人材育成マネジメントとは?必要なスキルや効果的な手法、導入事例も解説

d’s JOURNAL編集部

人材育成マネジメントとは、個々人が能力を最大限に発揮できるように、自社の人材を管理することです。

これによって、生産性や業績の向上につなげられるだけでなく、一人ひとりのキャリアの支援も実現できます。組織力を高めるためには、人材育成マネジメントが非常に重要です。

本記事では、人材育成マネジメントの課題や、必要なスキルなどを解説します。人材育成に課題を感じている人事担当者はぜひご覧ください。

※人材育成をより広い視点で理解したい方は、『人材開発とは?人材育成との違いや具体的な手法、推進のポイントを解説』も参考にしてください。

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人材育成マネジメントとは?

人材育成マネジメントについて知る前に、まず「人材育成」という言葉の定義を再確認しましょう。人材育成は、部下に対し業務で必要なスキルを教育しつつ、個人のキャリア開発を行うことを指します。

この人材育成を円滑に進められるよう、部下をマネジメントすることが「人材育成マネジメント」です。必要なスキルを教育するだけでなく、部下が成長するために必要なサポートを行う点が、単なる「人材育成」とは異なります。

例えば、適切な目標設定のサポートや研修の実施、個々人の育成状況の管理などを行うことで、人材育成を行いつつ部下をマネジメントしていきます。

人材育成マネジメントが重要視される背景

人材育成マネジメントの重要度が高まっている背景としては、「少子高齢化による労働人口の減少」と「専門スキルを持つ人材の需要増加」が挙げられます。

少子高齢化による労働人口減少

近年、少子高齢化による労働人口の減少が進んでおり、慢性的な人材不足に陥っている企業も少なくありません。そうした状況でも成果の出せる組織であり続けるためには、限られた人材(現在の従業員)をいかに成長させていくかが重要とされています。

そのため、自律的に行動でき、生産性の高い人材を育成するための方法として、人材育成マネジメントが注目されているのです。

専門スキルを持つ人材の需要増加

現代は、ビジネス環境や市場、組織、個人などあらゆるものを取り巻く環境が変化し、将来の予測が困難な「VUCAの時代」です。IT技術の進歩や消費者のニーズの多様化などにより、既存の価値観やビジネスモデルなどが通用しなくなってきていることに伴い、企業が求める人物像が変化してきています。

(参考:『VUCAとは?基本的な捉え方と求められるスキルを紹介』)

日本企業では従来、幅広い知識・経験を有する「ジェネラリスト」が必要とされる傾向がありました。しかし近年では、ITをはじめとする特定分野に関する専門知識・スキルを有する「スペシャリスト」の需要が高まっています。こうした変化に適応できる人材を養成すべく、人材育成マネジメントに注力する企業が増えてきているのです。

加えて、在宅勤務や時短勤務、副業といった「はたらき方の多様化」により、画一的な人材育成が難しくなってきていることも、人材育成におけるマネジメントの重要度が高まっている一因と考えられます。

人材育成マネジメントの課題

近年の時流により必要性が高まっている人材育成マネジメントですが、実施する上で発生し得る課題もあります。自社内での人材育成マネジメントをスムーズに進めるためにも、課題をあらかじめ把握しておきましょう。

【人材育成マネジメントの課題】
●従業員のスキル・適性を把握しづらい
●育成担当者の負担が大きい

従業員のスキル・適性を把握しづらい

人材育成マネジメントを行う上では、部下一人ひとりのスキルを把握し、適性を踏まえた教育を行う必要があります。しかし、それぞれ異なるスキル・適性を完全に把握することはなかなか難しいでしょう。

組織のビジョンと本人の適性を照らし合わせ、その強みを活かせる育成計画を立てることで、自社に貢献できる人材を育成できます。そのため、まずはこれまでの業務の成果などから、一人ひとりの適性を洗い出す必要があります。

育成担当者の負担が大きい

育成担当者に、少なからず負担がかかってしまう点も人材育成マネジメントの課題として挙げられます。

特に近年は、部下のはたらき方に対する価値観の多様化が進んでいるため、例えば、「経験を積ませながら現場で覚えさせるOJT中心の育成」や「集合研修を一律で実施する画一的な研修スタイル」などの従来の方法にのっとるだけでは個々の成長ニーズに対応できず、適切な教育が行えない可能性があります。結果として育成担当者の負担増につながっているのです。

また、厚生労働省が日本国内の企業・事業所に対して実施した『令和6年度「能力開発基本調査」』では、現場の担当者が実感している問題点について、以下のような結果が表れました。

人材育成に関する問題点の内訳

(引用元:厚生労働省『令和6年度「能力開発基本調査」 調査結果の概要』)

上記を見るとわかるように、人材不足が大きな課題となっているようです。育成を行う人材が足りず、またせっかく育成しても部下が退職してしまうため、慢性的な人材不足に陥っていることがうかがえます。

それによって、育成担当者の負担が増え「人材育成を行う時間がない」という課題につながっていることも考えられます。状況によっては、人材育成マネジメントと並行して、あるいは人材育成マネジメントを行う前に人材採用を行う必要があるかもしれません。

部下育成でよくある失敗と改善ポイントについて詳しく知りたい方は、下記の記事もチェックしてみてください。
(関連記事:部下育成のポイントと指導法|失敗しやすい事例を紹介

人材育成で必要なマネジメントスキル

人材育成マネジメントは、部下の未来を預かる重要な業務なので、誰でも簡単に行えるわけではありません。具体的には、以下で挙げるスキルを有している人材がマネジメントを行えると理想的です。

【人材育成で必要なマネジメントスキル】
●リーダーシップ
●コミュニケーション能力
●コーチング能力
●フィードバック能力
●現状把握能力
●ロジカルシンキング
●問題解決スキル
●目標管理能力
●スケジュール管理能力
●フォローアップ力

リーダーシップ

リーダーシップ、つまり指導力・統率力は、人材を適切に指導し、組織をまとめ上げるために欠かせません。自らの言動で部下や組織に良い影響を与えていくことで、組織全体が一丸となって成長できるようになります。

(参考:『サーバント・リーダーシップとは?10の特性と効果・注意点を解説』)

コミュニケーション能力

人材育成マネジメントを行うには、必要なことをただ教えるだけでなく、部下との関係性を構築することも非常に重要です。そのため、コミュニケーション能力も必須スキルといえます。

具体的には「部下と正確に情報をやりとりする」「部下に与える自身の印象を適切にコントロールする」といったことがコミュニケーション能力に該当します。例えば、部下が話しやすいような雰囲気を心がけることなどが挙げられるでしょう。

また、対部下だけでなく、対経営陣の場でもコミュニケーション能力は必要となります。現場の声を経営陣に伝えたり、「会社は具体的に、どのような人物像を求めているのか」を聴き出したりすることも、マネジメント担当者には求められるためです。

コーチング能力

コーチング能力とは、コミュニケーション能力の一種で、相手の潜在的なスキルを引き出した上で自発的な行動を後押しする能力のことです。必要なことを一方的に教えるのではなく、部下に問いを投げかけることで考えを整理させ、自分で解決策を見つけられるように道筋を示せると理想的です。

これによって、部下は「問題をどのように解決すべきか」を自問自答できるようになります。このコーチング能力を適切に発揮し、部下一人ひとりが自ら答えを導き出せるようになれば、組織の成果の最大化も図れるでしょう。

フィードバック能力

フィードバック能力も、人材育成マネジメントの場で求められます。なぜなら、ただ「教える」だけでなく、部下の行動を評価・指摘する「フィードバック」を行うことでより効果的な育成を実現できるためです。

なお、フィードバックには良かった点を評価する「ポジティブフィードバック」と、改善すべき点を指摘する「ネガティブフィードバック」があります。具体的にどのような内容を伝えれば良いのかは、以下をご覧ください。

【具体的なフィードバックの例】

種類 フィードバックの例
ポジティブフィードバック 「資料作成で、比較表のまとめ方がとてもわかりやすかった。おかげで、意図がスムーズに伝わり、会議の意思決定が早く進んだ。次回もぜひこの方法を取り入れてほしい」
ネガティブフィードバック 「優先順位の判断に改善の余地があった。緊急度の高い作業よりも先に周辺作業に着手していたので、全体の進捗(しんちょく)に影響が出てしまっていた。重要度と期限のバランスを判断できるようになると良い」

どちらも人材育成マネジメントに必要なフィードバックですが、それぞれ受け手の感情や印象が異なります。そのため、適切に使い分けることが大切です。

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フィードバックや将来志向で部下を伸ばすフィードフォワードの考え方について、より詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。

<参考>
フィードバックの意味と目的とは?期待できる4つの効果と5つの手法
フィードフォワードとは?人材育成におけるポイントとメリット・デメリット

現状把握能力

人材育成マネジメントに必要なスキルとしては、組織の状況を正確に把握する「現状把握能力」も挙げられます。なぜなら、組織の強みや弱みを正確に把握することで、組織全体が成長するために必要な意思決定を行えるからです。

具体的には、個々人の能力や業務遂行の状況、組織全体で起きている課題などを把握することが非常に重要です。また、組織内だけでなく、業界全体の動向をはじめとする外部環境についても着目し、それらが組織にどのような影響を与えるのか?を考えることも求められます。

ロジカルシンキング

物事の「結果」と「原因」を明確に捉え、両者のつながりを考える「ロジカルシンキング(論理的思考)」のスキルも必要です。

人材育成マネジメントを行う過程では、予想外のさまざまな問題が発生します。問題を解決するには、ロジカルシンキングを用いて結果と原因を整理し、本質を見極めることが大切です。

ロジカルシンキングを用いれば、問題が起きた際に再発を防止し、その思考・判断を基に組織として成長できるようになるでしょう。

問題解決スキル

ロジカルシンキングを用いて、組織で起きている問題を特定・解決する問題解決スキルも重要なスキルの一つです。目の前で起きている問題だけでなく、中長期的な問題を解決するためにも、人材育成マネジメントの場では欠かせません。

問題の原因を特定したら、解決するまでの計画を立てて、必要なアクションを洗い出します。場合によっては、関係者に何らかの対応を依頼したり、周囲を巻き込んだりすることも必要になってくるでしょう。

そして解決策を実行した後は、効果を検証する必要もあります。この一連の工程を行うために必要なスキルが、問題解決スキルです。

目標管理能力

人材育成マネジメントを効率的に行うなら、目標管理能力も身に付けておくと良いでしょう。一般的な従業員の段階から必要なスキルではありますが、人材育成マネジメントを行う上では組織全体の目標管理を行うこととなるため、より求められるようになります。

例えば、目標と実態にギャップが生じているのであれば「なぜギャップがあるのか」「どうすればギャップを埋められるのか」を考える必要があります。常にそのときの目標を把握し、必要に応じて目標を管理できるようになれば、万が一のイレギュラーが起きた際も柔軟な軌道修正が可能となるでしょう。

スケジュール管理能力

上述の目標管理を適切に行うためには、スケジュール管理能力も必要です。せっかく目標を設定しても、その進捗を管理できなければ計画が意味をなしません。

全体で費やすべき時間や育成対象者の人数を想定した上で、進捗を適切に管理する必要があります。可能な限り短い時間で最大の成果を上げるように、部下一人ひとりの進捗を把握し、適切なタイミングでサポートしましょう。

フォローアップ力

部下に研修や育成プログラムを受けさせた後は、フォローアップ力も欠かせません。

研修を一度受けただけでは、学んだ内容を部下自身が全て理解することはなかなか難しく、その後のフォローアップによって内容が定着するためです。また、フォローアップを通じて育成担当者側が「部下は現状をどのように捉えているのか」を把握できるという側面もあります。

部下のパフォーマンスを評価し、追加のサポートを提供したり、研修の内容を踏まえてキャリアパスの相談に乗ったりすることで、適切なフォローアップを行えます。

(参考:『フォローアップとは?実施する目的や具体的な方法を紹介』)

人材育成でマネジメントスキルを高めさせる必要性

人材育成マネジメントの対象者には、リーダー候補者も含まれます。将来的にマネジメントを担ってもらう人材を育成するには、上述したようなマネジメントスキルをリーダー候補者の段階で身に付けさせたいところです。

【マネジメントスキルが必要な理由】
●目標達成や成果に直接影響するため
●社内全体の人材育成のスキルが高まるため
●部下育成が企業の将来を左右するため

ここからは、育成対象者にマネジメントスキルを高めさせるべき理由を解説します。

目標達成や成果に直接影響するため

特にリーダー候補者のように、一定の成果を出せる人材の場合、マネジメントスキルを身に付けることで、より高い成果を出せる可能性があります。例えば、以下のようなケースが考えられます。

【マネジメントスキルの習得によって期待できる成果】

スキルの種類 見込める成果
リーダーシップ 自身のチームを目標達成に導く
コミュニケーション能力 社内外との調整をスムーズに進める
ロジカルシンキング 自身の業務について的確な判断・指示を行う

リーダー候補者がリーダーとなったときに初めて上記のようなスキルを教えるのでは、習得に時間がかかるため、リーダー候補者の段階から習得させると良いでしょう。

社内全体の人材育成のスキルが高まるため

リーダー候補者にマネジメントスキルを習得させることで、部下を育成するノウハウのある人材を育てられます。結果、社内全体の人材育成のスキルが高まることも期待できます。

人材育成のスキルの高い従業員が増えれば、「定着率が低い」「新人をなかなか教育できないので、全体の業務品質が上がらない」といった問題の解決にもつながるでしょう。

部下育成が企業の将来を左右するため

早い段階でマネジメントスキルを身に付けさせることは、部下自身だけでなく企業全体の将来のためにも非常に重要です。なぜなら、スキルの高い人材が増えることで組織全体の生産性が上がり、ひいては活性化にも寄与するためです。

たとえ教育するのは数人の部下だったとしても、将来的には企業全体が成長する可能性を秘めているということです。

人材育成マネジメントを成功させる心構え

人材育成マネジメントには課題もあり、さまざまなスキルが求められるため、決して簡単ではないことがわかりました。では、どうすれば人材育成マネジメントを成功させられるのでしょうか。

以下でお伝えする心構えをまずは意識しましょう。

【人材育成マネジメントを成功させる心構え】
●目標達成・成果にこだわる
●自分で考える機会を多く与える
●定期的にコミュニケーションを取る
●部下の成長を諦めない
●成果に対して評価とフィードバックを行う
●部下を理解するために傾聴をする
●個々に合わせた適切なサポートを行う

目標達成・成果にこだわる

そもそも、部下の育成は、部下が仕事で「成果」をきちんと出せる人材となるよう、成長を支援することを目的としています。そのため、「指導すること自体」が目的とならないよう、注意が必要です。

「目標を達成するには何をする必要があるか」「どうすれば、成果を上げることができるのか」というように、目標達成や成果を常に意識しながら、人材育成マネジメントを進めていきましょう。

自分で考える機会を多く与える

上司が部下に対して、一方的な指導・アドバイスを常にしていると、部下が自発的に行動する機会を奪ってしまうことにもなりかねません。すぐに答えを教えるのではなく、部下自身に考えてもらう機会を多く与えることが重要です。

先ほど紹介したコーチングスキルを活用しながら部下に傾聴・質問し、「目標達成・成果のために何が必要か」を部下自身に気付いてもらうことを習慣化できると良いでしょう。

定期的にコミュニケーションを取る

部下が悩みを抱えていたり、心身の健康状態が良くなかったりすると、人材育成は思うように進みません。そのため、日ごろから可能な限りコミュニケーションを取り、部下の様子の変化に気付けるようにしましょう。

上司・部下ともに業務が忙しく、通常の業務中に十分なコミュニケーションを取るのが難しい場合は、対面またはWebによる面談の機会を定期的に設けることをお勧めします。

部下の成長を諦めない

育成が思うように進まないと、焦りやいら立ちから「●●さんの成長は難しい、やっても無駄だ」と諦めたくなることもあるかもしれません。しかし、上司が諦めてしまうと部下は育たなくなるでしょう。

たとえすぐに成果が出なかったとしても、「いずれ必ず、少しずつでも成長する」と部下を信じ、根気強く指導していくことが重要です。併せて、自身のマネジメント方法に問題がないかを振り返ることも大切でしょう。

成果に対して評価とフィードバックを行う

部下の成果を適切に評価し、フィードバックを行うことも忘れずに行いましょう。フィードバックを受けることで、部下は「より成長するためには何をすべきか」を把握できるようになります。

また、良い評価が続けば、部下にとって小さな成功体験が積み重なることになり、それが自信につながります。そうなれば、これまでに自信がなかった部下も前向きに業務に取り組み、より良い成果を出せるようになることもあり得るでしょう。

<参考>
フィードバックの意味と目的とは?期待できる4つの効果と5つの手法
ポジティブフィードバックとは|やり方や具体例・4つのメリットを解説

部下を理解するために傾聴をする

部下とコミュニケーションを取る際は、一人ひとりに関心を持って相手を理解する「傾聴」を意識したいところです。上の立場でマネジメントする上司が、自分たちの発言に耳を傾けてくれる姿を見ることで、部下は信頼感を抱けるためです。

具体的には、まず部下の話す内容に関心を示し、その内容について理解を深めるために質問をしてみましょう。また、「こういうことだと捉えました。この理解で合っていますか?」と確認することでも、「自分の話を理解しようとしてくれている」という安心感につながります。

個々に合わせた適切なサポートを行う

同じ組織にいる部下でも、一人ひとり特性が異なるため、個々人に対して適切なサポートを行うことが大切です。

適切なサポートを判断するには、「SL理論」というリーダーシップの考え方が有効です。詳しくは以下をご覧ください。

【SL理論に基づくリーダーシップの分類】

参加型 説得型
●コミュニケーションの必要性は高い
●業務指示の必要性は低い
●問題解決などを支援すると良い
●コミュニケーションの必要性は高い
●業務指示の必要性は高い
●必要事項を説明し、疑問に答えると良い
委任型 説明型
●コミュニケーションの必要性は低い
●業務指示の必要性は低い
●行動遂行を本人に任せると良い
●コミュニケーションの必要性は低い
●業務指示の必要性は高い
●具体的な指示を出すと良い

基本的に、部下のリーダーシップは上記の表の右下からスタートし、「説明型→説得型→参加型→委任型」の順で成長していくとされています。上記を参考に、部下の成長段階に応じて必要なサポートを行いましょう。

(参考:『SL理論とは?リーダーシップの4つのスタイルをわかりやすく解説』)

人材育成マネジメントのよくある失敗

人材育成マネジメントの場で起こりがちな失敗例を紹介します。よくあるケースをあらかじめ把握しておいて、自社での人材育成マネジメントに活かしましょう。

【人材育成マネジメントのよくある失敗】
●感情的・高圧的な態度を取ってしまう
●指示が中心になり育成になっていない
●育成に必要な時間が確保できていない

感情的・高圧的な態度を取ってしまう

たとえ部下の言動や仕事の成果に改善の余地があったとしても、感情的・高圧的な態度を取ってはなりません。このような態度を取ると、部下の行動は「上司に怒られないこと」が主体となり、成長が望めなくなってしまいます。

2022年4月に実施された労働施策総合推進法の改正により、全ての企業に対しパワーハラスメント対策が義務化された点からも、感情的・高圧的な態度は控えるべきだといえます。

必要に応じて「アンガーマネジメントを取り入れる」「指摘すべき内容を簡潔に伝える」などの工夫を行いましょう。

(参照:厚生労働省『労働施策総合推進法に基づく「パワーハラスメント防止措置」が中小企業の事業主にも義務化されます!』)

指示が中心になり育成になっていない

単なる「指示」と「育成」は違います。指示を行うだけでは、適切な育成となりません。なぜなら、「指示の通りに行動するだけ」という仕事の進め方が当たり前になると、指示待ちの部下ばかりになってしまうためです。

そのような事態を避けるために「仕事の進め方について部下自身に考えさせる」「部下が主体的に動く機会を与える」といった“コーチング”を適宜取り入れられると理想的です。

育成に必要な時間が確保できていない

育成担当者自身が忙しく、人材育成マネジメントに十分な時間をかけられないといったことも起こり得ます。

しかし、人材育成マネジメントを成功させるには一定の時間をかけなければなりません。自身のタスクを整理しつつ、育成計画を見直しましょう。

また、後述する1on1やOJTなどを取り入れて、部下とコミュニケーションを取ることで人材育成マネジメントを効果的に進められます。

人材育成に効果的なマネジメント手法

人材育成マネジメントの正解は、一つではありません。育成担当者によっても、育成を受ける部下にとっても適切な方法は異なります。

以下で紹介する、効果的なマネジメント手法を参考にしてください。

【人材育成に効果的なマネジメント手法】
●MBO(目標管理制度)
●OJT
●Off-JT
●メンターへ任命
●コーチング
●1on1
●タレントマネジメント

MBO(目標管理制度)

部下一人ひとりに目標を設定し、それぞれが目標を達成するまでの過程を管理する手法を「MBO(目標管理制度)」といいます。MBOでは、人材育成マネジメントを効果的に進められるだけでなく、業務効率の向上も期待できます。

なぜなら、MBOを行うに当たっては、部下自身が組織の方針に基づいて、上司とともに目標を設定し、自身でプロセスを管理するためです。これによって部下の主体性が育まれることが期待できます。

結果、部下自身が業務の課題に気付いて主体的に取り組むことで、業務効率の向上も期待できるというわけです。

MBOを形だけで終わらせないために、実務で使える目標管理シート(Excel)をご用意しました。人事・マネージャーの方は、自社用にカスタマイズしてすぐ使える資料としてぜひご活用ください。

MBOの導入手順について、詳しくはこちらの記事で解説しています。

(参考:『MBO(目標管理)とは?メリットや導入手順をシートを交えて解説』)

OJT

OJTとは、実践を通じて、業務に必要な能力を身に付けさせる人材育成手法のことです。育成対象者となる部下と、OJTトレーナー(育成担当者)のマンツーマンで行います。

OJTを通じて、育成対象者の業務理解を深めてスキルを向上させられるだけでなく、OJTトレーナーのマネジメントスキルを向上させられるというメリットも期待できます。育成対象者を適切に導けるよう、適切な目標管理を行い、マンツーマンでコミュニケーションを取る場面も多くあるためです。

なお、OJTトレーナーのマネジメントスキル向上を目的にOJTを行う場合は、いきなりOJTトレーナーに任命すると部下が戸惑う可能性があります。そのような事態とならないよう、事前にOJTの研修を行うことをお勧めします。

OJTを場当たり的に進めないために、6カ月間の育成計画を整理できる受け入れ計画シートをご用意しています。新入社員・中途社員の育成を担当する方は、ぜひ下記からダウンロードしてご活用ください。

OJTのより詳しいメリットについては、こちらの記事をご覧ください。

(参考:『OJTとは?目的・メリット・デメリット・OFF-JTの違い』)

Off-JT

Off-JTは、OJTと異なり、研修やセミナーといった職場と離れた場で知識やスキルを学ぶ手法です。職場での業務では学べない内容を習得したい場合に用いられます。

例えば、ビジネスマナーや業務に関する基本的な知識を部下に学ばせたい場合はOff-JTが向いているでしょう。また、事務職の従業員がDXや業務効率化のためにAIやRPAなどの専門的な知識を学ぶときなども、業務の中では知識を得られないためOff-JTが適しています。

eラーニング

先述したOff-JTの手法の一つとして、eラーニングは非常に有効です。eラーニングとは、パソコンやスマートフォン、タブレットなどのデジタル機器を使用し、インターネット経由で学習する方法です。時間や場所に縛られず受講できるため、集合研修やセミナーと比べて柔軟性が高い点が特徴です。

特に、マネジメントスキルを部下に身に付けさせたい場合は、先述したようにさまざまなスキルを学習してもらう必要があります。そのようなときは、eラーニングを活用すれば研修を効率的に進められます。

「リーダーシップ」「ロジカルシンキング」など、マネジメントスキルが包括するさまざまなスキルは、実務経験ではなかなか習得できるものではありません。座学型の研修を受けるという選択肢もありますが、対象となる部下全員の日程調整が必要となり、人数によっては調整に難航することもあるでしょう。

その点、eラーニングなら、インターネット環境さえあれば、業務の空き時間を有効活用して、各自で学習を進めてもらえるのです。

メンターへ任命

後輩が抱える業務やメンタル面の悩みを聞き、サポートする役割である「メンター」の業務を部下に命じることでも、マネジメントスキルの向上が期待できます。メンターの業務では、マネジメントスキルを実践的に学べるため、育成対象者が将来的に管理職となったとき、メンターの経験をそのままマネジメントに活かせるでしょう。

ただし、メンターの業務負担や、サポート対象となる後輩との相性などは考える必要があります。場合によっては、それらの原因によってメンター制度が適切に機能しない可能性もあるためです。

人材育成マネジメントを目的に、メンターへの任命を行う際は、メンターの負担を軽減できるように協力体制を構築し、後輩とのマッチングを慎重に行いましょう。

メンター制度の具体的なメリットや導入手順は、こちらの記事で解説しています。

(参考:『メンター制度とは?導入する目的やメリット・デメリットと流れを解説』)

コーチング

部下の主体性を引き出すことで、自発的な成長を促す「コーチング」も人材育成マネジメントに有効です。

具体的には、まず育成担当者が部下に対し、理想とする姿と現状について傾聴します。その上で、「実現するにはどうすれば良いか」という観点で問いかけを行います。

コーチングが適切に機能すると、部下のモチベーションが触発され、「言われたことだけをやる」のではなく「自ら考えて行動する」という本質的な成長へとつながるでしょう。

こちらの記事では、株式会社エヌグランディール 代表取締役の安保奈緒美氏に、リモートワーク下でのコーチングのポイントについてお伺いしています。

(参考:『【自己分析チェック付】コーチングのプロに聞く。リモートワークで悩むマネジメント層に必要なこと』)

1on1

1on1は、上司と部下がマンツーマンで行うミーティングのことです。対話を通して部下の考えを整理し、本人に対して新たな気付きを与えることによって成長を促します。

ポイントは、定期的に1on1を実施することです。一定の頻度で自身を見つめ直す機会を与えられることで、部下自身が自分の成長に気付けるようになります。また、1on1の場で上司からポジティブフィードバックを受ける機会が増えれば、エンゲージメントの向上にも寄与します。

1on1の効果をより高めるために、以下の記事もぜひご覧ください。

<参考>
1on1ミーティングとは?目的や効果、導入する方法と進め方を解説
【具体例あり】1on1で話す内容や考え方や目的に沿ったテーマ例を解説|テーマシート付

タレントマネジメント

近年注目を集めている「タレントマネジメント」は、従業員一人ひとりのスキルや実績などを一元管理し、人員配置や育成などに取り入れる手法です。

データに基づいて適材適所の配置を行うことで、各人のスキルを発揮し、組織全体の生産性の向上を目指せます。また、意欲や業績などをデータ化して比較すれば、将来の幹部候補を効率的に見極めて、マネージャーやリーダーを選出できます。

選出した人材に対して人材育成マネジメントを行えば、効果的な育成も見込めるでしょう。

以下の記事では、タレントマネジメントについてより詳しく解説しています。

(参考:『タレントマネジメントとは?タレントマネジメントシステム導入時のポイントや期待される効果を徹底解説』)

人材育成のマネジメントのステップ

それでは、人材育成マネジメントの具体的な手順を確認していきましょう。

【人材育成のマネジメントのステップ】
1.現状の課題を分析して把握
2.目標を設定
3.具体的なマネジメントプランを作成
4.目標の共有と育成の実行
5.定期的なフィードバックと改善

1.現状の課題を分析して把握

まずは現在の課題を把握します。組織全体の目標を振り返った上で「組織全体、および個人で抱えている課題は何か」を洗い出しましょう。

課題の把握に当たっては、部下一人ひとりのスキルや業績を分析することをお勧めします。実際のデータと目標値を比較し、そのギャップを確認することで課題が浮かび上がります。

2.目標を設定

先ほど洗い出した課題を踏まえて、人材育成マネジメントの目標、つまり「いつまでに、どのような状態にまで個人・組織を引き上げたいのか」を考えます。

このとき、目標は具体的かつ測定が可能なものを設定することが大切です。例えば「特定のスキルを習得させる」「業務の効率化を図り、残業時間を削減する」などの目標が挙げられます。

3.具体的なマネジメントプランを作成

続いて、目標を達成するための具体的なマネジメントプランを立てます。取り入れるべきマネジメント手法やスケジュール、評価基準などを、予算やリソースと照らし合わせながら決めましょう。

マネジメントプランの作成に当たっては、育成対象者となる部下の意見を反映させるという方法もあります。自身の意見が盛り込まれることで、部下にとって納得感のある計画となり、主体的な取り組みが期待できるようになります。

4.目標の共有と育成の実行

ここまでのステップで決めた目標とマネジメントプランを部下に共有し、実行します。

育成担当者が一方的に進めるのではなく、育成対象者にあらかじめ共有しておくことが大切です。目標が共有されると、育成対象者は自身に期待されている役割や教育の目的を理解し、意欲的に取り組むことが期待できます。

育成が始まったら進捗状況を定期的にモニタリングし、必要に応じてサポートしましょう。

5.定期的なフィードバックと改善

教育を行うだけでなく、定期的なフィードバックも欠かせません。面談や評価を通じて、人材育成マネジメントの成果や、「育成対象者は、具体的にどの程度成長したのか」を明確にします。

そして、成長した点や今後の課題を育成対象者に伝えることで、さらなる成長につながります。

マネジメントに活かせる企業の導入事例・取材記事

実際、各企業はどのように人材育成のマネジメントをしているのでしょうか。自社の施策を考える上で役立つ、企業の導入事例や取材記事を紹介します。

【マネジメントに成功した企業の例】
●株式会社アクシア
●株式会社エヌグランディール

なお、ここから紹介する事例では、各社が自社の文化や方針に合わせて“自社なりの正解”を見つけています。必ずしも全てをまねするのではなく、自社に取り入れやすいポイントを参考にしてください。

株式会社アクシア

システム開発を行う株式会社アクシアの代表取締役社長・米村 歩氏は、「残業ゼロ」の組織づくりが成功するまでの過程で、マネジメントに関する4つの教訓を得ました。

マネジメントに関する教訓

【教訓1】結果につながらない指摘は、ただの自己満足でしかない
【教訓2】上司が部下に寄り添う1on1は、必ずしも有効ではない
【教訓3】部下の仕事に口出しするのは、自分(上司)の指示があいまいだから
【教訓4】上司は組織図を意識したマネジメントを行うべき

【教訓1】では、「遠慮」と「配慮」の違いに着目。部下の間違いを指摘する際、「遠慮」があってはいけないものの、相手への敬意として「配慮」が必要と気付いたそうです。人に何かを伝えるときに一番重要なものは「結果」であることから、部下の改善を促すためにも、「内容」とともに「言い方」にも気を付けるべきとしています。

【教訓2】については、あえて1on1を実施していません。上司が部下の気持ちに寄り添ってコミュニケーションを取る1on1を採用すると、「上司と部下は友達ではない」という同社の考えとのズレが生じるためです。同社では、1on1を実施しない代わりに、「上司は全ての部下に対して公平に接するべきである」という思想の下、部下が成果を上げることを目的にコーチングを行っています。

また、上司が部下と接する際に感情が入り込むと、「かわいい部下」「かわいくない部下」という区分けが発生しがちです。実際、同社でもかつてそうしたケースがあり、弊害が大きいと感じたといいます。そのため、現在では、「管理職が部下と個別に食事などに行くのは禁止」「チーム全体での食事会や飲み会のみ可能」というルールを設けています。

【教訓3】に関しては、部下の育成に必要といわれている「権限委譲」を本当の意味でできるよう、長期にわたる仕事については何度か途中で確認はするものの、上司は基本的に口出しせず、部下本人の裁量に任せることを徹底。これは、「権限委譲をしたはずなのに、実際には途中で上司が口出ししていた」という同社の経験を踏まえてのものです。

また、「部下が対応に迷って目標に到達できない」というリスクを回避するため、上司が部下に対し、最初に明確な指示と期待する成果の提示を行うことを徹底。「部下に的確な指示を出すスキル」を管理職の責務として身に付けさせ、部下を成長させるよう求めています。

【教訓4】は、指示系統を明確にして、直属の上司以外が勝手に部下に指示をしないようにすることを意味しています。上司のさらに上の立場の人が部下に直接指示を出してしまうと、部下はどちらの言うことを聞けばいいのかわからなくなります。

また、「上の人が部下の面倒を見てくれるから、任せておけばいい」という思考回路に陥り、直属の上司が責任を持たなくなってしまうという弊害もありました。そのため現在では、階層を飛び越えて指示を出すことを禁止しています。

(参考:『「こんなマネジメントは失敗する」。反面教師に学ぶ、次世代マネジメント術4選』)

株式会社エヌグランディール

経営者・管理職向けのコーチングを提供する株式会社エヌグランディールの安保 奈緒美氏は、コーチングを受けている方の多くが「これまでの経験が通用しない、正解のない時代」に危機感を抱く一方、「自らの成長によって部下の成長に貢献したい」と考えているといいます。

また、コロナ禍以降、「部下の行動が直接見えないため、進捗管理の難易度が上がる」「メールやチャットのやりとりが増える」などの新たな課題を抱えていると指摘。安保氏は、「文字だけのコミュニケーションは、ミスが起こりやすい」と懸念しています。

なぜなら、言葉の定義は、人によって多少の相違があるため、相手の思考パターンによっては、意図したこととは違う意味で受け取られかねないためです。例えば、「効率重視」の方はコミュニケーションを簡素化しがちなため、部下から「冷たい」「怒っている」と誤解される恐れがあります。

組織はマネジメント層だけで構成されるものではないため、マネジメント層だけのはたらきによって組織の問題を解決することは不可能であるものの、ある程度の効果は期待できると指摘。コーチングを組織づくりに応用するのであれば、まずは「自分自身」のコミュニケーションスタイルと「伝えたい相手」のコミュニケーションスタイルを知るべきだといいます。

具体的には、「現在、相手とどのくらいの頻度で対話しているか」の計測から始めることを推奨。実際、対話の頻度を上げただけで、改善が見られたケースもあったそうです。

また、「感情の介在にも自覚的にならなければならない」と提言。部下を評価する際は、「自分と価値観が近いか」を抜きにして、フラットに判断する必要があるといいます。同様に、相手によってコミュニケーション量が異なるという状況についても、是正を目指すことを推奨しています。

(参考:『【自己分析チェック付】コーチングのプロに聞く。リモートワークで悩むマネジメント層に必要なこと』)

人材育成マネジメントに関するよくある質問

最後に、人材育成マネジメントに関して人事担当者からよく寄せられる質問に回答します。

【マネジメントに関するよくある質問】
●人材育成で大切なことは何ですか?
●マネジメントと人材育成は何が違いますか?
●人材マネジメントに必要なスキルは何ですか?

人材育成で大切なことは何ですか?

人材育成では、以下のポイントを意識することが大切です。

1.部下とのコミュニケーションを通じて、対等な関係を築く
2.部下に関心を持ち、部下の話を傾聴する
3.一人ひとりに最適なサポートを行う
4.自身の考えや価値観を押し付けない
5.注意する際は、「怒る」のではなく「叱る」
6.人材育成マネジメントの目標を明確にする
7.定期的にフィードバックを行う

まずは上記のポイントを取り入れてみてください。

マネジメントと人材育成は何が違いますか?

マネジメントは、組織が目標を達成するために、ヒト・モノ・カネといった経営資源を効率的に活用することです。対し、育成は、上司が部下を指導し育てることを指します。

人材育成を中長期的に行い、成功させるためにマネジメントが必要なのです。

人材マネジメントに必要なスキルは何ですか?

基本的には「マネジメントスキル」と呼ばれるものが必要となります。細分化していくと、目標管理能力やロジカルシンキング、コミュニケーション能力などが代表的なマネジメントスキルです。

まとめ

人材育成マネジメントでは、上司に「コミュニケーション能力」「コーチング能力」「目標管理能力」「スケジュール管理能力」「フィードバック能力」などが求められます。「OJTによる育成経験」や「eラーニングでの学習」などにより、マネジメントスキルを高めましょう。

部下の育成を進める際は、「目標達成・成果にこだわる」「自分で考える機会を多く与える」といったポイントを意識しながらマネジメントすることが大切です。
人材育成マネジメントを効果的に行い、部下の成長、ひいては企業の成長につなげましょう。

下記に、人材育成・マネジメントに関する資料を、課題別にご用意しています。フィードバック・目標管理・OJTなど、自社の状況に合わせて必要な資料をご活用ください。

(制作協力/株式会社eclore、監修協力/社会保険労務士法人クラシコ、編集/d’s JOURNAL編集部)

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