中途採用とは?目的やメリット、新卒との違いと成功のポイントを解説

d’s JOURNAL編集部
中途採用とは、簡単に説明すると、新卒採用(学校を卒業予定の候補者が対象の採用)以外の枠で行う採用活動のことです。新卒採用と異なる特徴が多くあり、有効に活用することで自社を大きく活性化させられるでしょう。
この記事では、中途採用の目的やメリット・デメリットなど、中途採用を成功させるために知っておきたい内容を解説します。採用活動を見直して、組織をより成長させたい人事・採用担当者はご覧ください。
中途採用の面接は、人事だけでなく現場との認識合わせが欠かせません。面接フローや質問例を体系的に整理した資料をまとめていますので、実務で使える整理資料としてご活用ください。
採用プロセス全体の作り方を先に整理したい方は、下記の記事もチェックしてみてください。
(関連記事:採用プロセスとは?作成手順と改善するためのポイント)
中途採用とは
新卒採用以外で人材を採用すること全般を「中途採用」といいます。「就業経験のある転職希望者を対象に採用すること」とされる場合もありますが、定義上は新卒以外を指します。一方で、実務では社会人経験者を対象とすることが一般的です。
また、近年は中途採用ではなく「経験者採用」と呼称を変える動きもあります。「中途」という言葉にネガティブなイメージを抱かれる風潮があるため、「経験者」に改める旨が2022年の日本経済団体連合会(経団連)定例記者会見で発表されました。
ただし、これはあくまでも経団連の発表であるため、実際に「経験者採用」と呼称するかどうかは、各企業の判断に委ねられています。例えば、未経験者可の求人では従来通り「中途採用」、経験者に限定した求人では「経験者採用」と使い分けるといった選択肢もあるでしょう。
(参考:『経験者採用とは?経験者を採用する手法や注意点を解説』)
中途採用が注目されている背景・市場動向
近年は、従来よりも中途採用が注目されつつあります。その主な原因を以下にまとめました。
【中途採用が注目されている背景】
●少子高齢化による市場の変化
●DXの推進
●はたらき方に対する価値観の多様化
すでに知られているように、わが国では少子高齢化が進んでおり、労働力となる人口が減りつつあります。それによって、仕事を探している転職希望者数よりも、労働力を求めている企業のほうが多い「売り手市場」となっているのです。
また、労働力を一刻も早く手に入れたい企業は、一定の知識・スキルのある人材を求めている傾向にあります。結果、企業にとってメリットの大きい中途採用が注目されているというわけです。
また、近年のDX推進の動きにより、ITの知識のある人材を求める企業が増えていることも挙げられます。ほかにも、価値観の多様化によって、自身の成長を求めて前向きに転職活動を行う動きも見られます。結果、人材の流動性が増し、企業側も中途採用を意識する状況になっているということです。
中途採用の対象者
一般的には、新卒採用の対象外となる人材が中途採用の対象です。卒業後一定期間が経過した人や、社会人経験のある人が該当します。
また、社会人歴が3年未満で転職活動を行っている転職希望者を「第二新卒」と呼ぶこともあります。なお、第二新卒も新卒ではないため、中途採用の枠に含まれるのが一般的です。
(参考:『新卒採用と中途採用の違いとは?採用基準や費用など7項目で徹底比較!』)
新卒採用などその他の採用方法との違い
中途採用以外の採用方法に「新卒採用」「キャリア採用」があります。中途採用とこれらの採用方法は、具体的にどのような点が異なるのでしょうか。
新卒採用との違い
新卒採用は、高校や大学、専門学校を卒業見込みで、これまで正社員としての就業経験がない学生を対象としている採用方法です。学校を卒業した直後となる、4月の入社を前提として選考が行われます。
中途採用と新卒採用は、対象者や入社時期が限定されている点だけでなく、その目的も異なります。中途採用の主な目的は、欠員を補充するためにある程度の社会人経験やスキルのある人材を採用することです。
一方で新卒採用では、企業が長期安定的に事業を続けていくために人員のバランスを取る目的で主に実施されます。ほかにも、組織の活性化や将来のリーダー候補の採用などを目的とする場合もあるようです。
基本的には中長期的な育成を前提としているため、新卒採用ではスキルよりも、候補者の人柄やポテンシャルなどを重視します。
新卒採用について、さらに詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてください。
(参考:『新卒採用とは?メリットやデメリット、中途採用との違いを解説』)
キャリア採用との違い
キャリア採用は中途採用の一部で、特定のスキルや経験を求める採用を指します。ただし、企業によっては「経験者採用」と同義で使われる場合もあります。
一般的に「中途採用」というと、未経験者も対象となることが多いですが、キャリア採用では特定の経験や知識などを求めて即戦力となる転職希望者を対象としている点が大きな特徴です。そのため、基本的には専門性が求められる職種や部門でキャリア採用が用いられます。
キャリア採用について、さらに詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてください。
(参考:『キャリア採用とは?中途採用との違い・企業側のメリット・成功事例3選』)
中途採用の目的
多くの企業が中途採用を行う主な目的としては、年度計画を前提とした欠員対応や、増員の必要性への対応などが挙げられます。
4月の入社を前提としている新卒採用とは異なり、比較的短いサイクルで通年での採用が可能なので、短期的な目標の達成や課題の改善のために中途採用を行うケースもあるでしょう。
また、それだけでなく、自社にこれまでなかったノウハウを導入することも、中途採用の目的といえます。異なる環境ではたらいた経験のある転職希望者を採用することで、他社の文化を知る機会が生まれ、組織に良い刺激をもたらしてくれることが期待できます。
中途採用を行うメリット
ほかの採用方法も選択肢としてある中で、中途採用を行う場合、以下のメリットがあります。
●即戦力となる人材を採用できる
●教育コストが抑えられる
●通年で採用活動ができる
●他社のノウハウや知見を吸収できる
●多様性のある組織づくりがしやすくなる
●企業ブランディングの向上につながる
即戦力となる人材を採用できる
中途採用では、新卒採用と異なり、一定の社会人経験のある転職希望者が応募してくる可能性があるため、自社にとって即戦力となる人材を採用できるというメリットがあります。特に、経験者歓迎の求人票を掲載すれば、採用後は最低限の研修のみで現場の業務を任せられる可能性もあるでしょう。
また、未経験者を採用する場合であっても、基礎的なビジネススキルやマナーは一通り身に付けている転職希望者が多いと考えられるため、やはり新卒採用よりも即戦力になり得ると考えられます。
即戦力となる人材の採用や定着させるポイントについて、さらに詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてください。
(参考:『即戦力の定義とは?人材の見極め方や定着率向上のコツを紹介』)
教育コストが抑えられる
入社後の教育コストを抑えられる点も、中途採用ならではの大きなメリットの一つです。
前述の通り、中途採用では業界経験の有無にかかわらず、一定の社会人経験のある転職希望者を採用する可能性が高いため、「報連相の基本」をはじめとする、基礎的なビジネススキルを一から教育する必要がありません。
結果、教育を担当する上司や先輩社員の負担も軽減されるでしょう。
通年で採用活動ができる
中途採用は、新卒採用のように入社のタイミングを特定の期間に限定されず、通年採用を行える点がメリットです。自社の都合に応じて、年度中でも不定期に実施できるため、柔軟な人員の補充が可能です。
新卒採用のように選考から入社までの間隔が空くこともなく、選考のスケジュールも任意に調整できるため、急を要する人材の採用には活用しやすい点が特徴といえます。
通年採用について、さらに詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてみてください。
(参考:『通年採用とは?新卒採用との違いやメリット・デメリットを解説』)
他社のノウハウや知見を吸収できる
中途採用された人材の経験や知識を通じて、他社のノウハウ、文化などを吸収できる点も大きなメリットです。特に競合他社からの入社であれば、自社にそのまま活かせるような情報・スキルを数多く持っていると期待できるでしょう。
また、前職でのノウハウや業務経験などの中で、情報漏洩などの規定に反しない内容を展開してもらえれば、自社だけでは気づきにくい業務課題の発見にもつながる場合もあります。
例えば、業務フローの改善や効率化のためにツールの活用、品質管理における体制構築など自社の売上や業務改善の機会にもなり得ます。
多様性のある組織づくりがしやすくなる
中途採用は、組織の多様性の推進にも一役買います。先ほど「中途採用の目的」でもお伝えしたように、他社を経験した転職希望者が対象となる可能性が高いため、新卒採用で入社した従業員とは異なる価値観を持っていることが考えられます。
自社にこれまでなかった価値観が、中途採用によって取り入れられるようになれば、組織の活性化やイノベーションを生み出す土壌も醸成されていくでしょう。
また、学校を卒業する予定の候補者を一律で採用する新卒採用と異なり、中途採用では年齢、経歴など多様な属性の転職希望者が集まるという特徴もあります。
(参考:『ダイバーシティーとは何をすること?意味と推進方法-企業の取り組み事例を交えて解説-』)
企業ブランディングの向上につながる
中途採用を計画的に行うことで、企業ブランディングができるという副次的なメリットもあります。なぜなら、採用活動の一環で自社の情報を積極的に発信していけば、「機会があれば転職しても良い」と考えている、いわゆる転職潜在層にも情報を届けられるためです。
採用広報として自社の情報を発信し、中途採用を行っていくことで、自社に対し好印象を抱いてもらえる可能性があります。また、潜在層にまでアプローチが届けば、顕在層となり、応募してもらえれば母集団形成の面でもメリットが期待できます。
(参考:『採用ブランディングとは?目的や方法、ポイントと成功事例を紹介』)
中途採用のデメリット
反対に、中途採用には以下のデメリットも存在します。
●価値観やカルチャーが合わない可能性がある
●新卒採用より年収や採用コストが高くなりやすい
●専門性が求められる職種の場合は大量採用には向かない
●若手人材の育成が進みにくくなる可能性がある
メリットと照らし合わせて検討しましょう。
価値観やカルチャーが合わない可能性がある
受け入れ側の準備や相互理解が不十分な場合、入社後に既存の従業員と価値観やカルチャーのギャップで摩擦が生じる場合があります。
例えば、業務の進め方や仕事に対する価値観などが前職と異なる場合は、中途入社した社員は「正しいやり方で動いているつもり」でも周囲からは「業務のやり方が違う」と受け取られ、信頼構築に時間がかかることがあります。
結果として、双方に小さな不満が蓄積され、「合わない」と感じられてしまう可能性があります。
また、経験者として採用する場合は、「経験者だから活躍してくれるはずだ」という周囲の期待に対して十分なパフォーマンスを発揮できないというジレンマが生じる恐れもあります。
ミスマッチを防ぐポイントについて、さらに詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてみてください。
(参考:『ミスマッチとは?新卒・ミスマッチが起こる原因は?企業に与える影響と対応方法を紹介』)
新卒採用より年収や採用コストが高くなりやすい
新卒採用と比較すると、中途採用はコストが高くなりやすい傾向があります。実際に、リクルートの研究機関である「就職みらい研究所」が公表した『就職白書2020』によると、2019年度の1人当たりの平均採用コストは、新卒採用93.6万円に対し、中途採用では103.3万円かかっていました。
これは、中途採用では即戦力となる人材を求めるケースが多く、そのような人材はなかなか簡単には見つからないため、採用フローでコストがかさんでいることが考えられます。
また、中途採用の場合は一定の年齢・社会人歴のある人材を採用することとなるため、新卒採用者よりも高い給与を提示する必要があります。そのため、採用コストのみならず、入社後の人件費も中途採用のほうが高くなる可能性があると考えておいたほうが良いでしょう。
(参照:就職みらい研究所『就職白書2020』)
専門性が求められる職種の場合は大量採用には向かない
対象者やシステムが明確化されている新卒採用に比べて、専門性が求められる職種の中途採用は一般的に、経験やスキルを踏まえてピンポイントで行われます。そのため、当然ながら大量一括採用には適していません。
また、人材紹介サービスなどを利用する場合は、1人当たりの採用コストがかかってしまう点も難点です。こうした理由から、中途採用では新卒と比べて、少数精鋭への絞り込みがとても重要となります。
若手人材の育成が進みにくくなる可能性がある
中途採用を増やし過ぎると、自社の若手を登用する機会が減り、成長や昇進を遅らせてしまう側面がある点にも注意が必要です。
自社に若い従業員が多く在籍している場合、少し上位の役職で中途採用を行うと、新たに入ってきた人材によってポストが埋まってしまうため、若手のキャリアパスが停滞し、モチベーション低下や離職につながるリスクもあります。
そのため、中途採用を行う際は、既存社員のキャリアプランや昇進機会を考慮し、採用バランスを慎重に調整することが重要です。
中途採用の流れ
ここでは、中途採用を行う場合の全体の流れを解説します。
【中途採用の流れ】
●採用計画の策定
●採用活動を始める
●面接・選考の実施
●入社前後でフォローを行う
1.採用計画の策定
まずは採用計画を立てます。「どのような目的のために、なぜ中途採用を行うのか」を洗い出してから、目標となる数値を設定します。また、予算や選考フロー、採用手法なども決めたいところです。
具体的には、以下の項目を決めていくと良いでしょう。
【採用計画で決めるべき項目】
●募集の背景
●採用人数
●納期(いつまでに採用したいか)
●予算
●KPI(重要業績評価指標)
●採用要件
●求める人材像
●選考フロー
●採用手法
過去に自社で行った中途採用の実績を参考にすると、採用計画をスムーズに立てられます。
(参考:『【無料テンプレ付】採用計画の立て方|人事が押さえるべき手順やポイント』)
2.採用活動を始める
採用計画を立案したら、次は採用活動のスタートとなる「母集団形成」に進みます。母集団形成とは、採用活動で応募者を集めるための取り組みのことです。母集団形成の一般的な手段としては、求人サイトやハローワークに自社の求人票を掲載する方法が挙げられます。
求人票の作成に当たっては、自社の求める人材像を意識することが非常に重要です。多くの転職希望者の興味を引く求人票を作成して、たとえ大量の応募が集まったとしても、自社の条件とマッチしない転職希望者が多数であれば、意味を成しません。
自社が求める転職希望者に「自分のことだ」と思ってもらえる求人票を作成しましょう。
(参考:『【人事必見】採用活動とは?ポイントやスケジュール、新卒・中途の採用方法について解説』)
3.面接・選考の実施
応募者の中に、条件に合う転職希望者がいれば、面接・選考に移ります。ポイントは、自社が転職希望者を見極めるだけでなく、「転職希望者の入社意向を醸成する場」という意識を持つことです。
面接官が与えた印象や、面接の場で話した内容によっても、転職希望者が自社に対して抱くイメージは左右されます。そのため、好印象を与えられる振る舞いを意識することはもちろん、転職希望者自身が実際にはたらくイメージを持てるように、詳細な業務内容を伝えましょう。
(参考:『今日から使える面接官マニュアル【質問事項はこれでOK】』)
4.入社前後でフォローを行う
採用が決まって、採用条件通知書を送付してからも、採用活動はまだ続いています。転職希望者は、新たな職場での日々に期待している一方で、大なり小なり不安も抱いているはずです。
そのため、不明点や不安がないか確認したり、希望年収などの詳細な条件を擦り合わせる「採用条件面談」を設けたりなど、フォローの場を提供できると理想的です。
なお、状況によっては採用条件通知書の送付後に辞退が発生してしまうことも起こり得ます。以下の記事では、入社前辞退を減らすためのポイントを解説しています。
(参考:『「それNG?」入社決定者のフォローはバッチリ、のはずなのに…。辞退が減らない3つの失敗【学べる資料付き】』)
また、入社後についても定期的なフォローを行うことが重要です。例えば、入社直後や1カ月後などのタイミングで面談を実施し、業務内容の理解度や職場環境への適応状況、不安や困りごとがないかを確認します。
こうしたフォローを通じて早期に課題を把握し、必要なサポートを行うことで、入社後のミスマッチや早期離職の防止につなげることができます。
内定辞退を防ぐ内定者フォローの進め方について詳しく知りたい方は、下記の記事もチェックしてみてください。
(関連記事:内定者フォローは何をすべき?具体例と実施する際のポイントを紹介)
中途採用を成功させるためのポイント
中途採用にはさまざまなメリットがある一方で、新卒採用にはない難しさもあります。
中途採用を成功させるために押さえておきたい以下のポイントを確認しましょう。
●採用基準を明確にする
●求める人材に合った採用手法を選ぶ
●スピーディな対応を意識する
●応募者に十分な情報発信を行う
●採用ブランディングを実施する
●入社後のフォローやオンボーディング施策を実施する
採用基準を明確にする
中途採用では、人材とのミスマッチを避けるためにも、採用基準や条件を明確に設定することが大切です。必要な人材像を明確化し、採用基準にぶれがないように準備することで、選考をスムーズかつ的確に行えるようになります。
そのためには、自社が中途採用を行う目的を改めて見直し、関係者全員に浸透させる必要があります。例えば、新規プロジェクトの立ち上げに向けて実施するのであれば、それに適したスキルや経験を洗い出し、言語化した上で共有しておきましょう。
採用条件が明確になっていれば、応募者側でも企業と自身の特性がマッチしているかを判断しやすくなるため、採用活動全体の効率が向上します。
採用基準について、さらに詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてみてください。
(参考:『採用基準とは?具体的な設定手順や自社にマッチした人材の見極め方|テンプレ付』)
求める人材に合った採用手法を選ぶ
採用基準を明確にしたら、その人材像に合った採用手法を選ぶことも大切です。なぜなら、母集団形成を行う上で母集団の「質」が非常に重要であるためです。
たとえ一定の母集団を形成できたとしても、自社の求める層とマッチしていなければ、採用までに至らないことがほとんどでしょう。フローの最後までたどり着き、晴れて採用となる転職希望者を可能な限り多くするためにも、母集団形成の質が重要なのです。
そして、質の高い母集団を形成する、つまり自社の求める人材像と合致する転職希望者に応募してもらうには、求める人材像に合う採用手法を選ぶことがポイントとなります。
(参考:『【2025年版】採用手法16選を徹底比較|メリット・デメリット・最新の注目トレンド』、『母集団形成とは?重要性と実践の手順、効果を上げるためのポイントを解説』)
スピーディーな対応を意識する
転職希望者から来る連絡への返信や面接日程の調整などのやりとりは、原則24時間以内の返信を心がけ、スピーディーな対応を徹底しましょう。転職希望者は、自身の将来について不安に感じている可能性もあります。
また、複数社の選考を受けている場合は、レスポンスの速い企業を優先的に選ぶことも考えられるため、転職希望者への連絡はスピード感を持つことを鉄則としたいところです。
なお、スピーディーな対応以外でも意識したい、転職希望者の意向の醸成に欠かせないポイントについては以下の記事をご覧ください。
(参考:『中堅・中小企業こそ参考にしたい、0円からはじめられる施策も!意向醸成に効果的な選考フローの改善ポイント』)
応募者に十分な情報発信を行う
十分な母集団を形成するために、自社の情報を適切に発信することも大切です。
なぜなら、転職市場には「今すぐに転職したい」と思っている転職顕在層だけでなく、「良い企業があれば転職してみてもいいかもしれない」と考えている、転職潜在層もいるためです。転職潜在層にまで情報を届けることが、中途採用の将来的な成功につながります。
なお、SNSや自社の採用サイトなどで情報を発信する際に気を付けたい点としては、「ネガティブな面も包み隠さず公開する」という点が挙げられます。企業としては、残業時間など、ネガティブな面はやはり伏せたいものです。
しかし、ポジティブな面だけを強調してしまうと、入社後に「聞いていた情報と違う」と判断され、早期離職につながるリスクもあります。
また、情報発信は求人票の上でも十分に行えます。以下の記事では、営業職を例に求人票を書くポイントを伝えていますので、ぜひ役立ててください。
(参考:『【添削例あり】応募獲得に差が出る「良い求人票の書き方」~営業職編~』)
採用ブランディングを実施する
「採用ブランディング」とは、自社の魅力を転職希望者に伝えて入社意向を醸成する取り組みのことです。例えば、SNSや採用サイトを活用して、企業の中身が伝わるようなコンテンツを発信することなどが挙げられます。
転職希望者数よりも求人数のほうが多い「売り手市場」の中で、転職希望者に選んでもらうには、自社の魅力をしっかりと伝える必要があります。そのため、採用ブランディングも非常に大切なのです。
採用ブランディングについてより詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
(参考:『採用ブランディングとは?目的や方法、ポイントと成功事例を紹介』『実践!採用ブランディング講座~採用成功にむすびつけるための原理原則、そして最新事例を紹介』)
入社後のフォローやオンボーディング施策を実施する
新入社員を育成するプロセスのことを「オンボーディング」といいます。オンボーディングも、中途採用を成功させるために欠かせない施策の一つです。
なぜなら、せっかく新たな人材を採用できたとしても、入社後にミスマッチが発覚した場合は早期離職となるリスクがあるためです。
オンボーディングの具体的な手法に決まりはありません。先輩社員とフラットなコミュニケーションが取れるグループチャットの導入や、定期的な1on1の実施、新入社員専門のサポート窓口の設置など、自社に合う方法を取り入れると良いでしょう。
中途採用を成功させるには、「採用時」と「入社後」の両方の設計が欠かせません。自社の課題フェーズに合わせて、以下の資料をご活用ください。
なお、オンボーディングについて詳しくは以下の記事で解説しています。
(参考:『オンボーディングとは?5つのメリットと2つの導入事例【施策シート付き】』『【中途入社者の早期離職を防ぐ】入社3カ月までのフォローに必要な「人事と現場の役割分担」とは』)
企業の中途採用への取り組み事例
自社に合った形で中途採用の取り組みを行っていくには、すでに実績を上げている企業の事例を参考にすることも大切です。
中途採用の取り組みで成功を収めた2社の事例を紹介します。
【中途採用に取り組んでいる企業】
●株式会社村田製作所
●株式会社ニイミ(麺屋しずる)
株式会社村田製作所
電子部品メーカーである株式会社村田製作所では、2000年代まではほぼ新卒採用の従業員で組織が構成されていましたが、2009年ごろから中途採用の数を増やしました。中途入社の従業員が保有するスキルや経験が加わることで、スマートフォン分野の拡大や自動車の電装化などにうまく対応し、事業領域の拡大へとつなげています。
従業員の構成が変わることで、コミュニケーションの在り方やチームビルディングへの投資を行うようになりました。また、「貢献コース制度」および専門系管理職制度を採用しており、専門性を有する管理職の任用につなげています。
(参考:『中途採用者数が10年で20倍。多様化が進んだ村田製作所、変革の原点となった「2000年代の危機感」』)
株式会社ニイミ(麺屋しずる)
麺屋しずるを展開する株式会社ニイミでは、飲食業界や販売サービス業以外の経験をしている「異業界・異業種の人材」に対して、積極的なアプローチを行っています。
また、転職希望者に直接アプローチができるスカウトメールやダイレクト・ソーシングサービスも求人広告と併せて活用しています。
長く安定してはたらきたいという人材や専門性を持った異業界出身者の採用につながっており、事業拡大の原動力となっています。
(参考:『働き方改革は中途採用の応募者増に効果あり!困難を極めた店長候補4名の採用に成功するまで』)
中途採用に関するよくある質問
最後に、中途採用に関して人事・採用担当者からよく寄せられる質問に回答します。
【中途採用に関するよくある質問】
●中途採用はいつから始めるべきですか?
●中途採用で即戦力となる人の特徴は?
中途採用はいつから始めるべきですか?
企業が募集を開始してから採用者の入社が決定するまでに、1~3カ月程度かかります。そのため、「この時期までに新入社員が欲しい」という希望がある場合は、3カ月以上前から採用活動を始めると安心でしょう。
なお、一般的には祝日などの関係で長期休暇がある傾向にある5月や8月、また12月から翌年1月までの年末年始の期間は転職活動を行う人がやや減少する傾向があります。集中的に多くの応募を集めたい場合は、これらの時期は避けることをお勧めします。
中途採用で即戦力となる人の特徴は?
以下の条件に多く当てはまる転職希望者は、即戦力となる可能性が高いでしょう。
【即戦力となる人材の特徴】
●高い専門性がある
●豊富な経験がある
●課題解決能力に秀でている
●適応力が高い
専門性やスキルのように、実務に直結する要素はもちろん、課題解決能力や適応力も大切です。たとえ未経験での応募であっても、イレギュラーな事態が起きた際や慣れない業務に順応さえできれば、即戦力となれる可能性があります。
まとめ
企業にとって、中途採用は急を要する人員の採用や即戦力の補充を行える有効な手段となります。新卒者と比べて一定の経験を積んだ人材を採用できるため、育成コストが抑えられるとともに、組織内に新たなノウハウや知識をもたらす可能性もあります。
一方で、価値観のミスマッチが起こりやすい点や、既存の従業員の成長を妨げてしまう恐れがある点など、いくつかの注意点があることも確かです。
中途採用のメリット・デメリットをきちんと把握した上で、自社の採用戦略にどのように活かしていけるのかをじっくりと検討してみましょう。
記事では、中途採用を成功させるための考え方や全体像を整理してきました。採用面接のフローや準備、質問例までを1冊にまとめた資料を用意していますので、自社の採用活動を整理する際にご活用ください。
(制作協力/株式会社eclore、編集/d’s JOURNAL編集部)
採用面接のフローや面接準備、面接手法が1冊でわかる!「中途採用面接ガイド」
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