【採用戦略に活かせるポイント付】人事が知っておくべき“転職したい”人気企業ランキング2023– 総合 –

d’s JOURNAL編集部

転職サイト「doda」が調査した「転職人気企業ランキング2023<総合>」トップ10をご紹介しながら、人事・採用担当者が考えたい採用戦略のポイントを解説します。大手企業を中心に働き方改革やベースアップが進む中、多くのビジネスパーソンから支持を集めた企業にはどのような特徴があるのでしょうか。

【調査方法】
投票者が転職を希望する企業を自由形式で1位から3位まで記入。持ち点10ポイントの中から、それぞれの企業への志望度合いに応じて自由にポイントを振り分ける。
※ランキングは、振り分けられたポイントの合算値(小数点以下第二位まで)が多い順に作成しています。
※( )は前年の順位です。
※インタビュー記事のインタビュイーの方の情報は取材当時の情報です。

トップ3に変動なし。1位は4年連続でトヨタ自動車【転職人気企業ランキング<総合>ベスト10】

前回のランキングから上位3企業の顔ぶれは変わらず、4年連続でトヨタ自動車が1位をキープしています。2位とのポイント差も、前回は595ポイント差と2位のグーグルがトヨタ自動車に迫っていましたが、今回は1,591ポイント差となり、トヨタ自動車が他社を引き離す結果となりました。

トップ3に変動なし。1位は4年連続でトヨタ自動車【転職人気企業ランキング<総合>ベスト10】

1位:トヨタ自動車【ポイント:5,453】(1)

■投票理由
・世界有数の自動車メーカー。いろいろなチャレンジができそう
・信念のある企業理念を持ち、日本を代表している企業だから
・自動車の最先端技術に触れながら仕事ができるので楽しそう

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2位:グーグル【ポイント:3,862】(2)

■投票理由
・世界最先端のIT企業がどう動いているか体験してみたい
・福利厚生がしっかりしていて働き方が選択できるイメージだから
・革新的なサービスの開発に立ち会ってみたいから

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3位:ソニー【ポイント:2,574】(3)

■投票理由
・大きな企業でありながら社員の挑戦する姿勢を大事にしているから
・高い技術力で時代を先取りするような商品を生み出しているから
・日本のものづくりを支えていて社会貢献度が高いから

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4位:楽天【ポイント:1,286】(5)

■投票理由
・働きやすそうな環境づくりをしているイメージがあるから
・公用語が英語で、幅広いジャンルの仕事や人と関われそう
・実力主義でよいアイデアを採用・支援してくれる企業体質だから

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5位:パナソニック【ポイント:1,217】(6)

■投票理由
・いろいろな分野に進出して挑戦し続けているから
・大手企業で信頼性と安定性があるから
・経営方針に共感できるから

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6位:アマゾンジャパン【ポイント:1,148】(4)

■投票理由
・世界的な企業で挑戦してみたい
・配達の速さがすばらしいので物流の仕組みを知りたい
・最新のシステムの中で働けそう。社員を大事にしていそう

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7位:Apple Japan【ポイント:1,030】(7)

■投票理由
・自由な働き方が魅力的だから
・ユニークな製品やサービスの開発に携われそう
・先進的な技術力があり、優秀な人材が多そうだから

8位:キーエンス【ポイント:927】(8)

■投票理由
・業界のトップランナーで、給与水準が高いから
・毎年高収益を継続している企業がどんなことをやっているのか知りたい
・営業技術が高く、学んでみたいから

9位:任天堂【ポイント:811】(13)

■投票理由
・常にワクワクするゲームを生み出す姿勢がかっこいい
・コロナ下でも伸びている企業だから
・世界のゲーム市場の先頭を突き進む会社で直接ゲームに関わる仕事をしたい

10位:リクルートホールディングス【ポイント:711】(9)

■投票理由
・さまざまな業種への取り組みがあり、常に勢いを感じるから
・人材育成に力を入れており、自己成長ができそうだから
・働きやすさがあり、透明性も高いから

▼11位以下のランキングもチェックする
社会人が選ぶ“働きたい企業”第1位は?転職人気企業ランキング2023<総合>

人気企業の傾向と人事が採用戦略に活かしたいポイント

人気企業の傾向と人事が採用戦略に活かしたいポイント

企業イメージのよい企業が上位にランクイン

1位のトヨタ自動車を選んだ理由としては「社風がよさそう」「社員の満足度が高いイメージ」などの声が多く寄せられています。同社は自社メディア「トヨタイムズ」で企業情報を積極的に発信しており、昨年度の売上高が過去最高を記録する、2023年4月から新体制となるなどの明るい話題性や、カーボンニュートラルの実現を目指すなどのブランディング施策がランクインの要因となったようです。

また、今回9位の任天堂(前回13位)は2019年には30位でしたが、2022年に一度下がったものの徐々に順位を上げ、今回で4年連続15位以内にランクインしています。コロナ禍による巣ごもり消費でゲームの需要が高まったことも要因の一つと考えられますが、投票理由からは、企業のイメージや経営方針の評価が高いことが安定的な順位キープにつながっていると見受けられます。

賃上げを行った大手企業が順位を上げる

初任給の引き上げを含め給与を最大40%引き上げることがニュースとなったファーストリテイリングは、前年48位から11位へと順位を大幅に上げ、投票理由にも「給与を上げるニュースがあり、イメージがよいから」などのコメントが寄せられています。

また、前年34位から24位へと上昇したオリエンタルランドは、パート・アルバイトを含む従業員の給与を平均で約7%アップ。9位の「任天堂」も全社員の基本給・初任給を一律で10%引き上げたことが話題となりました。

インフレが進む中、賃上げに取り組んでいる企業への関心が高いことがうかがえ、今後の採用市場では、賃上げの影響が大きくなると考えられるでしょう。

以下の資料では、転職者の平均年収を職種・エリア・スキルごとに比較した【平均年収データ】を把握することが可能です。資料を参考にしながら、必要に応じて自社賃金を見直してみてはいかがでしょうか。

自己成長や働きやすさを重視するコメントが目立つ

今回の投票理由には「社員の挑戦する姿勢を大事にしているから」「人材育成に力を入れており、自己成長ができそうだから」など、自己成長につながる環境に期待する声も多く見られました。リスキリングの導入やスキルアップ制度の整備など、キャリアの選択肢を幅広く提供したり、必要なスキルを習得するための支援を行ったりする企業の人気は、今後も高まっていくと考えられます。

今後減少していく労働力人口や今の採用難などから考えても、規模ややり方にもよりますが、今いる社員の学び直しを実施することは組織、企業成長の最大化につながる可能性があります。ぜひ前向きに導入を検討することをおすすめします。

また、「福利厚生も充実している」「いち早く週休3日制を取り入れるなど、働きやすい環境を提供していて魅力的」「リモートワークが普及しているから」など、働きやすさや福利厚生を理由にしたコメントも目立ちました。

賃上げが難しい企業でも、制度や福利厚生を見直すことで魅力付けをすることは大いに可能です。以下から、自社の魅力を整理できるシートや福利厚生の施策例などの資料をダウンロードしていただけますので、ぜひご活用ください。

まとめ

転職で人気の企業ランキングトップ10をご紹介しました。自社が求める人材を獲得するためには、転職希望者のニーズをつかみつつ、自社の魅力をアピールすることがポイントとなりそうです。上位にランクインした企業の取り組みを参考にしたり、資料を活用したりしながら、自社の採用戦略を見直してみてはいかがでしょうか。

出典:社会人が選ぶ“働きたい企業”第1位は?転職人気企業ランキング2023<総合>「転職サービスdoda」
【調査概要】
・対象者:22歳~59歳の男女
・雇用形態:正社員
・調査手法:ネットリサーチ会社を利用したインターネット調査
・調査期間:2023年2月17日~2月24日
・調査方法:投票者が転職を希望する企業を自由形式で1位から3位まで記入。持ち点10ポイントの中から、それぞれの企業への志望度合いに応じて自由にポイントを振り分ける
※ランキングは、振り分けられたポイントの合算値(小数点以下第二位まで)が多い順に作成。
※ウェイトバック:正社員の地域・年代・性別に合わせて実施
・回答人数:5,083人

(企画・編集/海野奈央(d’s JOURNAL編集部)、制作協力/株式会社はたらクリエイト