待している。
技術職の上司コメント例
システムAを予定通りリリースでき、顧客からの評判も良いことは、評価に値する。また、システムBで実装する新機能についてのアイデアは、画期的で素晴らしかった。しかし、システムBの開発の遅れを早急に取り返さなければ、リリースが予定よりも後ろ倒しになってしまう。今後は、時間への意識をより高め、日々の業務にまい進していくことを期待する。
管理職の上司コメント例
サービスAの広報に部を挙げて取り組んだ結果、潜在顧客から第一想起されるようになったことは、評価に値する。また、サービスAの認知度が向上したことにより、会社全体としての収益も高まった。一方で、新入社員・入社2年目のメンバーの育成が思うように進んでいない点が課題である。下半期は、先輩メンバーをフォローに付けた上で、新入社員・入社2年目のメンバーにもさまざまな業務を任せ、部全体としての能力の引き上げを図ってもらいたい。
人事評価シートの書き方とポイント
上記で紹介したように、人事評価シートのコメントは部下・上司両者ともに適切な内容を記載する必要があります。
人事評価の場が有意義なものとなるよう、コメントの記載に当たっては、それぞれ以下で紹介するポイントを意識しましょう。
【部下】自己評価コメントの書き方
自己評価を行う立場の従業員(部下)には、人事評価の目的を伝えた上で、自分自身の業務を前向きに振り返るよう促します。人事評価シートに記入する際も、ポジティブな表現を用いるように伝えると効果的です。
加えて以下のポイントも意識させれば、従業員の成長にもつながる可能性があります。
●等身大の評価を記載する
●結果のみではなくプロセスも記載する
●評価基準に沿って記載する
●問題点は改善方法と併せて記載する
●数字を用いて具体的に記載する
等身大の評価を記載する
自己評価を行う際は、過少または過大に評価せず、実態に基づいて振り返ることが大切です。目標や評価基準と、自身のパフォーマンスを照らし合わせて「基準に対してどの程度の結果を出せたのか」を客観的に見ることで、等身大の自己評価を行えるようになります。
人事担当者や上司も、部下がこのように自己評価を進めてシートを記入できるようにサポートしましょう。
例えば、「人事評価は上司に対して自分の活躍をアピールする機会である」と伝え、自己評価を前向きに行えるよう促すという取り組みが有効です。
ただし、過大評価に偏らないよう、あくまでも「等身大の評価」が大切である旨も添えましょう。
自己評価コメントの記載例は以下をご覧ください。
NG例
常に完璧なスケジュール管理を行い、全ての業務を計画通りに遂行した。
OK例
優先順位を意識して業務を進めた結果、遅延なく計画を遂行できた。ただし、一部業務の進め方にはまだ改善の余地がある。
結果のみではなくプロセスも記載する
「このような成果となった」という結果だけでなく、そこに至るまでのプロセスも併せて記載するように伝えましょう。成果のプロセスが明確になっていると、再現性のある取り組みであるため、評価しやすくなる可能性があります。
例えば「どのような課題があり、それに対しどのようなアプローチを行ったか」といったように、思考や行動内容が伝わるように記載することで、プロセスまでアピールできます。
NG例
人事部として年間採用目標を達成した。
OK例
選考途中の転職希望者による辞退が多かったため、採用フローを見直して短縮化した。結果、辞退人数を昨年よりも20%抑えて年間採用目標を達成できた。
評価基準に沿って記載する
会社の評価基準に基づいて、自己評価コメントを記載させることも非常に重要です。なぜなら、どれだけ素晴らしい成果であっても、評価基準からずれたものであっては、評価対象とならないためです。
評価の軸は、「成果」「プロセス」「チーム貢献」など組織によって異なります。人事評価シートに記載してある項目を事前に確認した上で、それに沿った内容でコメントを作成するように指導しましょう。
NG例(チーム貢献が軸の場合)
Excel関数の活用と業務フローの見直しにより、入力作業を短縮し、残業時間を削減した。
OK例(チーム貢献が軸の場合)
Excel関数の活用と業務フローの見直しを行い、その内容をチーム内に共有した。結果、チーム全体で入力作業を短縮し、残業時間を削減した。
問題点は改善方法と併せて記載する
人事評価を部下や組織の成長につなげるには、現状の問題点や課題も包み隠さずに記載させる必要があります。しかし、中にはネガティブな自己評価を書くことをためらう従業員もいるため、上司や人事担当者のフォローが不可欠です。
具体的には、人事評価シートの記入を促す際に、「問題点があったとしても、改善方法とともに記載すれば悪い印象にはならない」と伝えると良いでしょう。
問題点と改善方法を人事評価シートに記載させれば、より精度の高い評価を下せるほか、上司が部下の課題を把握するきっかけとしても活用できます。
NG例
新規顧客開拓数は目標10件に対し8件と、未達に終わってしまった。既存顧客の対応にリソースが偏ったことが原因である。
OK例
新規顧客開拓数は目標10件に対し8件と、未達に終わってしまった。既存顧客の対応にリソースが偏ったことが原因であるため、来期は業務の優先順位付けを行い、既存顧客の対応を効率化しつつ、テレアポ件数を毎日10件増やすことで目標を達成したい。
数字を用いて具体的に記載する
前述の通り、自己評価コメントは、可能な限り客観的な事実や定量的な目標に基づいて記載させることが重要です。そのため、自己評価を実施させる場合は、具体的な数字を基に評価するようアナウンスできると理想的です。
NG例
良い成果となるように、責任感を持って毎日真面目に業務に取り組んだ。
OK例
既存顧客の対応フローを見直し、アップセルを行うことで前年比120%の売上を達成した。
【上司】フィードバックコメントの書き方
人事評価シートを受け取る側の上司には、評価対象となる部下の成長やモチベーションの向上を支援する役割があります。このような役割を果たすには、部下の評価できる点や問題点、改善点などを、フィードバック時に伝えることが不可欠です。
従って人事担当者は、上司が部下に適切なフィードバックを行えるよう、以下のポイントを周知しましょう。
●評価内容は理由・根拠とともに具体的に伝える
●前向きな表現で伝える
●絶対評価と相対評価を使い分ける
評価内容は理由・根拠とともに具体的に伝える
部下の自己評価に対するフィードバックは、理由や根拠を示した上で、明確に伝えることがポイントです。抽象的な表現では受け手の感覚によって捉え方が変わってしまい、意図がうまく伝わらない恐れがあるためです。フィードバックの質に差が生じないよう、人事担当者が積極的にフォローする必要があります。
また、フィードバックの際は、評価内容とともに今後の改善案や行動計画を話し合うことも大切です。改善案や行動計画はすぐに実行できる内容であることが望ましいため、この点も人事担当者からアドバイスしておくと良いでしょう。
前向きな表現で伝える
上司からフィードバックを行う際は、ポジティブな表現で伝えたいところです。意見を一方的に押し付ける話し方は好ましくないため、人事評価を実施する前に人事担当者からアナウンスしましょう。
このようにして、上司が部下の意見を聞き入れた上で改善案を提案できるようになれば、部下のモチベーションの向上が見込めます。
絶対評価と相対評価を使い分ける
人事評価の効果を高め、部下の育成に活かすには、絶対評価と相対評価を適切に使い分けることがポイントです。
絶対評価とは、従業員個人の目標を基準として、その達成度を基に評価する方法のことを指します。「どのような業務を経験して、どの程度まで成長できたのか」という点を可視化できるため、現在の状況や今後の目標を従業員が自覚するきっかけとなります。結果として、モチベーションの向上にもつながるでしょう。
一方で相対評価は、ほかの従業員と比較した上で、「成績上位の2割をS評価、下位の2割をC評価」というように評価する方法です。従業員間で適度な緊張感や競争意識が生まれることで、組織全体の成長を促進する効果が期待されています。
これら2つの評価方法は、どちらかに偏ると効果が十分に発揮されません。両方の長所と短所を把握し、自社に合った形で運用していくことが重要です。現場の上司からの意見を取り入れつつ、人事評価シートの項目を整えていくことをお勧めします。
部下の育成方法については、以下の記事でも紹介しています。より良い指導法を探している人事担当者は、参考にしてください。
(参考:『部下育成の課題と成功のポイント|タイプ別の指導法と失敗事例も解説』)
人事評価シートを自社向けにカスタマイズする手順
職種や適切な評価基準は、企業ごとに異なります。そのため、人事評価シートのテンプレートを活用する場合であっても、テンプレートを土台として自社に合った内容にカスタマイズする必要があります。
以下の手順を参考に、人事評価シートのカスタマイズを進めましょう。
1.職種と階層を整理する
2.評価項目を洗い出す
3.評価基準を明確にする
4.評価ウエイトを設定する
5.評価のランクのルールを決める
STEP1:職種と階層を整理する
まずは、自社の職種と、それぞれの階層を整理します。これは、現場の業務内容に即した評価項目や基準を設定していくための事前準備として必要な作業です。
例えば、以下のように整理しましょう。
【職種・階層を整理する際の例】
| 区分 | 職種 | |||
|---|---|---|---|---|
| 管理職 | 管理 | 営業 | 製造 | |
| 一般職員 | 3等級 | |||
| 2等級 | ||||
| 1等級 | ||||
上記に加えて階層ごとの定義もここで決めておくと、後の工程で評価基準などを決める際の指針となります。また、整理した階層を全社に共有することで、成長ステップを示すという活用も可能です。
STEP2:評価項目を洗い出す
続いて、各職種・階層での評価項目を洗い出します。現場の管理職とも意見を交換して作業を進めましょう。
例えば、「次世代リーダーを任せられる人材」を多く育成したいのであれば、「次世代リーダーとなり得る人材には、どのような要素が必要か」を考えることで、評価項目が明確になっていきます。
この場合であれば、言語化すると「業務の成果の品質が高く、改善力とチームへの貢献意識を持っており、主体的に行動できる人材」という条件になります。ここから「業務の成果」「成果を出すまでのプロセス」「改善力」「リーダーシップ」「貢献意識」「主体性」といった評価項目が洗い出せるというわけです。
STEP3:評価基準を明確にする
評価項目が決まったら、項目ごとの評価基準についても見直します。一般的な例としては、0~4点の5段階、あるいは1~10点の11段階などの点数制が挙げられます。
例えば、リーダーシップの評価基準については以下のように設定すると良いでしょう。
【評価基準の例(5段階評価・リーダーシップの場合)】
| 点数 | 定義 |
|---|---|
| 4 | 部署全体の目標意識を意識し、自チームのみならず他チームとも連携して目標を達成した |
| 3 | 自身の成果を出した上で、メンバーの育成も行うことでチーム全体で目標を達成した |
| 2 | 目標達成に向けて主体的に動いて成果を出しつつ、チームリーダーとしてメンバーに適切に業務を割り振った |
| 1 | 自身の目標は達成できていたが、メンバーとの関わりは薄く、チームリーダーとしての役割には課題が残る |
| 0 | 自身・チームともに目標未達だった |
このように、誰が見ても理解できる客観的な内容で定義付けを行うことで、評価者による解釈のぶれを防止できます。
STEP4:評価ウエイトを設定する
次に、「各項目のうち、どの項目をどの程度重視するのか」といった重み付け、つまりウエイトの設定を行います。
全ての項目を均等に評価するのではなく、ウエイトを設定することで、従業員が「自分は業務で何を優先すべきなのか」を意識できるようになるためです。なお、ウエイトは合計が100%となるように分配しましょう。
そして先ほど決めた評価基準を基に、「評価点×ウエイト」によって算出されるポイントを決めます。例えば、評価点が同じ「4」であっても、ウエイトの大きい評価項目であれば15ポイント、ウエイトが小さい評価項目であれば8ポイント、といったように設定していきます。
このとき、全ての項目で最高評価となった場合の合計点数が100ポイントとなるように調整しましょう。
STEP5:評価のランクのルールを決める
最後に、評価基準ごとのルールを決めます。ランクは先ほど設定したポイントを基準に、S・A・B・C・Dのようにアルファベットで決めることが一般的です。
具体例は以下をご覧ください。
【評価ランクの例】
| 評価の合計点数 | ランク |
|---|---|
| 75点以上 | S |
| 60点以上・75点未満 | A |
| 40点以上・60点未満 | B |
| 25点以上・40点未満 | C |
| 25点未満 | D |
なお、上記の例は「絶対評価」です。評価結果の昇給・賞与原資のバランスを考慮するポイントなどは、最上位ランクとなる人数をあらかじめ限定する「相対評価」とする方法もあります。
例えば、合計点数を基準に「上位5%の従業員はSランク、15%はAランク…」といったように設定すれば相対評価が可能です。
ただし相対評価の場合は、自分以外の従業員という外的要因に評価が左右される側面から、モチベーション低下につながるリスクもあります。絶対評価と相対評価、それぞれのメリット・デメリットを比較した上でどちらを採用すべきかを決めましょう。
人事評価シートを作成するメリット
人事評価シートを作成するメリットとしては、次の4つが挙げられます。
1.評価基準を統一しやすくなる
2.従業員の成長を促進できる
3.フィードバックしやすくなる
4.人事評価業務を効率化できる
評価基準を統一しやすくなる
人事評価シートを作成する最大のメリットは、従業員を公平に評価できる基準やルールをつくれることです。誰が見ても同じように判断できる評価基準や評価項目が設けられていれば、社内の認識が統一されて、昇給や昇格を公平に判断できるようになります。
また、評価の透明性が高まれば、従業員の評価に対する不満や「不公平だ」という気持ちが減り、結果的に離職の防止にもつながるでしょう。
従業員の成長を促進できる
従業員自身に現状の目標達成度や改善点などを見つめ直す機会を提供し、今後の成長を促せる点も、人事評価シートを作成するメリットの一つです。
人事評価シートで明確な基準が示されると、従業員は優先的に身に付けると良い能力や不足している経験などを把握できます。これにより、「この能力を伸ばしていこう」「こうした取り組みを実践していこう」という目標を自ら設定し、自主的に行動できるようになります。
従業員の成長もおのずと促進されるため、業務効率が上がり、結果として業績の向上も期待できるでしょう。
フィードバックしやすくなる
人事評価シートを作成し、今期の成果と課題を見える化することで、上司から部下へのフィードバックを行いやすくなるというメリットもあります。
「今期はどのような目標が設定されていたのか」「目標に対し、どのようなパフォーマンスを発揮できたのか」が一目でわかるためです。人事評価シートがあることにより、人材育成のPDCAサイクルが円滑に回るようになります。
人事評価業務を効率化できる
人事評価シートには、階層・職種ごとに理想とするパフォーマンスや、それらに対する各従業員の成果が一元化されています。そのため、人事評価シートがあれば評価業務を効率的に進められるというメリットもあります。
評価基準や項目、各人の成果などがそれぞれ別の資料に記載されている状態では、従業員ごとの評価を洗い出すこともなかなかスムーズには進められないことが考えられます。全従業員で同じフォーマットを活用することで、必要な情報が一元化され、人事評価業務を効率的に進められるのです。
人事評価シートとは?
冒頭でも述べたように、人事評価シートとは、従業員の業務目標や成果、行動・能力などを一定の基準に基づいて評価・記録するための書式です。
一般的には、従業員自身が期初に目標を設定し、期末などのタイミングでその達成度や業務態度などについて自己評価を記入し、人事担当者や上司による評価も記入されます。
なお、人事評価シートは公平・公正な条件の下、適切に評価を行えるように内容の透明性が担保されている必要があります。また、会社が従業員に求める振る舞いや目標は、企業や職種ごとに異なるため、現場の実態に合わせて作成することが大切です。
人事評価シートに関するよくある質問
最後に、人事評価シートに関するよくある疑問に回答します。
【人事評価シートに関するよくある質問】
Q1:人事評価シートをつくる際の注意点はありますか?
Q2:人事評価シートの自己評価コメントはどう書けば良いですか?
Q3:人事評価シートの無料テンプレートをそのまま使っても問題ありませんか?
Q4:人事評価シートはExcelとWordどちらがお勧めですか?
Q5:人事評価シートは職種別に変えるべきですか?
Q1:人事評価シートをつくる際の注意点はありますか?
評価基準や条件を明確にして、なおかつシンプルでわかりやすい内容で作成することです。評価条件があいまいだと、評価の公平性や透明性が失われる恐れがあります。
また、複雑な内容だと、従業員が内容を理解できず、モチベーションが下がってしまう可能性があるため、シンプルな内容で作成することが大切です。
Q2:人事評価シートの自己評価コメントはどう書けば良いですか?
結果だけでなくプロセスも併せて、評価基準に沿った等身大の評価を記載しましょう。また、成果に関しては具体的な数字を交えてアピールすることもポイントとして挙げられます。
もし目標未達に終わった場合や課題がある場合は、改善方法も記載することでネガティブな印象で終わらせず、次の行動につなげられます。
Q3:人事評価シートの無料テンプレートをそのまま使っても問題ありませんか?
テンプレートはあくまでも、大枠の土台です。必要な項目や各項目のウエイトなどは、企業や職種によって異なるため、テンプレートを基にした上で、自社に合う内容で人事評価シートを作成してください。
Q4:人事評価シートはExcelとWordどちらがお勧めですか?
Excelがお勧めです。各項目を一覧表の体裁で管理しやすく、また関数機能などを用いて点数の計算が簡単に行えるためです。
Q5:人事評価シートは職種別に変えるべきですか?
重視する項目や目標に応じて検討するべきです。職種ごとに重視する項目や目標が異なる場合があるため、同じ企業であっても、職種ごとに異なる内容で人事評価シートを作成するほうが良いケースもあります。
まとめ
人事評価シートの評価基準は「成績」「能力」「情意」の3つに分類されます。職種によって、業務内容や必要とされる能力が異なるため、評価項目は職種別に設定する必要があります。
記入する際は、自己評価をする側・フィードバックをする側ともに、「客観的に記載する」「可能な限り、簡潔に書く」といった書き方のポイントを押さえることが重要です。人事評価シートを効果的に活用し、従業員の成長につなげていきましょう。
下記からテンプレートも無料ダウンロードできますので、ぜひ活用してください。
なお、人事評価シートの活用に加えて、評価制度そのものの見直しを検討している方は、以下の記事も参考にしてください。
(参考:『ノーレイティングとは?従来の評価制度との違いやメリットを解説』)
(制作協力/株式会社eclore、編集/doda人事ジャーナル編集部)
人事評価シートテンプレート【Excel版】
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